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それは哀愁のメロディーなのか
米国のサンシャイン・ポップと今
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第280回

3月 03日 2025年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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特別支援が必要な方の学びの場「みんなの大学校」学長、博士(新聞学)。フェリス女学院大学准教授、文部科学省障害者生涯学習支援アドバイザー、一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。

DEIの大転換

トランプ大統領の米国が始まった。就任日に発せられた大量の大統領令、就任式やダボス会議での演説、それらで表現された「偉大な米国」。パリ協定からの離脱、石油ガス開発の再開や違法移民の送還など、多くのものは予想されていたとはいえ、そこには、これまで信頼と寛容の上で成り立ってきた秩序の否定も含まれる。

特にリベラル政策と位置付けられた「DEI(多様性・公平性・包摂性)」政策の終了は、積み上げてきた国際協調はもとより、米国という国が築き上げた「多様な社会」の在り方を大転換するようで、世界が憧れたあの米国ではなくなる、のだろうか、との失望が先立つ。 記事全文>>

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ドイツの「新しい兵役」からの懸念
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第279回

2月 24日 2025年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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特別支援が必要な方の学びの場「みんなの大学校」学長、博士(新聞学)。フェリス女学院大学准教授、文部科学省障害者生涯学習支援アドバイザー、一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。

◆傍らにある戦争

ドイツは2024年暮れに「新しい兵役」法案を閣議決定した。18歳の男女全員に入隊意向を調査し、意欲ある若者を志願兵にするといい、男性には兵役に対する意欲や能力についてのアンケートに回答する義務を負わせ、国として「国防」意識を認識してもらう狙いもあるという。

ロシアによるウクライナ侵攻による「欧州の戦争」は現実的にドイツの傍らにある。北大西洋条約機構(NATO)の存在が安全を保障するかの疑問が生じる中で、ドイツも新しい国防へと向かうことになった。

戦後のドイツでは、東ドイツや東側諸国との対立の中で、軍の維持は必須だったが、かつてのナチス・ドイツを忌避する感覚が根強く、ドイツ軍への志願が少なかったことで1956年から2011年まで徴兵制を採用していた。18歳以降、9か月間の兵役を基本としながら、良心的な兵役拒否も認めていて、介護施設や公的施設で任務に従事する兵役代替服務があった。 記事全文>>

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事件を乗り越え、グループホームがつなぐ夢へ
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第278回

2月 19日 2025年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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特別支援が必要な方の学びの場「みんなの大学校」学長、博士(新聞学)。フェリス女学院大学准教授、文部科学省障害者生涯学習支援アドバイザー、一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。

◆失望に変えた事件

最近の障がい者向けのグループホーム事業の拡大は、障がい者が地域とともに生き、暮らす共生社会に向けた希望のはずである。その希望を失望に変えてしまったのが、障がい者向けグループホーム運営大手企業による食材費の過大徴収事件など、各種の不正事件であろう。

事業者が私腹を肥やすだけならまだしも、利用者に提供している食事が粗末だったのは、福祉事業者としての資格も見直すべき事案だ。このような事態は、グループホーム事業拡大で民間企業の参入が増える中で、懸念はしていた。「収益化が容易」とのうたい文句で事業参入を呼びかける広告が飛び交い、私にも「グループホーム事業に参入したいのですが……」との相談も定期的にやってくる。

障がい者に対応する社会の環境が不十分な中で、グループホームを運営するのは簡単ではない。事件を受けて、社会における障がい者を支援する社会福祉事業としてのグループホームの在り方を熟考できればと思う。 記事全文>>

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ポリヘルスの社会戦略
『みんなで機械学習』第56回

2月 17日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆ダ・ヴィンチ・コード

暗号解読によって事件を解決する映画「ダ・ヴィンチ・コード」を覚えているだろうか。イタリア・ルネサンス時代の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチのように、芸術、技術、医学など、さまざまな分野で活躍する天才は、「ポリマス」(polymath;博識家)といわれ、知的冒険を楽しみ、閉塞(へいそく)した時代を変革する(※参考:『Polymath: Master Multiple Disciplines, Learn New Skills, Think Flexibly, and Become an Extraordinary Autodidact』〈Peter Hollins, 2020〉、『The Polymath: A Cultural History from Leonardo da Vinci to Susan Sontag』〈Peter Burke, 2020〉)。「マス」はマセマティクス(数学)の略語で、語源はギリシャ語の「マテーマタ」、「学ばれるべきことども」を意味するということを、初めて知った。「ポリ」は「たくさん」という意味なので、「ポリマス」は「たくさんのことを学んだ」博識家であって、文理融合のスーパースターだ。 記事全文>>

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「悪データ」と魅力的な性悪説の世界
『みんなで機械学習』第55回

