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日経・紙媒体が消えた日
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第234回

2月 03日 2023年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

タイで長らく宅配されてきた日本経済新聞(日経)の紙媒体が、昨年12月31日をもって廃刊になった。日経は2006年9月からタイで現地印刷・宅配を始めたとのことで、私は16年以上、日経の紙媒体のお世話になってきたことになる。海外にいながら日本の情報を新聞で毎日得られることなど、昔は考えられないことだった。それだけに、この期に及んで、日経の紙媒体が廃刊になったことへのショックは大きい。年寄りの戯言(たわごと)になるが、35年に及ぶ海外生活をしてきた私が、情報収集に苦労してきた過去を振り返ってみよう。 記事全文>>

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『ハイパーインフレの悪夢』から学ぶ
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第233回

1月 20日 2023年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

新型コロナウイルスの感染拡大が始まったのが2020年の春。タイ政府によるロックダウンで外出できない私は、バンコクのアパートで所在なくテレビを見ていた。その時の番組名は覚えていないが、グーグルで検索してみると、20年4月4日NHKで放映された「緊急対談パンデミックが買える世界-歴史から何を学ぶか」という番組のようだ。イタリア在住の漫画家ヤマザキマリが出演していた記憶がある。この番組でヤマザキマリなど出演者たちが強く勧めていたのが、アルベール・カミュの『ペスト』(1947年)とジョヴァンニ・ボッカッチョの『デカメロン』(1348~1353年)を読んで感染症を知ることであった。 記事全文>>

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新年の抱負―古希を迎えるにあたって
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第232回

1月 06日 2023年 社会

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

「光陰矢の如し」というが、ついに私も今年、古希(70歳)を迎えてしまう。2022年時点の日本人男性の健康寿命が72.68歳、平均寿命が81.47歳。この数字から計算すると、私が健康で過ごせるのは、あと3年しか残っていない。「残りの人生をいかに有効に過ごすか?」ということを真剣に考えなければならない年始めである。

しかしここに別の計算式がある。「65歳を過ぎた人があと何年生きられるか?」ということを調査した「平均余命」の統計値である。19年時点のこちらの数字を見ると、日本人男性の健康余命が79.43歳、平均余命が84.83歳とぐっと伸びる。人の健康状態には個体差があるものの、私もあと10年ぐらいは健康で生きられる可能性が高い。ちょっとだけホッとする。そうは言っても、老い先短い私は今年1年を大切に生きなければならない。月並みではあるが、新しい年を迎えるにあたって、「老人なりの目標」を立ててみたい。 記事全文>>

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タイの街角経済―定点観測
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第231回

12月 16日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私たちは事実を把握するうえで、数値を用いた科学に多くを頼っている。自分自身が独断と偏見に陥らないためにも、客観的な数値に頼ることは極めて重要である。あらゆることに数値を集め、空間軸と時間軸で比較を行うことにより「相関関係」を見つける。その相関関係を基に論理を用いる「因果関係」に展開する。ギリシャ哲学以来、人間はこうした手法で科学的に真実の解明に努めてきた。しかし、科学的手法の問題点は時間がかかることである。計測可能な数字がまとめられるのは、数日から数週間かかる。ましてや経済指標などは計測する基礎データが複雑でありかつ観測点も多いものは、計数が発表されるには半年かかるものもある。

ところが現実の商売を行う上では、こうした数字を待っていると商機を失う。商売を行う上では、実際の肌感覚も極めて重要である。多くの方から「生きた情報」をうかがい、それを整理することによって現状を把握し、商売に生かす。銀行員にはこうした「生きた情報」を収集できる幅広いネットワークがある。幸いにもコロナの弱毒化と医療体制の整備が進んだため、このタイでも日常生活がかなり戻ってきた。最近ではバンコック銀行日系企業部の部員による顧客訪問もかなり活発に行われている。ニュース屋台村の拙稿2022年2月18日付第214回「コロナ禍のタイの風景―定点観測」および22年6月17日付第220回「少しずつ活気を取り戻し始めた―タイに戻って1週間」に引き続き、定点観測しているタイの街角経済の実態を報告したい。 記事全文>>

