佐藤剛己(さとう・つよき)
企業買収や提携時の相手先デュー・デリジェンス、深掘りのビジネス情報、政治リスク分析などを提供するHummingbird Advisories 代表。シンガポールと東京を拠点に日本、アセアン、オセアニアをカバーする。新聞記者9年、米調査系コンサルティング会社で11年働いた後、起業。グローバルの同業者50か国400社・個人が会員の米国Intellenet日本代表。公認不正検査士。
栃木県のJR宇都宮駅から北へ20キロほど行ったところに、関東では珍しいリンゴ栽培の地、石那田(いしなだ)の集落がある。1944年のインパール作戦を戦い、24歳で亡くなった旧日本兵、半田進(はんだ・すすむ)さんの生家があるところだ。先月、ここに半田さんの日の丸が70余年を経て還(かえ)る、という稀有(けう)な出来事に立ち会うことができた。今回は個人的体験をお許しください。
◆インパール作戦と半田さん
本人が戦地から送った手紙などによると、半田さんの所属はインパール作戦(日本軍「ウ号作戦」)を戦った3個師団のうち、第33師団歩兵第214連隊6823部隊。第33師団は、南北のインド・ビルマ(当時)国境に沿うアラカン山脈を流れるカバウ河谷(かこく)から西側へインド制圧を狙った師団で、英軍第4軍(インパール)と戦った。
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