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令和の石油ショック「化石」の逆襲
『山田厚史の地球は丸くない』第201回

11月 26日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

石油の時代はもう終わる。そんな「エネルギー革命」に逆らうかのように原油価格が上昇している。ガソリンが上がるだけではない。燃料費の高騰は物流費や生産コストを押し上げる。アメリカでは消費者物価指数(CPI、季節調整済み)が10月、前年同月比6.2%増に跳ね上がり、31年ぶりの上げ幅となった。デフレの暗雲が漂っていた世界は、にわかにインフレへと目を向けるようになった。

原油・資源・食糧などの価格高騰を「一時的な現象」と見るエコノミストは少なくなかった。新型コロナの蔓延(まんえん)で世界経済は1年余も落ち込み、需要不足から様々な分野で生産が停滞、供給は絞られていた。ところが、感染が一服し、アメリカを先頭に需要が回復。経済が軌道に乗ると今度は、供給が追いつかない状況が生まれた。企業は素材・原料の確保に走り、春先からモノ不足が顕在化した。

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日本の衰退30年-その間に中国は何をしてきたのか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第206回

11月 19日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本は名目GDP(国内総生産)では依然として世界第3位の経済大国であるが、過去30年その総額はほとんど伸びなかった。その結果、日本の1人当たりの購買力平価GDPは世界193か国中33位で、韓国の後塵(こうじん)を拝することになってしてしまった。一方、中国は過去30年にわたり急速に経済発展を遂げており、2010年には日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位の経済大国となった。2020年の中国と米国の名目GDPの差は約6兆ドルまで縮まっており、2028年にも中国が米国を抜くとも言われている。

しかし、日本のマスメディアの記事を見ていると、中国の大手不動産会社である中国恒大集団の支払い不履行問題や、世界的なエネルギー危機から「中国経済の破綻(はたん)」を予想する論調が目につく。私たち日本人は本当に中国に実像を理解しているのであろうか? 私の知る中国人の支配者階級の人たちは、必死になって日本を研究し日本を追い越していった。京セラの創始者である稲盛和夫氏の主宰する経営学の勉強会「盛和塾」が、日本よりも中国で人気を博したことからもこのことはわかるであろう。いまや中国の名目GDPは日本の3倍である。今こそ私たち日本人は冷静に中国を分析し、必要なものは中国から学ばなければいけない時に来ている。今回は、中国の過去30年の発展の要因をデータから読み取っていきたい。

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喫緊の課題 日本の教育制度改革を考える
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第205回

11月 05日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

過去30年にわたる日本経済の長期の低迷は、コロナ禍による経済苦境と相まって日本の賃金の低さを浮き彫りにした。身近に迫った生活苦の恐れから、ようやく多くの日本人がこの「相対的貧困」という事実に気づくこととなった。しかし日本人の貧しさの原因を「中国元凶の資源高」や「悪い円安」などの一過性の問題にすり替えようとする論調がマスコミの中で後を絶たない。そもそも日本の貧しさの根本要因は「日本の製品やサービスが世界的な競争力を失った」ことにある。さらに「円安誘導などで実質ダンピング(価格引き下げ)を行ってきた延命策のコストを日本国民全体で分担させられてきた」結果、日本人総体が貧しくなってきたのである。いまや日本の1人当たりの購買力平価GDP(国内総生産)は世界193か国中33位となっており、2018年には隣国の韓国に抜かれてしまった。

日本人が豊かさを取り戻すためには、なによりも日本の製品やサービスの競争力を向上させることが必要である。民間レベルでは経営方針の見直しや人事制度の改革など複合的な施策の動員が必要となる。一方、日本全体としては30年間全く効果を生み出さなかった政府の成長戦略の抜本的見直しが必要である。その中心的施策の一つが「日本製品やサービスの競争力向上」を担保するための教育制度改革にあると私は考えている。今回は日本の教育の現状を振り返るとともに、改革の要諦について考えていきたい。

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外国人は日本の労働市場に戻ってきてくれるか(5、完)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第49回

11月 03日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

これからの25年は「人手不足の時代」だ。前回まで、労働力の増加を期待できるカテゴリーとして、女性と高齢者の動向をみてきた。残るカテゴリーは、外国人だ。

日本の労働市場は、すでに外国人に多くを依存している。今後も一層依存は高まるだろう。しかし、これまでの国の対応は後追い的だったようにみえる。

今後期待どおりに外国からの労働力が増える場合、快く働き、生活してもらえるだけの柔軟性が日本の社会にあるだろうか。

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天皇家を消滅させるのは誰?
『山田厚史の地球は丸くない』第199回

