山口行治(やまぐち・ゆきはる)
株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
◆個体差の位相
主体性のある個人だけではなく、会社や国家のような集団においても、個性や個体差はある。個体は、自他を区別するというよりも、個体の内側と外側を区別する仕組みに思える。その意味で、個体差にとって最重要なのは、個体の境界となる場所だ。個人の個体差では、性別や年齢そして肌の色など、外見が重要視される。集団の場合は、大きさが重要視される。
個体の外見は、誰がどこから見ているのかということで、解釈が大きく変化する。多分、中世では神の視点から、近代では抽象的で普遍的な「人間」の視点から見ていたのだろう。個体の境界の近くにいる他者からの視点は、生活者の視点となる。集団も、地域の視点が重要だ。 記事全文>>