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FRBはなぜ利下げに慎重なのか
外国為替市場が意識する日米物価格差
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第74回

5月 15日 2024年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

円相場が下落している。4月末には一時1ドル=160円超えまで円安が進んだ。

背景には、日米の金融政策の違いがある。本稿では、両国中央銀行のスタンスを少し深掘りしてみよう。

 ◆米国の物価上昇率2.0%は物価安定の分水嶺

米国では、昨年秋に高まった利下げ観測が後退している。たしかに、米国景気は予想以上に強い。コアPCEデフレーター(食料品、エネルギーを除くPCE<個人消費支出>デフレーター)の前年比も、2022年(平均)の5%台から2023年末に3%を切る水準まで低下したものの、今年に入った後は下げ止まっている。 記事全文>>

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世界の酒類市場の現状分析と今後の動向
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第266回

5月 10日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに採用した行員向けに6か月の研修コースがある。この期間、銀行商品や貸し出しの基本などを宿題回答形式で、英語で講義を行う。この講義と並行して、日本人新入行員として分析力、企画力などを磨くため、レポートの提出を義務づけている。今回は、寺尾柊人(しゅうと)さんが作成した酒類関連のレポートをご紹介したい。 記事全文>>

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「グローバル化」の視点から考える
(その1):インフレ
『視点を磨き、視野を広げる』第74回

4月 24日 2024年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープンカレッジに通い始めた。

◆はじめに:「グローバル化」の視点から考える

高校の歴史は、最近まで世界史と日本史の二科目だった。2年前に近現代史だけを括(くく)り出して日本史と世界史を統合した「歴史総合」という新科目が加わった。その新しい教科書(*注1)を成田龍一(東京女子大学名誉教授)が執筆している。わたしにとって成田はオープンカレッジの授業で「総力戦体制論(*注2)」という新しい視点の存在を教えてくれた先生である。近現代史を見る目が広がったことに感謝している。成田が主張する歴史の連続性の重視は、近現代史の一つの流れとなっている。その成田が書いた教科書を使って、近現代史を勉強できる今の高校生は恵まれている。 記事全文>>

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安倍氏亡き後に金融正常化
政策の誤り 修正に10年
『山田厚史の地球は丸くない』第259回

3月 22日 2024年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「アベノミクス」とも呼ばれた「異次元の金融緩和」に終止符が打たれた。

日銀は3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利を解除。長期金利の上昇を力づくで抑えていたイールドカーブコントロールを止める。先進国の中央銀行ではどこもやってない「株の買い支え(上場投資信託の買い取り)」も打ち切った。

日銀の植田和男総裁は記者会見で「これからは普通の金融政策を行ってゆく」と述べた。これまでは「普通ではない金融政策」だったということである。 記事全文>>

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ポンポコリンは遠い昔
東証株価バブル期復帰
『山田厚史の地球は丸くない』第257回

2月 23日 2024年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「東証 史上最高値更新 バブル期以来」。携帯に飛び込んできた速報に、苦い記憶が蘇った。34年前のロンドン。駐在2年目の年末だった。東京証券取引所の大納会は最高値で一年を終えた。それがニュースとは思わなかった。日経平均株価は遠からずに4万円の大台に乗る、という期待さえあった。1989年の大納会の3万8915円は途中経過の一瞬であり、まさか34年も最高値であり続けるとは、誰も思っていなかった。

驚いたのは2日後だった。衛星放送が実用化され、ロンドンでも日本のテレビ放送が見られるようになった。何人かの特派員が集まって大みそか、レコード大賞の発表を待った。その時、日本から届いた映像が異様だった。「受賞は、歌うポンポコリン!!」。ピーヒャラ、ピーヒャラ、パッパパラパラ……。サイケデリックな衣装の奏者がギターをかかえ、わけがわからない歌詞を囃(はや)し立てている。これはなんだ、今の日本はポンポコリン、これが受けているのか。鳥肌が立つような違和感を覚えた。 記事全文>>

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「物価」について考える(その8)
MMTの問題点(3)「政治」
『視点を磨き、視野を広げる』第73回

2月 19日 2024年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

MMT(現代貨幣理論)の問題点の最終稿として、日本の政治がMMTを受け入れられるのかについて考えたい。

まず現在の政治に目をやると、MMTに興味を示しているのが自民党である点が気になる。米国では、MMTの提唱者の一人である経済学者のステファニー・ケルトン(ニューヨーク州立大学教授)が、民主党の上院議員で社会民主主義者を自称するバーニー・サンダースのアドバイザーを務めるように、リベラル色が強い。これに対して日本では主要野党がMMTと距離を置いているのに対し、保守政党である自民党が接近しているというねじれ現象が起きているのである。

