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データ論の準備(2)方法
『住まいのデータを回す』第19回

5月 14日 2019年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

前稿は「データ論の準備(1)目的」だった。「目的」について思いを巡(めぐ)らすうちに、まとまりのない長文となってしまった。「データ論」は40年間の筆者なりの思いがあるので、簡潔な目的に要約することに抵抗感があったのだろう。データ論の目的は、機械文明の限界を乗り越えて、データ文明が開花するための技術思想を模索しながら、現状では解決の見込みのない問題群に「データ」技術によってアプローチすること、と要約できる。これらの問題群は機械文明が作り出したと仮定すれば、機械とは根本的に異なる技術思想、例えばデータやウイルスの技術思想によって、解決へのヒントが得られるはずだ。その未解決問題の一つとして、認知症について『住まいのデータを回す』ことを模索してきた。ぐるぐると、17回も文章を書いているうちに、ウイルスと共存・共生・共進化するライフサイクルのような「データサイクル」という技術思想にたどり着いた。データ論の目的をより簡潔に記述すると、データサイクルというデータ技術の実用性を明確にすること、と要約できる。

しかし、データサイクルという概念や技術について、明確に理解できているわけではない。どのようにすれば明確に理解できるようになるのか、その目的を達成するための「方法」が問題になる。 記事全文>>

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豪の女性同士の結婚式で「多様性を認める」深さを考える
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第164回

5月 13日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆ちょっと遠い寛容性

3月末に女性同士の結婚式に招待され、出席した。
場所はオーストラリアのキャンベラ郊外。日本に留学していた四半世紀前の知り合いのオーストラリア人の女性だが、レズビアンだと知ったのはここ数年のこと。実際に彼女には「生理学的な」夫がいて、その間に二人の子供がいる。
今回の結婚は一昨年に同国での同性婚の合法化を受け、2人の子供の母の立場を保ちながら、愛するオーストラリア人女性と一つの家庭を築くための大事な通過点。両家の家族はもちろん、生理学的な優しい元夫や親戚、友人たち約120人が集まり、自然に囲まれた小屋の中で盛大なセレモニーとパーティーが行われた。
LGBTを取り巻くコミュニティーは合法化された制度とその事実によっても作られるし、同時に制度を作ろうとするコミュニティーの総意が雰囲気を作り上げる。それは多様性への寛容さが基本であることは間違いないが、私たちの国や社会がそこにたどり着けるかは、ちょっと遠そうな印象だ。 記事全文>>

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呼吸で人生は変わる―ストレスと言語の相関について
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第163回

5月 07日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆呼吸で人生は変わる

「ストレスリリースの方法」の講義をヨガのインストラクターとともに構成する作業をしていて実感するのは、「すべては呼吸から始まる」ということである。呼吸を意識して腹式でゆっくりとすってはくことを繰り返すだけで体はリラックスする。それまでの悩みや不安などアタマやココロにあったもやもやを忘れてしまうから効果は大きい。呼吸一つで目の前の風景はかわり、人生も変わる、のも大げさではないのかもしれない。

「誰もが抱えているストレス」なのだからと放置して自然に治るのを待つのもよいが、呼吸法を教えられて考えたのは、私たちが使う日本語の言語的な性格上、呼吸は胸式となり、知らずと発生するストレスは必然であり、それを調整するにはやはりうまく腹式呼吸を活用するのが、よい方法なのは間違いない。 記事全文>>

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統計不正と宰相の不正確な言葉と議論できない空気
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第162回

4月 29日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆自己反省のない政府

厚生労働省の「毎月勤労統計」で、2004年から15年間も続いていたルールに反する抽出調査などの統計不正問題は、国会で野党が政府を追及するものの、政府側の危機意識は鈍く、議論はかみ合わないまま、世間の目から離れていきそうだ。

統計はこの国のかたちをデータで示すもので、それを根拠に精緻(せいち)な議論を積み重ね国の制度設計をするための基本となる。統計結果はプロセスに左右されるのが当然であり、誤謬(ごびゅう)があってはならないのだが、それが長年間違っていた。そして、政府による徹底的な自己反省はない、のである。

与野党の思惑など度外視して、経済政策にしても福祉政策にしても、統計結果というエビデンスをもとに、最大幸福を実現するために多くの人が仕事をしているはずなのに、徹底的な自己検証と反省がなければ、自分の仕事の拠り所とする必要性への信頼は揺らいでしまう。

私も国の片隅で最大幸福を目指して働いているつもりなのだが、いいかげんな政策決定の中での仕事であってほしくない、と心から思う。 記事全文>>

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「障がい者の生涯学習」の本年度のこれまでと来年度のこれから
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第161回

4月 22日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆タフな道のり始まる

文部科学省の2018年度「特別支援学校高等部卒業生等を中心に対象とした若者の学びを展開するための学習プログラムの開発事業」は3月、同省に成果報告書を提出し同年度の講義・カリキュラム・視察調査などは終わった。終わったが、さまざまな形で見えてきた課題には、待ったなしでの状況やそれぞれの人々の期待や思いがあるから、私自身は来年度に向けて走り始めている。

