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情報通信業はなぜこうも大都市特化型なのか~地域と付加価値(その3、完)
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第63 回

1月 16日 2023年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

過去2度にわたり、市区町村別にみた産業別の従事者1人当たり付加価値額を確認してきた(第59回「全国2位は東京都境界未定地域 地域と付加価値(その1)~地方圏をリードする製造業、民間研究機関(2022年9月7日付)」、第62回「農林漁業、宿泊業で高付加価値を誇る市町村は?~地域と付加価値(その2)(2022年12月1日付)」)。

付加価値とは、企業や事業所の売り上げから原材料費や減価償却を差し引いたものをいい、この中から従業員の給与が支払われ、残りが利益となる。これを事業従事者数で割った「従事者1人当たりの付加価値額」(以下「1人当たり付加価値額」)が、いわゆる労働生産性だ。

最終回となる今回は、情報通信業、製造業の動向を取り上げたい。データは、いずれも2016年「経済センサス―活動調査」による。 記事全文>>

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農林漁業、宿泊業で高付加価値を誇る市町村は?~地域と付加価値(その2、全3回)
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第62回

12月 19日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

9月7日付の第159回(全国2位は東京都境界未定地域 地域と付加価値〈その1、全3回〉-地方圏をリードする製造業、民間研究機関)で、従事者1人当たり付加価値額の高い市区町村を確認した。2016年「経済センサスー活動調査」に基づく結果である。

付加価値とは、企業や事業所の売り上げから原材料費や減価償却を差し引いたものをいい、この中から従業員の給与が支払われ、残りが利益となる。これを事業従事者数で割った「従事者1人当たりの付加価値」が、いわゆる労働生産性だ。

以下、産業別にみた市区町村別の従事者1人当たり付加価値額(以下「1人当たり付加価値額」)をみてみよう。 記事全文>>

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物価目標「2%」の見直しはなぜ必要なのか~米国の現実を直視せよ
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第61回

12月 12日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

1990年代以降、物価目標政策(インフレ・ターゲティング)を採用する国が増え、2010年代には多くの中央銀行が2%の物価目標を掲げるようになった。「物価目標2%はグローバルスタンダード」と言われる所以(ゆえん)である。

日本銀行も、2013年1月にコア消費者物価の前年比2%を目標とする「物価安定の目標」を導入した。さらに同年4月の異次元緩和では、「(2%を)安定的に持続するために必要な時点まで(これを)継続する」とした。

その後9年半が過ぎたが、今も異次元緩和は続いている。物価目標政策は日本だけがうまく機能していないかのように言われるが、そうではない。最近の世界的な物価高騰は、同政策が海外でも期待したようには機能していないことの表れである。 記事全文>>

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なぜ日銀はここへきて「賃金」を持ち出すのか-繰り返される異次元緩和の「新たな説明」
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第60回

10月 17日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

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オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

「物価対策」といえば、通常は物価上昇を抑制する政策を思い浮かべるだろう。しかし、今回の政府・日本銀行による「物価対策」は逆だ。超金融緩和の継続と巨額の財政支出の組み合わせは、需要を維持し、物価の上昇を促す政策にほかならない。

給付金や補助金の対象とならない家計や企業にとっては、物価の上昇と将来の増税のダブルパンチとなる。一つの政策判断ではあるが、なぜこうした判断に至ったかの説明は明確でない。

日銀は、値上げ許容度発言を撤回し、政府とともに円買い介入も実施した。それでも、異次元緩和を続けている。ロジックを読み解くのは難しい。 記事全文>>

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全国2位は東京都境界未定地域 地域と付加価値(その1、全3回)-地方圏をリードする製造業、民間研究機関
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第59回

9月 07日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回、地方創生の実現には、地元産業が大都市圏並みの所得を稼ぎ出すことが必須と述べた(第58回「早くも東京に戻り始めた人口-『テレワーク移住などで東京一極集中に是正の兆し』説は何だったのか」(8月10日付)参照)。一つの成功例を一般化して地方全体に当てはめるのでなく、各地域のどの特性にどのような競争力がありうるかを見極めることが大切だ。

以下、総務省「経済センサス―活動調査」の地域、産業別データを用いて、各地の付加価値生産の現状を確認してみよう。

付加価値とは、企業や事業所の売り上げから原材料費や減価償却を差し引いたものをいい、その中から従業員に給与が支払われたのち、残りが利益となる。いわゆる「労働生産性」とは、付加価値額を事業従事者数で割った値(「従事者一人当たり付加価値額」)である。

なお、「経済センサス―活動調査」は5年ごとに実施され、最新は2021年6月実施の調査となる。速報値はすでに公表されているが、詳細データは未公表のため、本稿では2016年の調査結果を用いる。 記事全文>>

