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インフラ優等生タイの電力問題
『ASEANのいまを読み解く』第12回

8月 08日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。国際貿易投資研究所(ITI)客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。同年12月に『ASEAN経済共同体と日本』(文眞堂)を出版した。

◆電力を天然ガスに過度に依存するタイ

国営タイ石油会社(PTT)は8月5日、系列の資源開発会社が開発したミャンマーのゾーティカ・ガス田から天然ガスの輸入を開始した。同ガス田はヤンゴンから南に約300キロ、ダウェイから西に約290キロ沖のアンダマン海に位置する。生産量は2億4000万立方フィート(ft)/日。今年3月からミャンマー国内向けに6000万立法ft/日を供給していた。

これまでタイは、毎年のように「停電の危機」が叫ばれてきた。2013年4月、ミャンマー最大のヤダナ・ガス田が施設修理のためタイへのガス供給を停止した。タイ発電公社(EGAT)総裁が、一時的な電圧低下や瞬間的な停電が発生する可能性に言及したことで、国内は一気に「電力危機」騒動に発展した。
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マレーシアの軽井沢 キャメロン・ハイランド
『マレーシア紀行』第5回

8月 01日 2014年 国際

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マレーの猫

エネルギー関連業界で30年以上働いてきたぱっとしないオヤジ。専門は経理、財務。実務経験は長く、会計、税務に関しては専門家と自負。2012年からマレーシアのクアラルンプールに単身赴任。趣味は映画鑑賞、ジャズ、ボサノバ鑑賞、読書。最近は浅田次郎の大ファン、SF小説も

マレーシアでの単身駐在期間が長くはなってきたが、それでもこの国のことをあまり知らない私があれこれ書くのは気が引けるが、旅行記第5弾を書くことをお許しいただければと思う。今回紹介させていただく場所は、首都クアラルンプールからはちょっと遠いが、マレーシア半島にある高原リゾート、キャメロン・ハイランドである。私がこちらでの駐在を始めてから、是非一度訪問してみたいと思い続けていた場所である。

◆避暑地としての歴史

まずキャメロン・ハイランドの歴史などについて述べるが、場所としてはクアラルンプールの北、約200キロのバハン州にあり、ちょうど半島部の中央に位置していると言える。標高1300~1500mと高いので、年間を通じて気温が20度前後ととても涼しい。普段クアラルンプールに住んでいる私にとっては、とにかく高原の風が吹いていることにいたく感動したのであった。
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加速する「タイプラスワン」戦略(その3)
『ASEANのいまを読み解く』第11回

7月 11日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。同年12月に『ASEAN経済共同体と日本』(文眞堂)を出版した。

◆局地的な「タイプラスワン」拠点

これまで2回にわたって「タイプラスワン」戦略の動きを報告した。しかし、カンボジアやラオスはその候補ではあるが、それら両国の国土全体がその対象とは言えない。例えば、カンボジアには現在までに32カ所の経済特区(SEZ)がある。うち稼働しているのは8つ。しかし、製造業を担うに足るある程度十分なインフラが整備された環境を備えるSEZは決して多くはない。

具体的には、日本の政府開発援助(ODA)で支援したシアヌークビル港SEZやプノンペンSEZなどごく一部。多くのSEZは、賃料自体は安価なものの、上下水処理設備の敷設がなかったり、バックアップ用電源がなく停電リスクは入居企業自ら負わねばならなかったりするなどリスクがある。その結果、自ら製造に専念出来る環境にまで整備する必要がある。
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加速する「タイプラスワン」戦略(その2)
『ASEANのいまを読み解く』第10回

6月 13日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。同年12月に『ASEAN経済共同体と日本』(文眞堂)を出版した。

