ワンアジア・ジョイントコンサート
『トラーリのいまどきタイランド』第3回

12月 20日 2013年 文化

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トラーリ

寅年、北海道生まれ。1998年よりタイ在住。音楽やライブエンターテインメント事業にたずさわる。

バンコク都内「アクサラシアター」で12月8日に開催されたAUN J クラシックオーケストラによるワンアジア・ジョイントコンサート。鳴り止まぬ拍手喝采のなか、その幕を閉じた。

AUN J クラシックオーケストラは、邦楽界で活躍する若手の和楽器奏者が集まり、世界へ向け、シンプルでスタイリッシュに日本文化と和楽器の素晴らしさをアピールする音楽ユニットだ。双子の井上公平・良平で構成される和太鼓・三味線ユニット「AUN」がこのオーケストラのリーダーを務める。彼らは昨年、日本の文化交流使としてタイ、ラオス、ベトナム、カンボジアで全29公演、1万名以上を動員した実績を持つ。

今年は、日本アセアン友好協力40周年記念事業の一環として、オーケストラを率いて東南アジアツアーに出た。音楽を共通言語として東南アジア各国と友情の輪を広げ、文化的な交流を深めることが目的だ。

ツアーは、世界遺産登録20周年を記念するカンボジアの世界遺産アンコールワットを皮切りに、タイ、インドネシア、ベトナムの4カ国で開催された。それぞれの国で現地の民族楽器奏者と共演する大がかりなプロジェクトであり、仕込みにも時間を要した。

アンコールワットでの公演を大盛況のうちに終えて7日朝、シエムレアプからバンコクに飛んできたメンバーの人たちを空港へ出迎えに行った私たちの目に飛び込んできたのは、長さ2メートルの琴が3本。続いて、三味線や和太鼓、鳴り物などたくさんの楽器が運ばれた後、ようやくメンバーの人たちの笑顔に触れることができた。疲れを見せない明るい表情に、ほっとした。

翌日の本番日。会場では早朝から音響や照明などの会場セットアップが始まった。リーダーの公平さんは、朝、顔を合わせたときから「サヌック・マイ・クラップ?(タイ語で「楽しんでいますか?」の意)」「プレーン・トー・パイ……(次の曲は……)」などと、タイ語のコメントを繰り返し練習していた。どの国へ行っても現地の母国語であいさつをする彼は、いつも人気者だ。しかしそこには地道な努力がある。

午前11時から始まったリハーサルでは、舞台監督や現地の音響、照明スタッフのあいだでは緊迫する場面もあったが、夕方17時半から始まるレセプションまでに全ての行程を終えた。

◆魂が揺さぶられる演奏に感動

19時を回り、600人余りの観客を前にステージの幕が開けた。前半はAUN J クラシックオーケストラのみによる演奏で、演目はオリジナルの曲から洋楽、アニメソングまで幅広いレパートリーで楽しませてくれる。なかでもタイで人気のジブリ作品「となりのトトロ」の前奏が始まったときには、観客席から歓声があがった。

後半は「Boy Thai (ボーイタイ)」というタイ民族楽器と現代楽器を融合したユニークなバンドがゲストとして登場した。タイの童謡「カーンカーオ・ギン・クルアイ(こうもりがバナナを食べた)」や日本の唱歌「故郷(ふるさと)」を2ユニット独特のアレンジで演奏し、ラストは今回の東南アジアツアーのためにつくられた新曲「ONE ASIA」で飾られた。音楽という共有言語でアジアのミュージシャンの呼吸が一つになることを、彼らは4か国で観客に体感させた。

私たちは今回のコンサートの運営を微力ながらサポートさせてもらったことを光栄に感じている。どれだけ準備に時間をかけ、汗をかこうとも、魂を揺さぶられるような生演奏を目の当たりにすると、全て帳消しになり感動のみが残る。来年もまたジャンルを問わず、日本の音楽、日本の素晴らしいアーティストをタイに紹介していきたいと、切に思う。

【お知らせ】

カンボジア公演の様子は12月22日(日)20:00~21:54にBS日テレで放送されます。「和の想い 世界遺産“アンコールワット”に響く!」~若き和楽器奏者とアジア音楽との共演~
http://www.bs4.jp/guide/document/wanoomoi/index.html?fb_action_ids=560355734042830&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map=%5B556889797726154%5D&action_type_map=%5B%22og.likes%22%5D&action_ref_map=%5B%5D

【写真説明】

早朝からの舞台設営=どれも2013年12月8日、実行委員会撮影

ボーイタイと共に、ワンアジア!

一斉のスタンディングオベーションで幕を閉じた

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