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文科省の新政策で運動発展の契機になるか
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第141回

9月 26日 2018年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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一般財団法人福祉教育支援協会専務理事・上席研究員(就労移行支援事業所シャロームネットワーク統括・ケアメディア推進プロジェクト代表)。コミュニケーション基礎研究会代表。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般社団法人日本不動産仲裁機構上席研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長など経て現職。

◆専攻科の実践研究を強化へ

全国専攻科(特別ニーズ教育)研究会主催の実践研修講座が8月26、27日、名古屋市の愛知県立大学サテライトキャンパスで行われた。講演で田中良三会長(愛知県立大学名誉教授)は文部科学省による昨年度からの「特別支援教育から生涯学習化へ」の政策転換を踏まえて、これまでの専攻科づくりの歩みを振り返りながら、実践研究活動をさらに活発化していく重要性を強調した。

この政策転換の中で、私自身も委託研究を行い、来年度開学する法定外シャローム大学の動きも、「学び」の可能性を広げる行動として、この中に位置づけられるから、田中会長の言葉は自分事として肩にも力が入る。同時に障がい者への教育について考えさせられ、行動に至ったきっかけを与ええてくれた人でもあるから、なおさら他人事ではない。

◆学びの継続、福祉型にも着目

講演で田中会長は文科省の2018年度事業である「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」の必要性を「障がい者が社会生活を自立して送るためには学校卒業後の学びを継続すること」「障がい者が、幸福で豊かな生活を追求するための生涯学習の機会を整備すること」「障がい者が社会において自らの個性や得意分野を長所として生かす観点からの取り組み」「障害の有無にかかわらず、共に学ぶ共生社会の実現に向けた取り組み」と解説。

さらに政策は福祉サービスの中で「学び」を重視する「福祉型専攻科」にも着目しているとの考えを示した。その上で文科省の政策をこれまでの運動の発展の契機にするために、実践現場には質の高い取組が求められるとの見解を示した。

最近、増加している「福祉型専攻科」にも追い風の政策であり、同講座には全国の福祉型専攻科等の責任者やスタッフ、研究者ら約50人が参加した。実践報告として、福祉型専攻科である札幌市の「チャレンジキャンパスさっぽろ」、岡山県総社市の「パルジャ」がこれまでの取り組みを紹介。私が進める法定外シャローム大学(埼玉県和光市)は福祉型ではなく、独自の教育型として、設立の経緯を説明した後、現在「プレ学習プログラム」として実践している内容を紹介した。

特別支援学校に関するメディア教育の実態調査の結果も示し、特別支援教育後だからこそ必要な新しいコミュニケーション授業の研究と実践について提案を行った。

◆地域とのつながりも重要

また「学校専攻科と福祉型専攻科のこれからを考える」と題したシンポジウムでは、エコール神戸(神戸市)の河南勝学園長、聖母の家学園(三重県四日市市)の辻正・前校長、NPO法人専攻科滋賀の会の立岡晄理事長が登壇した。3人とも長年、専攻科を広げる運動を実践とともに行ってきた。

その言葉は、常に当事者の思いを受け止め、それを行動に積み重ねてきた歴史があり、思えば文科省の施策もそのような思いと行動の上に成り立っているのだと、実感する。その言葉の数々を受けて鳥取短期大学の國本真吾准教授はそれぞれの取り組みが地域とのつながりが求められてくると総括し、実践と地域がつながっていくことが重要との認識を示した。

最後には長年、専攻科運動を続けてきた大和大の小畑耕作教授が、今後のさらなる実践研究を広げていく方向性を確認した。そこに私がどのような活動で力になれるのか、深く思案中である。

■いよいよ始まる!2019年4月開学 法定外シャローム大学
http://shalom.wess.or.jp/

■精神科ポータルサイト「サイキュレ」コラム
http://psycure.jp/column/8/

■ケアメディア推進プロジェクト
http://www.caremedia.link

■引地達也のブログ
http://plaza.rakuten.co.jp/kesennumasen/

 

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