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つながりを求めて-新たな試みに挑戦
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第230回

12月 02日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから、早いもので3年になろうとしている。コロナ発生時点でインターネットで調べてみると「コロナ終息まで経済専門家は1年、医療関係者は2年、感染症専門家は3年」と予想した人が多かった。もうすぐ感染症専門家が予想した3年になる。日本ではコロナ感染の第8波が始まりその対処に追われ始めたようであるが、欧米などの先進国ではウイルスの弱毒化と医療体制の構築が進んだためコロナは大きなニュースとはならなくなってきた。このままコロナが収束していくことを切に願う。

しかしコロナが残した傷跡は大きい。コロナは私たち人類の社会生活自体を破壊してしまった。最近の人類史に定説では「現世人類であるホモサピエンスは集団生活を営むことによって危機を乗り越え、他の動物を支配する食物連鎖の頂点に立った」というものである。ところがコロナによって人々は他者との交流ができなくなった。人類の武器が封じ込められたのである。私たちは再び社会生活を再構築していかなければならない。私たちが生き残っていくために! 記事全文>>

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漂流する日本の銀行
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第229回

11月 18日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

◆「はみ出し者」が生き延びた

早いもので私の銀行員生活は45年になる。これだけ長い間、銀行員生活を続けられるとは夢にも想像していなかった。私が就職した当時の銀行は55歳が定年、しかもほとんどの人たちは55歳の定年前に銀行が斡旋(あっせん)する第2の職場へ転籍していった。30年以上銀行員生活を送れる人はまれであった。

また銀行と言えば、「お堅い職場」の代名詞であった。私のような「はみ出し者」が生き延びる世界ではなかった。平均10%もの経済成長をした戦後の高度成長期から経済円熟期へと移行していた1977年。私の就職戦争は「団塊の世代」の就職が終わり「就職氷河期」を迎えていた。周りの友人たちの安定志向に影響され、私も気が付けば「銀行員」になっていた。しかし恩師、友人とも私が長く銀行員を続けられるとは思っていなかった。当時の銀行は大蔵省(当時)主導の「護送船団方式」と通産省(当時)主導の「中小企業育成策」の下で、民間から預金を集めさえすればいくらでも貸し出しで利益を上げることができた。このため大学卒の優秀(?)な新入行員も、ただ頭を下げてお願いするだけの「預金集め」に投入され、「人材の墓場」と揶揄(やゆ)されるようになった。 記事全文>>

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データから読み解く世界のEC市場と日本の現状
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第228回

11月 04日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

スマートフォンやインターネットの発達によって私たちの生活は格段に便利になった。新型コロナウイルスの感染拡大の渦中にあっても、私たちはラインやビデオ会議などで人とのつながりを保つことができた。また電子書籍や映画配信サービスを活用して時間をつぶすこともできた。買い物だってアマゾンや楽天を使えばほとんどの物が買えてしまう。便利な世の中になったものである。

しかし、海外に住む私から見ると、心配なことが目についてしまう。先ほど述べたインターネットアプリのほとんどが海外のもので、ズーム、ティームズ、キンドル、ネットフリックス、ディズニー、アマゾンはすべて海外の会社である。わずかに楽天が日本の会社であるが、私の住むタイでは楽天はすでに撤退し、サービス提供がない。

今回はバンコック銀行日系企業部の坂部友英さんがまとめた世界の電子商取引(E-Commerce=EC)関連のレポートを紹介したい。小売商品を取り扱う「B to C」のプラットフォームについては今、アマゾンなどに追いつくことはほぼ不可能に近い。しかし企業間取引などを行うプラットフォームについては、日本はまだまだ戦える余地があると私は考えている。こうした分野に従事する人たちには参考としてぜひ、このレポートを活用していただきたい。 記事全文>>

