展示会中止でも戻ってこない出展予約金
『実録!トラブルシューティング』第47回

10月 03日 2017年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、自社製品のPRおよび販路拡大を目的に、バンコク都内のコンベンションセンターで開催される展示会への出展を申し込み、トラブルに巻き込まれたA社からのご相談について紹介します。

A社は展示会への出展にあたり、主催者から予約金の支払い依頼があり、特に疑問に思うことなく、数十万バーツの予約金を主催者宛てに支払いました。この時点では契約書は締結していませんでした。

予約金を支払った後に、主催者から「諸事情により展示会を開催しないことになったため、予約金を返金する」旨の連絡を受けました。しかしながら、連絡後、なかなか返金がされません。そうこうするうちに、主催者側と連絡も取れなくなってしまいました。これは展示会開催を装った詐欺ということなのでしょうか。途方に暮れてのご相談です。

◆申込書や契約書、詳細条件など確認を

その展示会自体は、過去に2回開催実績があり、架空のものではなく実在するものでした。実際に主催者名で展示会場の予約もされていました。展示会が中止になったことは意図的なものかどうかは分かりませんが、実際に支払った金額が戻っていないのは事実です。

タイは、世界でも有数の展示会の開催件数を誇る国です。多くの日系企業もPRや販路拡大のために積極的に出展されていると思います。今回のケースをさらに調査したところ、結果として「開催実績のある展示会」と「日系企業の出展意欲」を巧みに悪用したもので、A社はまったく疑うことなく予約金を振り込んでしまいました。主催者は、1社当たりの予約金をわざわざ詐欺罪で訴えられるほどのまとまった額ではなく、少額に設定して多数の事業者から広く集めようとたくらんだようです。

後から考えてみると、展示会の開催に関しては、通常は、エージェント(代理店)が出展者の募集を行うのが一般的です。逆に言えば、主催者がエージェントを介さず直接募集を行うというケースはあまりないようです。

予約金支払い時には、申込書や契約書の有無、詳細条件等の確認が肝要となります。少額といえども、予約金が返金されない場合は集団訴訟を行うことができる可能性があります。
もしもこんな被害に遭われた場合には、まずは警察に相談し、事実関係を確認いただいた上で、弊社、東洋ビジネスサービスにもご相談ください。

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