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警視庁公安部で「反乱」が起きた
内部告発が突き崩した冤罪
『山田厚史の地球は丸くない』第251回

11月 24日 2023年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

2022年2月11日付の拙稿第206回で「大川原化工機」(本社・横浜市)を巡る冤罪(えんざい)事件を取り上げた。警視庁公安部が、液体を粉末にする機械を作る町工場を「軍事転用できるハイテク機器を中国に輸出する怪しい企業」に仕立て上げた。社長らを逮捕したものの、見込み捜査は見事に外れ、起訴が取り消されるという、お粗末極まりない冤罪事件となった。その顛末(てんまつ)は前回書いた通りだが、大川原化工機の社長らが起こした損害賠償訴訟の法廷で、驚くべき事態が発生した。捜査に関わった公安部の警部補が「事件は捏造(ねつぞう)」と言い放ち、もう1人の警部補も「(幹部は)捜査のマイナス情報を取り上げなかった」と証言した。

警察官が自ら関わった捜査の不当性を裁判の場で証言したのである。上司が指揮する捜査を部下の警官が公然と批判する「下剋上(げこくじょう)」である。一体、警視庁の内部で何が起きているのか。 記事全文>>

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タイ富裕層の訪日旅行で知るニッポン
「足るを知れ」自らへの戒めも
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第9回

11月 22日 2023年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

タイ東北部に住む妻の親せき一行がこのほど、観光と買い物のため来日した。いつも家族や弟妹、親せきら大人数で旅行するので自らのグループを「ビッグファミリー」と称し、移動手段や行き先、食事など、出発から帰国まですべてオーダーメイドのプライベートツアーを組んで世界中を旅している。日本はすでに北海道から九州までたびたび訪れており、来日回数は数え切れない。一行のオーナーは妻の従妹の夫で、私と同い年。アメリカ西海岸の大学を卒業後タイに戻り、父親から受け継いだ製糖工場などを経営している。私と妻は今年6月から7月にかけてタイとラオスを回ったがその際、彼の息子2人の出家式に参列して以来の再会だった。 記事全文>>

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4年ぶりのヨーロッパ訪問で感じたこと(上)
進行する地球温暖化
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第254回

11月 17日 2023年 国際

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

2020年初頭に流行が始まった新型コロナウイルスは、世界の人々の交流を分断してしまった。約3年にわたって人々は外出もままならず、じっと我慢を強いられてきた。ようやく昨年の半ばから、人々は移動をはじめ観光を楽しむようになってきた。かくいう私たち夫婦も2015年から過去5年間楽しんできたヨーロッパ旅行を、19年を最後に中止せざるを得なくなった。しかしようやくコロナ禍に対する気持ちの踏ん切りもつき、今年8月終わりから4年ぶりのヨーロッパ旅行に出かけてきた。

私の住むバンコクからヨーロッパ諸都市に飛ぶ直行便のフライトが少なくなっていること、またしばらくぶりのヨーロッパであることを踏まえて、今回はオーストリア(ウィーンとザルツブルグ)、クロアチア(デュブロブニクとザグレブ)の2か国4都市を約2週間、従来と比べて若干短い旅程とした。今回はこの旅行を通して、久しぶりのヨーロッパで感じた私の所感を述べてみたい。 記事全文>>

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名目賃金がほとんど上がらない謎
「賃金と物価の好循環」ははるかに遠く
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第71回

11月 15日 2023年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

日本銀行は、10月末の金融政策決定会合で長短金利操作(YCC)を再修正し、長期金利が上限めど1%をある程度超えることがあっても、容認する場合があるとの姿勢を示した。

一方、マイナス金利をはじめとする大規模な金融緩和の大枠は維持した。日銀の公表文では、「『物価安定の目標』の持続的・安定的な実現という観点から、賃金と物価の好循環など経済・物価情勢の変化を丹念に確認していく」としている。

では、足元の「賃金と物価の関係」はどうか。関係を端的に表す実質賃金指数は、18か月連続で前年比マイナスに沈んでいる。直近9月(速報)の前年同月比もマイナス2.4%と、到底「好循環」とは言えない状況にある。

春闘で大幅な賃上げが実現した際には、夏場にも「好循環」が確認されるとの観測もあったが、的外れだった。一体、何が起きているのだろうか。 記事全文>>

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分散型自律組織(DAO)の法律問題概要
『企業法務弁護士による最先端法律事情』第15回