10月 29日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

秋篠宮家の「眞子さま」が、婚姻届を出して「眞子さん」になった。民間人になった彼女は、アメリカで暮らすという。

朝日新聞に掲載されている「朝日川柳」にこうあった。

「流出は、頭脳につづき、皇族も」。

眞子さんは、とげとげしい世間の目に耐えられないのだろう。

ロンドンで特派員をしていたころ、オックスフォード大学に小和田雅子さんが留学していた。今の皇后さまである。赴任する時、旧知の皇室担当に尋ねた。

「雅子さんの動向をウォッチすることは必要か?」。答えは「皇太子さま(今の天皇陛下)はご執心のようだが、彼女は外されたから、ウォッチしなくていいよ」。

アメリカにいたころ「深い恋愛」の経験があり、皇太子妃の候補から消えた、ということだった。

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世界の農業事情から考察する日本の農業の展望
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第204回

10月 22日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに採用した行員向けに「小澤塾」と名付けた6カ月の研修コースがある。この期間、銀行商品や貸し出しの基本などを宿題回答形式で、英語で講義を行う。この講義と並行して、日本人新入行員として分析力、企画力などを磨くため、レポートの提出を義務づけている。今回は、金融庁からバンコック銀行に出向している松村一樹(もとき)さんのレポートをご紹介したい。松村さんには金融監督業務とは全く異なった領域である「農業分野」について一から分析をしてもらった。なお、本レポートにおける考察・分析はあくまで筆者個人の見解によるもので、金融庁及びバンコック銀行としての見解を表すものではありません。

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「地政学」について考える(その4)-米中対立
『視点を磨き、視野を広げる』第55回

10月 21日 2021年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

はじめに

米中対立の行方と日本の選択について考えたい。前稿では国際政治学者の佐橋亮著『米中対立――アメリカの戦略転換と分断される世界』を参考にしたが、佐橋は米中国交回復後の過去40年間の米中関係は、米国が主導し中国は受動的であったとする。要約すれば――国交回復後の米国は中国の発展を支援した(「関与と支援」)。その背景には中国への三つの期待(市場化改革、政治改革、国際秩序への貢献)があった。しかし、期待は裏切られ、経済成長を続けた中国は経済力、軍事力で米国に対抗しうる超大国となった。この状況に不信と危機感を抱いた米国は長年の関与政策からの転換を図り、それに反発する中国と対立するに至った――となる。

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新首相・岸田文雄を信用できます?
『山田厚史の地球は丸くない』第198回

10月 15日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

歩き方は、のっしのっし。風貌(ふうぼう)は、端正なお坊ちゃん。印象として、悪い人ではなさそう。でも、この人に国政を任せて大丈夫だろうか。そんなおぼつかなさを感じさせる新首相である。

国会は10月14日、解散した。衆議院選挙は19日に公示され、本格的な選挙戦が始まる。前回から丸4年。有権者はやっと国政に「一票」で参加できる。

 衆議院選挙は政権選択選挙だ。問われるのは「岸田政権を支持するか」。有権者は判断に迷うのではないか。政権の実像がまだはっきりしない。

新首相は国会で所信表明演説を行い、各党から代表質問を受けたが、答弁は紋切り型。予算委員会などで丁々発止の論議はない。なによりも不安なのは、岸田文雄という政治家が、なにを考えているかよくわからない。この首相は、どこを目指し、なにをしようとしているのか。ギラギラした野心は見えない。ただ首相になりたかっただけなのか。政権の核心にモヤがかかったまま、総選挙に突入する。

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やさしく理解する世界の水資源問題と日本への影響
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第203回

10月 08日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

はじめに

「人間は水と空気がなければ生きていけない動物だ」と言われる。一方で私たち日本人は「水と空気はただ(無料)だ」と思っている。しかし世界に目を転じると、水が入手できずに生命の危険に瀕している人たちが何億人と存在しているのである。前回第202回のニュース屋台村「正しく理解しよう!CO2問題と日本の立ち位置」(2021年9月24日付)で世界における地球温暖化問題の対応について取り上げたが、水資源問題も世界的には極めて関心の高い課題である。世界的に水資源の枯渇が危惧(きぐ)される中で、日本は果たして無傷でいられるのであろうか? 今回はデータを活用した科学的分析を試みることにより、水資源問題の現状と今後の課題を考えてみたい。

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「人口オーナス時代」の成長率を試算する~年率0.8%超の生産性向上が必要に(4)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第48回

10月 06日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回、労働力の「自然減」は今後25年間で全体の約2割に達し、「社会増」で打ち返すのが難しくなると述べた。理由は、①生産年齢人口(15~64歳)の減少加速と、②高齢人口のスローダウンである。少子化の影響は、ついに高齢人口にも及んでくる。

ただし、総人口の減少とともに総需要も縮小するので、「自然減」をすべて埋めなければならないわけではない。問題は、労働力の減少スピードが総人口の減少を凌駕(りょうが)し、労働供給力の縮小が需要を上回る速さで進むことだ。この結果、人手不足が深刻になる。

では、どれほどの「社会増」と「生産性向上」があれば、私たちは子や孫の世代に豊かな社会を引き継ぐことができるだろうか。簡単に試算してみよう。

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