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日本の航空機産業復活の糸口を考える
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第227回

10月 21日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

産業を振興・育成させる具体的手段は「技術革新」と「物まね」にあると私は考えている。技術革新を導き出す方法はオーストリア人の経営学者であるピーター・ドラッガーがその著書で述べているが、技術革新以上に重要なのは「物まね」である。日本人は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などとおだてられている間に「物まね」の心を忘れてしまった。しかし「物まね」によって日本は繊維、科学、鉄鋼、電気、半導体、機械設備、自動車など多くの産業で世界一にまで上り詰めたのである。もちろん単なる「物まね」だけではなく、そこに新たな工夫を施したことは書き忘れてはならない。しかしその基本は「物まね」であった。

日本の産業衰退が叫ばれる今こそ、日本人は「物まね」に活路を見いだすべきである。こうした信念から過去2年にわたって、私はこの「ニュース屋台村」で造船、半導体、自動車、農業、漁業など各種産業の世界比較を行ってきた。今回は、バンコック銀行日系企業部に所属する渡辺健斗さんが執筆した「航空機産業」に関するレポートを紹介したい。

日本の航空機産業の現状をお伝えするとともに、復活へのわずかな光明をレポートの中から見ることができる。日本は「パートナーシップ型」の社会構造を持っているため、会社という組織により縦割りの産業構造が出来上がった、という議論がある。もしそうであるならば、自動車の次に来る産業を早急に育成しなければならない。航空機産業はそうした新たな産業の一つになり得るのであろうか? 記事全文>>

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日本の自動車業界はEV化の波の中で生き残れるのか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第226回

10月 07日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本の基幹産業は、言わずと知れた「自動車産業」である。その昔は「電気」「機械設備」「半導体」「造船」さらには「鉄鋼」「繊維」なども日本の基幹産業と呼ばれ、世界中に製品が輸出されていた。残念ながらそうした産業も見る影もないくらいに凋落(ちょうらく)してしまった。いまや日本経済は「自動車産業一本足打法」に近い状態であると私は感じている。しかしその自動車産業も世界のEV(電気自動車)化の流れの中で、米国や中国など他国に後れを取っている印象がぬぐえない。私が住むタイでは、台湾の鴻海がタイの石油企業と合弁で電気自動車の生産を計画。最近では、生産台数で世界最大の電気自動車会社である中国のBYD社もタイでの電気自動車の生産計画を発表した。これに対し、タイの自動車市場を寡占している日系自動車メーカーの動きは遅い。現在の市場支配力を失ってまで「あえて電気自動車にシフトする意味がない」と考えているのかもしれない。しかしこうした戦略は、かつて日本の電機産業や鉄鋼産業が犯した過ちを彷彿(ほうふつ)とさせる。

今回はバンコック銀行の山村俊輝さんがまとめた電気自動車のレポートをご紹介したい。ガソリン車から電気自動車への転換のうねりはすぐそこまで来ているようである。日本が基幹産業を失わないためにも全力での取り組みが必要とされている。 記事全文>>

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日本の半導体産業について考えてみる
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第225回

9月 23日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに採用した行員向けに6カ月の研修コースがある。この期間、銀行商品や貸し出しの基本などを宿題回答形式で、英語で講義を行う。この講義と並行して、日本人新入行員として分析力、企画力などを磨くため、レポートの提出を義務づけている。今回は、佐藤勇輔(ゆうすけ)さんのレポートをご紹介したい

1章 はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大とウクライナ戦争の影響によって、世界的な半導体不足が起こり、半導体への関心が高まっている。日本半導体メーカーは1990年代前半まで、世界のトップシェアを誇っていたが、現在では他国に大きく後れを取ってしまっている。そこで、今回は世界の半導体メーカーの業績の推移などについて調査し、その結果を踏まえて、日本メーカーが今後、何をすべきか考察する。 記事全文>>

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