11月 13日 2023年 社会

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北川祥一(きたがわ・しょういち)

北川綜合法律事務所代表弁護士。弁護士登録後、中国・アジア国際法務分野を専門的に取り扱う法律事務所(当時名称:曾我・瓜生・糸賀法律事務所)に勤務し、大企業クライアントを中心とした多くの国際企業法務案件を取り扱う。その後独立し現事務所を開業。アジア地域の国際ビジネス案件対応を強みの一つとし、国内企業法務、法律顧問業務及び一般民事案件などを幅広くサポート。また、デジタル遺産、デジタルマーケティング等を含めたIT関連法務分野に注力している。著書に『Q&Aデジタルマーケティングの法律実務』(2021年刊、日本加除出版)、『デジタル遺産の法律実務Q&A』(2020年刊・日本加除出版)、『即実践!! 電子契約』(2020年刊・日本加除出版、共著)、『デジタル法務の実務Q&A』(2018年刊・日本加除出版、共著)。講演として「IT時代の紛争管理・労務管理と予防」(2017年)、「デジタル遺産と関連法律実務」(2021年、2022年)などがある。

北川綜合法律事務所代表弁護士。弁護士登録後、中国・アジア国際法務分野を専門的に取り扱う法律事務所に勤務し、大企業クライアントを中心とした多くの国際企業法務案件を取り扱う。その後独立し現事務所を開業。アジア地域の国際ビジネス案件対応を強みの一つとし、国内企業法務、法律顧問業務及び一般民事案件などを幅広くサポート。また、デジタル遺産、デジタルマーケティング等を含めたIT関連法務分野に注力している。著書に『Q&Aデジタルマーケティングの法律実務』(2021年刊、日本加除出版)、『デジタル遺産の法律実務Q&A』(2020年刊・日本加除出版)、『即実践!! 電子契約』(2020年刊・日本加除出版、共著)、『デジタル法務の実務Q&A』(2018年刊・日本加除出版、共著)。講演として「IT時代の紛争管理・労務管理と予防」(2017年)、「デジタル遺産と関連法律実務」(2021年、2022年)などがある。

1 分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization)とは?

「分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization)」(DAO)について現状のところ統一的な定義はないと解されますが、デジタル庁のWEB3.0研究会においては「中央集権的な管理機構を持たず、参加者による自律的な運営が行われることを特徴とする組織とされており、一般的にブロックチェーン技術、スマートコントラクト、その他のソフトウェアベースのシステムを活用したものが想定されている。」(注1)とされています。

大まかにいえば、ブロックチェーン、スマートコントラクト等のテクノロジーを利用した新しいタイプの組織形態あるいは社会構造といえるでしょう。 記事全文>>

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「先憂後楽」岸田首相に欠ける資質
「道半ば」でも給与は上げる
『山田厚史の地球は丸くない』第250回

11月 10日 2023年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

お客様から預かったクルマにわざと傷をつけて修理代金を増やしていた、と問題となったビッグモーター(BM)。そんな違法行為を知りながら、他社に先駆けてBMとの保険契約を再開した損保ジャパン。契約再開を主導したのは社長だった白川儀一氏とわかり、社長を辞任。これにて一件落着かと思われたが、終わらなかった。金融庁は損保ジャパンの親会社SOMPOホールディングスに立ち入り検査に踏み切った。

「親会社の責任」が焦点となっている。なぜか? SOMPOホールディングスの櫻井謙吾グループCEO兼取締役兼代表執行役会長のワンマン体制に問題の根源がある、と金融庁は疑っている。ワンマンぶりの表れが「飛び抜けて高い」とされる櫻井氏の報酬だ。損保業界首位の東京海上HD小宮暁社長の報酬が1億7000万円程度であるのに、業界3位のトップ櫻井氏は4億7000万円(2023年度)。この「不釣り合いぶり」が業界で話題になっていた。

白川社長は親会社の意向に沿ってBMに甘い決定としたのではないか。櫻井ワンマン体制は4億7000万円の報酬に値する立派な経営をしていたのか、金融庁の検査の注目が集まっている。 記事全文>>

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「物価」について考える(その6)
MMTの問題点(1)インフレ
『視点を磨き、視野を広げる』第71回

