横行する「なりすまし詐欺」
『実録!トラブルシューティング』第49回

11月 28日 2017年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、タイに現地法人を持つA社の「なりすまし詐欺」の被害についてのご相談を紹介します。

A社のタイ現地法人は、複数の海外サプライヤーから部品を調達しており、海外送金で決済しています。ある時、海外サプライヤーの一つであるベトナムのB社から、部品調達にかかるインボイスおよびドイツの口座への送金依頼をメールで受けました。

A社は、常時取引のあるB社からの送金依頼であることから、B社に対する詳細の確認を行わないまま、ドイツの指定口座に送金しました。送金後にB社に対して、資金決済の確認をしたところ、メールは送っていないばかりか、インボイスの発行や送金依頼もしていないとの回答がありました。

改めて送金依頼メールを確認したところ、依頼メールの送信元はB社のメールアドレスに類似した別のアドレスで、指定口座もB社のものに似た別の名義のものであることが判明しました。A社はあわてて銀行に問い合わせましたが、後の祭りです。既に送金した資金は引き出されてしまっていました。

◆送金する前に必ず照会・確認を

反省点は、A社のタイ現地法人の経理担当部署が、社内の担当者やB社に直接、取引についての事実確認や指定口座変更の有無などについて詳細を確認しないまま、送金してしまったことです。

A社は複数の海外サプライヤーとの取引があり、なりすまし詐欺の対象となるリスクが高いにもかかわらず、社内におけるリスク管理や情報共有などの体制が不十分であったと言えるでしょう。

現在、タイでは今回の事例のように、海外取引先になりすましてメールを送り、送られてきたお金をだまし取る詐欺が増加しています。各銀行のHPなどで注意喚起がされていることから、その内容を社内で共有するよう徹底するとともに、海外取引先への送金や口座変更の通知については担当部署や取引先に確認をするなど、業務の流れを再度見直し、このような事態が起きないように社内の防止策を講じる必要があります。

万が一、被害に遭ってしまった場合には、速やかに銀行に問い合わせるとともに、すぐに所轄の警察に相談してください。また、こうした詐欺などのトラブルに巻き込まれた際には、東洋ビジネスサービスにご相談ください。

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