自民党には二つの「財政本部」がある。一つは財政健全化を掲げる、岸田総裁直轄の「財政健全化推進本部」、もう一つが積極財政を唱える「財政政策検討本部」である。後者は高市早苗経済安全保障相の下にできたものであり、安倍元首相が最高顧問を務めていた。(*注1) 記事全文>>

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ブラックな職場? ブラックな社会?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第260回

2月 16日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私は人生70年生きてきて、唯一誇れるものがある。それは「人に会うことが好きで、色々な方たちと付き合っていること」である。「一期一会」を座右の銘として真剣に人と向き合ってきたからこそ、多彩な人脈を構築することができた。多くの知人・友人から教えてもらってきたことが、私の知識のすべてである。

私の同世代の大半は既に退職して悠々自適の生活を送っている。しかし、バンコック銀行のお取引先として交友を深めてきた人たちの中には、企業内で出世して経営を担っている人も多い。バンコクで知己を得た官僚の人たちは、年代もバラバラだが政府中枢で活躍している。提携銀行の経営陣の人たちとは日本、タイで年に2回ほどお会いして意見交換を重ねている。提携銀行からの出向者は今や私の子供より若い年齢である。こうした人たちから様々なことを聞くのも楽しい。 記事全文>>

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「東京一極集中」論はいまや的を外している
国外からの人口流入で28都道府県が「流入超過」に
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第73回

2月 06日 2024年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

1月末、2023年中の「住民基本台帳 人口移動報告」が公表された。報道は、引き続き「東京一極集中」論が多かった。①東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の流入超過に対し、大阪圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)、名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)は流出超過にあること②都道府県別にみても、流入超過は東京圏4都県、大阪、福岡、滋賀の7都府県に限られること――などが根拠である。 記事全文>>

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NHKスペシャル「2024私たちの選択」が提起したもの
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第259回

2月 02日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

1月4日に放送されたNHKスペシャル「2024私たちの選択―AI×専門家による“6つの未来” ―」は私たちの今後の在り方を考えさせられる興味深い番組であった。生産年齢人口がピークを迎えた1997年以降、一貫して下がり続けた日本の実質賃金。2023年の国内総生産額(GDP)は、人口が3割も少ないドイツに抜かれて世界4位に転落。今や1人当たりのGDPは世界32位(22年)と、日本は中進国に成り下がってしまった。こうした日本の凋落(ちょうらく)を予見して私は「ニュース屋台村」などで警鐘を鳴らしてきたつもりでいたが、残念ながら私の声は届かなかった。

最近になり少しずつ「日本の凋落」や「安い日本」の実態がマスコミによって伝えられ始めてきた。それでも人間は「正常性バイアス」という生来の気質から、自分に不都合な事態を認めようとはしない。こうした日本の実情を見たくない人たちからは感情的反発が生まれる。一方で、日本の問題点を指摘する人たちも個別事象だけに焦点を当てており、総合的な提言を見る機会は少ない。前置きが長くなったが、今回ご紹介するNHKスペシャル「2024私たちの選択」は、こうした日本に対して「複合的な提言」を試みた価値ある取り組みである。 記事全文>>

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国際物流における航空・海上輸送の発展と日本の課題
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第258回

1月 19日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本は資源やエネルギー、穀物などを海外から輸入し、自動車や電機製品を輸出して経済活動を行っている。また、我々の日常生活においても、楽天やアマゾンで気軽に海外の品物を注文し、わずか数日で受け取ることが可能である。これらはモノが運ばれることによって成り立っている。物流は世界経済に欠かすことのできない機能であり、常に世界中で膨大な数量の輸送活動が行われている。

ところが、日本は行政の立ち遅れから、空港や港湾の運営面で世界の中で大きく立ち遅れている。こうした実態については、これまでも拙稿第56回「成田国際空港の貨物空港化への提言」(2015年10月30日付)、第186回「日本の港湾の国際的地位を取り戻すため」(2021年1月29日付)などで取り上げてきた。

今回は国際物流の主要な輸送手段である航空輸送および海上輸送について、それらを担う世界の空港・港湾・輸送企業に関して総合的に見直してみたい。 記事全文>>

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