11月 08日 2023年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

今回は、MMT(現代貨幣理論)の問題点について考えたい。前稿で見たようにMMTは信用貨幣論・内生説によって主流派経済学の商品貨幣論・外生説を批判する。外生説は――日銀はマネタリーベース(現金+日銀当座預金)の供給を操作することでマネーストック(通貨総量)を制御できる――と考える。ただし、日本はゼロ金利状態が続いて金融政策が有効性を失う「流動性の罠(わな)」に陥っている可能性がある。そこで、日銀がインフレ目標(2%)を明示し、達成を公約して大量に資金を供給すれば(=「予想に働きかける政策」)、目標を達成できると考えたのである。こうして異次元緩和が実施された。 記事全文>>

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人生いろいろ
『みんなで機械学習』第30回

11月 06日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿では、コンピューターもしくはAI(人工知能)技術との共存・共生・共進化を、過去・現在・未来の視点で考えてみた。スモールデータの機械学習によって、個体集団の近傍をつないでゆく、中小企業ビジネスが、近未来への希望だ。「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」は途中の画像以降なので、制作ノートに相当する前半部分は、飛ばし読みしてください。

「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」のゴールは、結論を論理的に構築することではなく、生活のライフサイクルにおいて、データの世界との共存・共生・共進化に希望を実感することにある。近代的なモノの価値に従属する経済から、コト(サービスなど)の意味を重要視する経済への移行を時代背景として、近未来のデータサイエンス テクノロジー アンド アート(データの世界)が、人類の文明論的な変革をもたらす夢物語を、少なくともディストピアとはしない、複数の探索路を切り開こうとしている。物語のゴールにおいては、意味が認知される以前の「データ」そのものが、みんなの機械学習によって、「言語」とは別の、文明の道具になるだろう。 記事全文>>

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タイはセター政権下で何が変わるのか
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第253回

11月 03日 2023年 国際

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

今年5月14日に実施されたタイの下院総選挙は大方の予想を覆し、前進党の地滑り的大勝となった。この選挙の結果分析と新政権の枠組みの予想などは、拙稿第243回「前進党が大躍進-タイ総選挙を総括」(2023年6月16日付)で私の考えを明らかにした。

7月13日に1回目の首相指名選挙が行われ、下院第1党となった前進党の党首ピタ・リムジャーランラット氏が立候補したものの、保守系議員が大半を占める上院議員の支持が得られず、首相に選出されなかった。このため、首相指名選挙の主導権は前進党から第2党のタクシン派のタイ貢献党に移った。タイ貢献党は上院議員の支持を得るため「前進党外し」を画策。最終的には、親軍政党である国民国家力党(PPRP、プラウィット副首相派)や国家建設タイ合同党(UTN、プラユット首相派)を巻き込んだ大連立政権をもくろんだ。8月22日に上下両院議員による2回目の首相指名選挙が行われ、タイ貢献党のセター・タウィーシン氏が立候補。プラユット首相に近い上院議員が賛成に回ることにより、センシリ財閥のオーナーであるセター氏が首相に選ばれた。 記事全文>>

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心震える英詩と、創造する真摯な日本語の協力と勇気
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第265回

11月 01日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆創出する訳文

オーストラリアの詩人で私の友人であるメリンダ・スミスさんが来日し、日本各地でワークショップを開催した。

東京の早稲田大でのワークショップ開催後に行われた「トーク&リーディング 詩の共訳~コラボレーティブ・アートとしての試み~」では、メリンダさんの詩を萩原朔太郎賞受賞の詩人、川口晴美さんが日本語に訳したものを朗読し、メリンダさんが川口さんの作品を英語に訳したものを朗読した。

もちろん、ここで詩の言葉を「訳する」ことは、単なる言語の置き換えではなく、その言葉の背景や成り立ちなどを詩人が解釈し、新しい言葉を紡ぎ出し、創出する作業である。これを「コラボレーティブ・アート」と呼ぶが、それは人の感性が触れ合おうとする創造的な行為であり、その過程には人を思いやる、ケアの感覚も垣間見られて、見ているだけでもわくわくする瞬間の連続だ。

私の中では、要支援者に向けた学びの中にどのように取り入れられるかの創造も働き始める。 記事全文>>

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