山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
「朝日新聞の『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じ」という記事が週刊ポストに載った。福島第一原発の故・吉田昌郎(よしだ・まさお)所長が政府の事故調査委員会の聴取に応じた陳述書、いわゆる「吉田調書」に関する記事が、意図的に事実をゆがめるもので吉田所長はじめ現場で奮闘した人々を貶(おとし)める「ウソ」を全世界に拡散するものだ、という主張である。
◆事実を公表することこそ事故の教訓だ
2号機が爆発した2011年3月15日早朝、福島第一原発にいた従業員の約9割が、所長の命令とは異なる福島第二原発に避難した。
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