◆ミャンマーのボトルネックはハードインフラ

「タイプラスワン」戦略の特徴の一つは、長年にわたり資本を投下し蓄積されてきたタイの産業競争力の源泉とも言われる「産業集積」の活用にある。在アジア・オセアニア日系企業実態調査(2013年10~11月実施/ジェトロ)によれば、日系製造企業の平均現地調達率は金額ベースで、カンボジアで10.7%、ラオスも11.0%、ミャンマーに至ってはわずか3.3%のみ。一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内からの調達比率はカンボジアとラオスで高く、各々36.6%、42.7%と日本からの調達(各々22.5%、18.7%)を大きく上回る(文末のグラフ参照)。これら両国では、隣接するタイやベトナムとの連携をベースに事業運営体制が構築されている。

一方、ミャンマーは様相が異なる。ミャンマーはタイに隣接するものの、主要な国境での取引の中心は日用品や食品などの小口取引・輸送であった。これは、ミャンマー側国境周辺の道路などインフラの未整備がボトルネックになっている。
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訪日外国人2000万人時代
『記者Mの外交ななめ読み』第9回

6月 13日 2014年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間120冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

日本を訪れる外国人観光客の数が順調に伸びている。日本政府観光局によると、4月の訪日外国人は前年同月比33.4%増えて123万2000人。1カ月間としての過去最高を2カ月連続で更新した。羽田空港発着の国際線が拡大した影響などで、台湾、タイ、フィリピン、ベトナムなど6カ国・地域の人が過去最高だったほか、成田空港でも外国人の国際線旅客数が過去最高を更新し、開港以来初めて日本人を上回った。

訪日外国人旅行者は昨年初めて1000万人を突破。日本政府は2020年をめどに年2000万人に増やすことを目標に、安倍政権の成長戦略の一環として今月中に策定する「観光立国実現に向けた行動計画」に、査証(ビザ)免除の対象国をタイとマレーシアに加えて、ベトナムやフィリピン、インドネシアにも拡大するよう検討することを盛り込む。
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サッカーと八百長、闇も深いが根も深い
『アセアン複眼』第1回

6月 13日 2014年 国際

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佐藤剛己(さとう・つよき)

企業買収や提携時の相手先デューデリジェンス、深掘りのビジネス情報、政治リスク分析などを提供するHummingbird Advisories 代表。シンガポールと東京を拠点にアセアン、オセアニアと日本をカバーする。グローバルの同業者50か国400社・個人が会員の米国Intellenet日本代表。新聞記者として9年、米調査系コンサルティング会社で11年働いた後、起業。

2014年FIFAワールドカップ(W杯)が開幕した。世界の期待が高まるのに合わせ、今回はサッカー界の闇の部分も随分とメディアに流れている。特に国際スポーツ安全センター(International Centre for Sport Security, ICSS)が今年5月に発表したレポートは、アジアのサッカー関係者の頭痛の種になっている。

同レポートは「世界のスポーツ賭博の80%に八百長がある」「特にサッカーとクリケットが犯罪組織の温床」「資金洗浄が特定された年間約1400億米ドルのうち53%がアジアでの違法行為に関連していた」などと報じている。「アセアン複眼」第1回は、このレポートを象徴するようなシンガポールで端を発した事例を紹介したい。
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「中米の日本」を目指した国、エルサルバドル
「中南米徒然草」第1回 

6月 06日 2014年 国際

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石井清史(いしい・きよし)

グアテマラ・カトリック大学留学後、外務省勤務。在コスタリカおよび在ボリビア日本大使館参事官、ブラジル・リオデジャネイロ広報文化センター所長などを歴任。中南米生活35年余。退職後の現在はエルサルバドルに在住。専門は存在論を中心とした哲学。40年来取り組む人生の課題は、仏教とキリスト教の比較研究、日本文化・東洋文化と西洋文化の全般的比較研究。

◆内戦前までは世界でも有数の親日国

エルサルバドルで6月1日、内戦時の統一武装ゲリラ組織であり、現在は同国の国会第一党であるファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)のサルバドル・サンチュス・セレン大統領(同じくFMLNのオスカル・オルティス副大統領)政権が発足しました。