特別支援学校の卒業生及び社会に出る直前の高等部3年生向けに考えていたオープンキャンパスだが、「その対象者を呼び掛ける方法がなかなか見つけられない」「地域とのつながりを模索しながらも、福祉領域の地域リソースに従事する方々は忙しく余裕がない」「医療ケアの方々への学びへの対応は少ない(ほぼない)」ことが2019年度の課題である。

そこに4月に開学した法定外シャローム大学も絡み、必要な学びに対応できる私たちであるための取組みは始まったばかり。まだまだタフな道のりだ。 記事全文>>

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仏像が迎える「よみがえる気仙沼線写真展」は「春」をテーマに
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第160回

4月 15日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆緑色の列車といい相性

東日本大震災の2年後から始まった東京・代々木のカフェ「カフェヌック」での「よみがえる気仙沼線写真展」は今年で7回目の開催となった。毎年震災の時期に、鉄路での復旧は見込めないJR気仙沼線の震災前の姿と風景の写真を展示し、震災のことを想い、語り継ぐための催しである。

震災前に気仙沼線を風光明媚(めいび)な景色と季節とともに撮影してきたアマチュア写真家、工藤久雄さんから写真の提供を受けて実現しているこの企画だが、気仙沼線の写真は列車だけではなく、一緒に映り込む風景がいい。空、雲、太陽、雲、海の自然素材はもちろん、鉄橋、畑、小川とも相性がいい。漁船、大漁旗、波しぶき、カモメ、海水浴場は沿岸部ならではの情景。どれも緑色の列車と人の営みが結ばれているようで、温かなぬくもりのある写真ばかり。

そして今年の展示テーマは「春」とした。桜と気仙沼線、だった。
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気仙沼・本吉の「つながりたい」思いが目指すつながる未来
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第159回

4月 08日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆新しい発見

ここ数年は東日本大震災が発生した3月11日を前に被災地を訪れるのが恒例になっている。もう少し行き来したいと思いながらも、現状の仕事量ではなかなか難しいが、その仕事にも少し絡んでの訪問になりつつあるのも少しうれしい。そして、震災以降、1人の市民としてかかわってきた被災地とのつながりは、最近は福祉事業を実践し、福祉領域を研究のテーマになっている私にとって、それは確実に新しい目線での新しい発見があることに驚いている。

今まで見落としてきた地域福祉の課題が、福祉を知れば浮かび上がってくるのだ。宮城県気仙沼市本吉地区の知的障がい者の母親のグループ「本吉絆つながりたい」との震災後からのコミュニケーションは、だんだんと深いところでシンクロしてくるような感覚であり、それは福祉の課題や地域課題を照射するメッセージとなって私の中に響いてくる。
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データ論の準備(1)目的
『住まいのデータを回す』第18回

3月 26日 2019年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

『住まいのデータを回す』シリーズも最終段階となった。前回の『データを耕す』シリーズから、ずいぶん遠くに来てしまったと思う。17世紀の哲学者、スピノザとライプニッツに刺激されて、彼らの文章の隙間に、書かれなかった未来の哲学を読み取ろうとした。それは決定論の世界には収まりきらない、個体差をともなう「所与すなわちデータ」の世界だ。

筆者は「薬物作用の個体差」をライフワークとしている。実際に自分で動物実験を行い、臨床試験のデータ解析をしていると、「薬物作用の個体差」は遺伝子に関係があるとしても、遺伝子そのものというよりは、遺伝的要因と環境因子との交絡(非線形な関係)が重要だと思われた。医学薬学関連のデータ解析を職業としてきたけれども、大学では植物と根粒菌の共生に興味を持っていた。当時は生物統計学も数理生物学も大学の教程はない時代で、数学の応用課題としての「共生」に興味を持っていた。大学のFORTRANプログラミングの演習で、「ロトカ・ヴォルテラの方程式」(※参考1)を題材にしたとき、カオスの概念は全く知られていなかったけれども、「共生」の方程式があるとすれば、それはニュートン力学の決定論的世界とは全く異なるものになるという予感はあった。 記事全文>>

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「実践」の方向を正しく導く「学び」に向かって
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第158回

3月 25日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆学びあいの空気

文部科学省の「障害者の多様な学習活動を総合的に支援するための実践研究」の採択事業である障がい者向けのオープンキャンパスは、「実践教育のステージ」の2回目のプログラムである「ビジネスコミュニケーション」を開催し、今年度の「オープンキャンパス」全日程を終えた。
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新潟の民間の「やる気」を結んで仲間づくりを行う
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第157回

3月 18日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆遠隔結んでの講義

障がい者をはじめとする特別支援な方々への「学び」の場として機能しようと2019年度開学する法定外シャローム大学は2月6日に初めての入学試験を終えた。論文試験と面接試験で入学試験を実施したが、論文のテーマは「シャローム大学で学びたいこと」で、そこに書かれていた学びへの渇望は、読む側の心も熱くする思いが綴(つづ)られており、私も身の引き締まる思いがした。

学ぼうとする意志は強いほど、それは純粋で美しくもある。それを受け止める側として、確実に準備を進めなければいけない。その準備の一つとして進めているのが、名古屋と新潟を結んでの遠隔講義である。インターネットのテレビ会議システムを使って、名古屋市の法定外見晴台学園大学、新潟市のKINGOカレッジ新潟を結んで水曜日午前に行われる授業だ。
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