п»ї 27 | 9月 | 2013 | ニュース屋台村

Archive for: 9月 27th, 2013

ヤミ鍋TPPの反民主性
『山田厚史の地球は丸くない』第6回

9月 27日 2013年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

大詰めを迎えた環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉は10月8日の三カ国首脳会合で「大筋合意」するという。首脳会合といっても首相や大統領が国益を背負って激論を交わす、なんてシーンは期待できない。

大事な話は前の週の木曜日から日曜の6日まで続く閣僚会合で詰める。だが交渉は難航しそうで「大筋合意」は望み薄といわれる。首脳会合は「交渉は順調に進んでいる。まだ決まっていない分野も年内合意に向けがんばろう」というような共同声明を発する儀式に終わるだろう。
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官僚依存という病―日本がもう一度輝くために(2)
『翌檜Xの独白』第2回

9月 27日 2013年 社会

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翌檜X(あすなろ・えっくす)

企業経営者。銀行勤務歴28年(うち欧米駐在8年)。「命を楽しむ」がモットー。趣味はテニス、音楽鑑賞、「女房」

日本国民が自己責任を自覚し主体性を回復するに当たって構造面で何よりも優先すべきは、官僚依存からの脱却です。明治維新以来、わが国は優秀で強い使命感にあふれた官僚を中心に国づくりが行われてきました。世界の列強が虎視眈々(こしたんたん)とアジア諸国の領土化をもくろむ中、圧倒的に後進的立場にあった日本を世界の列強に伍(ご)するところまで持ち上げたのは、まさしく使命感に燃えた有能な官僚によるところが大であったと思います。その後、第二次世界大戦によって灰燼(かいじん)と帰した国土を復活させ、奇跡の高度成長を演出したのも官僚を中心とした中央集権的な枠組みであったと思います。

戦後復興を可能ならしめた官僚を中心とする中央集権的な資源配分の枠組みは、どれだけ評価してもし過ぎることはないと思います。しかし、どんなに良く出来た仕組みでも時代や環境に関わらず、普遍的に妥当することはあり得ません。
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科学と現代
『教授Hの乾坤一冊』第6回

9月 27日 2013年 文化

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教授H

大学教授。専門は環境経済学および理論経済学。政府の審議会の委員なども務める。「知性は、セクシーだ」が口癖。趣味は鉄道(車両形式オタク)。

いきなり私事で恐縮だが、私は旧大山(おおやま)街道(現在の国道246号線)沿いにある神奈川県のとある町に住んでいる。古い宿場町で、現在では都市化が進んでいるもののまだまだ田舎の雰囲気のある町である。この辺りは地形が独特で、少し歩くとすぐわかるように高台と低地とが交互に入り組んだように現れる。時にはだらだら坂を登るハメになるが、歩く気分は悪くない。

そんな地理的条件のせいだろうか、かろうじて開発を逃れた緑や水辺の生物相は豊かだ。うっそうと葦が茂る谷戸(やと)では、カエルの大合唱が楽しめる。トンボもたくさんいて、時にはオニヤンマも飛んで来る。運がいい場合には、キジやカワセミを見ることもできる。
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「好きな国」「嫌いな国」
『記者Mの外交ななめ読み』第4回

9月 27日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

トルコ中部の観光地カッパドキアで9月上旬、旅行中の新潟大学の女子学生2人が地元の男に刃物で殺傷される事件があった。現地からの情報などによると、事件は偶発的に起きたようだ。僕は事件発生後のトルコ当局などの迅速な対応に注目した。

カッパドキアでは、地元の人たちによる追悼行事が行われた。およそ1000人の参加者が、日本語で「トルコ日本友好」「ごめんなさい」などと謝罪・追悼のメッセージを書いたプラカードや日の丸の旗を手に行進し、亡くなった女子学生を悼んだという。また、事件の翌日、東京のトルコ大使館は、現場から逃走したとみられる男の身柄を拘束したと発表(その後、誤認逮捕とわかり、別の男が逮捕されたが)。一方、成田空港では急きょトルコに向かうことになった女子学生の両親を、喪章を付けたセルダル・クルチ駐日トルコ大使夫妻が出迎え、「いつも私たちはそばにいます。何かできることがあればおっしゃってください」と声を掛けた。
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ASEAN Wayとバーゲニングパワー
『ASEANの今を読み解く』第2回

9月 27日 2013年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。1998年から2回のタイ駐在で在タイ10年目。現在は主にASEANの経済統合、自由貿易協定(FTA)を企業の利用の立場から調査、解説。著書に「ASEAN経済共同体」(2009年8月/ジェトロ)など多数。

◆ASEANの交渉力の源泉「コンセンサス」

これまで東南アジア諸国連合(ASEAN)は、加盟10カ国が同じ方向を向くことで、中国や日本などASEANのダイアログパートナー(対話国)などとの交渉において「バーゲニングパワー」を発揮してきた。例えば、筆者が参加の機会を得たASEANとある対話国との閣僚会議で、一部のASEAN加盟国と対話国とで意見の不一致があった。その際、直接的に利害が絡む加盟国が自らの意見を述べ、他の加盟各国が利害加盟国を支えるべく次々とその意見に同調、最後に皆、「ASEANのコンセンサスに従う」という言葉で締めくくった。

これらのやり取りで、対話国は完全に守勢に立たされる。ASEANは直接的に利害が絡む加盟国に最大限配慮する形で、非利害加盟国もコンセンサスを形作り、10カ国による「バーゲニングパワー」を発揮するその姿勢は、正直、対抗するのが難しいと感じた。ASEAN Wayと言われる「内不干渉の原則」と「コンセンサスによる意思決定」の根幹を見た気がした。ASEANの意思決定は決して多数決を採らない。多数決はASEAN内で足並みの乱れを露見させ、「バーゲニングパワー」をそぐ懸念があるためである。
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