エルサルバドルには戦後初めて、1956年に紡績(エルサルバドルの主要産業だった綿花生産を基に、伊藤忠と呉羽紡=当時=の出資で設立された中米最大の紡績企業IUSA社)、そして66年に合繊関係の日本企業が進出し、海外初のトヨタ自動車販売店が開設されました。また、中南米で初めて海外青年協力隊が派遣され、78年に海外で初めて日本企業関係者が武装ゲリラ(FMLN)に誘拐・殺害された国です。50年代後半から内戦が激化する前の70年代末まで日本との外交関係の進展は顕著で、本気で「中米の日本」を目指していた国です。
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マレーシアの玄関 マラッカ
『マレーシア紀行』第4回

5月 30日 2014年 国際

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マレーの猫

エネルギー関連業界で30年以上働いてきたぱっとしないオヤジ。専門は経理、財務。実務経験は長く、会計、税務に関しては専門家と自負。2012年からマレーシアのクアラルンプールに単身赴任。趣味は映画鑑賞、ジャズ、ボサノバ鑑賞、読書。最近は浅田次郎の大ファン、SF小説も

マレーシアでの単身駐在期間が長くはなってきたが、それでもこの国のことをあまり知らない私があれこれ書くのは気が引けるが、旅行記第4弾を書くことをお許しいただければと思う。今回紹介させていただく場所は、クアラルンプールから車で約2時間で行けるマレーシア半島の西海岸にあるマラッカである。

マラッカ海峡は世界的にも有名で、日本の小学校でも社会科の授業で習うので、知らない方はいないと思う。ただ私自身、名前も海上交通の要衝であるということも知ってはいたが、それ以上のことはほとんど知らないというか、マレーシアに来るまでは興味もなかったのが正直なところである。
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加速する「タイプラスワン」戦略(その1)
『ASEANのいまを読み解く』第9回

5月 16日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。同年12月に『ASEAN経済共同体と日本』(文眞堂)を出版した。

1990年代後半にASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟した後発加盟国CLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)。ベトナムは工業国化に向けて外国投資を順調に受け入れ、先に飛躍、現在はフィリピンやインドネシアなどと同列に扱われることも増えた。残ったCLMは「インフラ不足」「市場規模が矮小」などを理由に外国投資家から長年、投資対象国としては見なされてこず、工業化のきっかけがつかめずにいた。近年、中国や隣国タイの「変調」もあり、ようやくそれら国々にも投資が向かいはじめた。その動きは「チャイナプラスワン」とも「タイプラスワン」とも言われる。本稿では特に「タイプラスワン」に注目し、3回にわたってその現状を報告する。

◆変調をきたすタイ

CLMには、ASEAN域内、特に製造業では隣国タイから投資する事例が増えている。いわゆる「タイプラスワン」の動きである。2012年のASEANの域内外別直接投資受け入れ統計によれば、ASEAN投資受け入れ全体における域内からの割合は18.3%であるが、CLMではその比率が高く23.8%を占めている。特にカンボジアで全体の3分の1、ラオスで4分の1にのぼる。
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危機感が生み出した経済共同体とその行方
『ASEANのいまを読み解く』第8回

4月 18日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。同年12月に『ASEAN経済共同体と日本』(文眞堂)を出版した。

ASEAN(東南アジア諸国連合)は2015年末までにASEAN経済共同体(AEC)の構築を目指す。この「経済共同体」という言葉は、欧州経済共同体(EEC)を連想させ、東南アジア10カ国が「2015年には欧州のような統合市場になり、ヒト、モノ、カネが域内で自由に行き来出来るようになる」とのイメージを与える。2015年、ASEANは変わるのか。

◆外国投資からの求心力維持に奔走

ASEAN経済共同体の原点は、今から17年前の1997年にさかのぼる。80年代半ば以降、ASEANは外国投資受け入れとこれら企業の輸出をエンジンに、経済成長及び工業化を図ってきた。
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