п»ї 工場建設業者が倒産、どうしますか?『実録!トラブルシューティング』第32回 | ニュース屋台村

工場建設業者が倒産、どうしますか?
『実録!トラブルシューティング』第32回

6月 24日 2016年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、建設業者に関するトラブルについてご紹介します。建設業者の中には非常に良い業者も多いのですが、弊社へのご相談が絶えない分野でもあります。製造業を営むA社から、工場建設業者の倒産についてのご相談を頂きました。工場建設の代金は支払済みですが、工事は完了していません。倒産の時点で工事はストップし、建設途中の工場はそのままの状態で放置されています。途方に暮れてのご相談です。

◆建設途中で泣き寝入りのケースも

A社は、当然のことですが建設業者に必死に連絡を取りましたが、全く反応がありません。支払った代金が戻ってこないことよりも、建設工事が途中で止まってしまって工場が完成しないことの方が問題です。

お客様への納期が決まっている中で、事業開始のめどが立たないのは経営上深刻な問題です。訴訟を考えてのご相談ですが、会社がすでに事実上解散しているため訴える相手が存在しません。会社が存在していたとしても、オーナー社長が連帯保証人になっていない場合、勝訴してもお金は戻ってきませんし、オーナー社長個人の資産を押さえることもできません。

万事休すとはこのことでしょうか。手痛い授業料と考えて、新たに信頼できる建設業者を探して、中断した工事を再開するしか前に進む道はなさそうです。

B社は、A社と同様に依頼していた建設業者が倒産した上に、その建設会社の下請け業者から危うく訴えられかけるという憂き目に遭いました。

こちらのケースでは工事はすべて終了していたので、B社に実害はありませんでしたが、突然下請け業者の弁護士を名乗る人からの書面を受け取り、大変驚きました。B社の弁護士が間に立って、下請け業者が訴えるべき相手はB社が雇った建設業者であり、B社ではないと説明したところ、下請け業者は納得し、事なきを得ました。

◆操業許可証取得も念頭に情報収集を

建築関係では、工事だけでなく操業許可に関するご相談も多くなっています。

タイでは工場の所在する地域や事業内容によって工場の操業許可を取得する難易度が異なることがあります。このため、工場の設立のために工業団地に入居する際や土地を購入する際には、操業許可証が御社の事業内容で確実に取得できるか事前に確認をすることをお薦めします。また、工業団地やオフィスなどの予定地が建設中あるいは造成中の場合、まずは本当にその物件は完成するのか、そして御社の事業がきちんと法令に基づいて開業できるのかを調査することをお薦めします。

操業許可を得るために、事業主から提出された事業内容に手を加える中間業者やオーナーがいるとも耳にします。新規の工場の操業許可証が取りにくい、または全く取れない地域もあります。工場側の中間業者やオーナー側の情報をうのみすることなく、事前に多方面からの情報を収集して慎重に検討することが重要です。

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