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早くも東京に戻り始めた人口-「テレワーク移住などで東京一極集中に是正の兆し」説は何だったのか
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第58回

8月 10日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

今年1月末、2021年中の「人口移動報告」が公表され、東京23区が25年ぶりに人口流出超に転じた。コロナ禍をきっかけとするテレワークの普及もあり、「テレワーク移住などにより、東京一極集中に是正の兆し」との解説記事が目立った。

それから半年。事態は一変し、東京23区は早くも流入超のトレンドに回帰している。コロナ情勢の急変で再び行動制限が課されるようなことがなければ、今年は2000年に近い流入超数を取り戻すだろう(参考1)。

「テレワーク移住などで、東京一極集中に是正の兆し」との見方は、幻想だった。テレワーク移住といった単発のエピソードを、人口移動全体に当てはめてはならない。 記事全文>>

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なぜ地銀の貸出金利は極度の低下が続くのか ~気が付けば「市場経済からの離反」
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第57回

6月 13日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

地方銀行の貸出金利が、特異な低下を示している。

新規の短期貸し出しと長期貸し出しの加重平均金利である貸出約定平均金利(総合)は、都市銀行と同水準まで低下した。日本銀行のデータ検索サイトで遡及(そきゅう)可能な1994年以降、初めてのことだ。このうち長期貸し出しの金利は、昨年秋以来、ほとんどの月で都銀を下回っている。

都地銀の経費率や貸出先の信用リスクの差を踏まえれば、新規の貸出約定平均金利(以下、貸出金利)が肩を並べるのは、尋常でない。なぜ、こうした事態が起きているのか。その意味するところは、何か。 記事全文>>

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「円安は日本経済にとってプラス」は本当か?
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第56回

5月 23日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

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オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

4月の消費者物価(生鮮食品を除く総合)が、前年同月比2.1%に達した。世界的な資源価格や穀物価格の高騰が、国内にも波及している。為替市場では、内外金利差の拡大を背景に円安が進んだ。

それでも日本銀行は、異次元緩和継続の姿勢を崩さない。①物価のプラス幅はいずれ縮小すること②円安は日本経済にとって全体としてプラスであること――を理由とする。

為替相場に関する日銀の見解は「経済や金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましい」というものだ(4月28日黒田東彦総裁記者会見)。

これに「円安は全体としてプラス」との主張を重ねれば、日銀は足元の円安進行をおおむね「ファンダメンタルズに沿った動き」と見なしているということだろう。そうでなければ、辻褄(つじつま)が合わない。

しかし、円の実質実効為替レート(注)は、1971年秋以来の円安水準にある。本当にファンダメンタルズに沿った動きと言えるだろうか。為替相場を規定する「経済のファンダメンタルズ」とは何か。「円安が日本経済にとってプラス」は本当か。 記事全文>>

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日米物価格差の背後にある社会規範、長期金利を弾力的に~「物価目標2%はグローバルスタンダード」という錯覚(その2、完)  
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第55回

5月 16日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回(第54回)のコラムで、次のように述べた。

(1)日米の物価上昇率には「一定の格差をもって連動する強固な関係」がある。1978年以降、日本の物価は一貫して米国を下回っている。上昇率が2%を下回るようになった1993年から2021年までの年平均格差は、1.8%だった(いずれも消費税導入・同税率引き上げの年を除く、参考参照)。

(2)この関係は今も変わらない。日本の物価が4月以降2%台に達する可能性が出てきたのは、米国が目標の2%から大きく外れて高騰したことと相関している。

(3)今回の物価上昇は典型的な輸入インフレであり、望ましくない。日本銀行は長期金利の誘導レンジ「ゼロ±0.25%」を堅持する姿勢を崩さない。しかし、これは内外金利差の拡大を通じて円安を促し、「望ましくない物価上昇」を加速させる。異次元緩和で失われた金利機能を回復させるためにも、長期金利の柔軟な変動が必要である。 記事全文>>

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物価はなぜ上がるのか、適切な政策は? ~「物価目標2%はグローバルスタンダード」という錯覚(その1、全2回)~  
 『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第54回

4月 06日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

4月以降、物価が前年比2%に達する可能性が出てきた。直接の原因は、①携帯電話料金引き下げの影響一巡②昨年来の原油価格の上昇③コロナ下のサプライチェーンの分断に、④ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源価格や穀物価格の急騰が加わったことだ。

同時に見逃せないのは、米欧の物価上昇率が目標の前年比2%を超えて高騰していることである。

日本と米欧の物価上昇率には、「一定の格差をもって連動する関係」がある。原因・結果でなく単純な相関だが、今回も例外でない。この強固な関係が示唆するものは、何か。 記事全文>>

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