1月 29日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆ツイン・ピークス

米国の映画監督デイヴィッド・リンチ(1948~2025年)の訃報を読んで、代表作として紹介されていた1990年からのテレビドラマ「ツイン・ピークス」を見てみた。リンチ監督の「エレファント・マン」は記憶に残る映画だった。しかし、「ツイン・ピークス」の、1950年代の<古き良き時代のアメリカ>を舞台とするテレビドラマ、という解説には違和感があった。

「ツイン・ピークス」は、全てがアナログな舞台設定だった。カナダ国境の田舎町における、一見善良そうな人びとの生活の裏側では、セックス・麻薬・犯罪が蔓延(まんえん)する、アメリカ社会の<異質性>が描かれていた。現在のトランプ大統領が出演していても、全く違和感がない<古き良き時代のアメリカ>だ。今日と決定的に異なるのは、スマホやインターネットなどのデジタル通信機器が全くないこと、テレビや新聞などの古典的ジャーナリズムが物語に関与しないこと、外部社会とのつながりは、連邦捜査局(FBI)と国際犯罪組織だけで、コカ・コーラなどのグローバル企業の商品や宣伝すらないこと、魔術的な暗黒社会があることぐらいだろう。 記事全文>>

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「デジタル遺産」となり得るNFT②
近時の動向アップデート
『企業法務弁護士による最先端法律事情』第16回

1月 22日 2025年 社会, 経済

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北川祥一(きたがわ・しょういち)

北川綜合法律事務所代表弁護士。弁護士登録後、中国・アジア国際法務分野を専門的に取り扱う法律事務所(当時名称:曾我・瓜生・糸賀法律事務所)に勤務し、大手企業クライアントを中心とした多くの国際企業法務案件を取り扱う。その後独立し現事務所を開業。アジア地域の国際ビジネス案件対応を強みの一つとし、国内企業法務、法律顧問業務及び一般民事案件などを幅広くサポート。また、デジタル遺産、デジタルマーケティング等を含めたIT関連法務分野にも注力している。著書に『Q&Aデジタルマーケティングの法律実務』(日本加除出版、2021年)、『デジタル遺産の法律実務Q&A』(日本加除出版、2020年)、『即実践!! 電子契約』(共著、日本加除出版、2020年)、『デジタル法務の実務Q&A』(共著、日本加除出版、2018年)。講演として「IT時代の紛争管理・労務管理と予防」(2017年)、「デジタル遺産と関連法律実務」(2021年、2022年、2024年)などがある。

1 NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは?

近時、ブロックチェーンを利用したNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)なるデジタルデータが世に出回るようになりました。ブロックチェーンは暗号資産においても利用されている技術になりますが、NFTは暗号資産とは異なる特徴を持っています。 記事全文>>

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未来への説明責任
『みんなで機械学習』第54回

1月 15日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆代替案が無い不確実な世界で生きる

前稿第53回(https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-134/#more-22000 )はリベラリズムの代替案について考えてみた。筆者としては2025年に向けた直近の政治的な話題のつもりだったのだけれども、いつもの事ながら、近未来の「データ文明」を夢見る哲学的な文章になってしまった。中学3年生の時に、文部省(当時)中央教育審議会の「期待される人間像」(昭和41〈1966〉年)(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chuuou/toushin/661001.htm )を知ってから、「リベラル嫌い」となった。個人的な「リベラル嫌い」について記載して、17世紀の合理主義哲学、スピノザにも言及したので、過去の哲学的な雑感となって、2025年の政治と経済の話題としては、ピントがずれていたのかもしれない。近代合理主義哲学には経済合理性の概念はない。近代経済学、マルクス経済学、ケインズ以降の経済学、それぞれの経済合理性を議論している。それぞれ経済理論として、もしくは経済政策には有用ではあっても、筆者には、現在までの経済学が「合理的」であると思われたことは無かった。資本主義や民主主義が「合理的」なのかどうか疑わしく思われるのと同じで、哲学的な懐疑が不足している、もしくは、哲学を無視することで科学的なふりをしているようだ。現在では、合理的な意味でのリベラリズムの代替案が無い不確実な世界で生きるしかないとあきらめて、近未来の「データ文明」について考えている。 記事全文>>

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未来のV・ヴィーガン
『みんなで機械学習』第53回

12月 25日 2024年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆リベラリズムの代替案

前稿( https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-133/#more-21708 )では、17世紀後半の近代合理主義哲学の巨人スピノザの哲学が「過去の哲学ではなく、現在の問題であって、人類の歴史が逸脱しているのではないか」というデータ論の問題意識を提起した。「ニュース屋台村」とともに7年間つきあったスピノザの哲学に、21世紀のトポロジカルデータ解析(TDA)に至る萌芽(ほうが)を感じて、現在の問題への新しい突破口が見えてきた。 記事全文>>

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身に降りかかった「冤罪事件」
「交番お巡りさん」権力乱用
『山田厚史の地球は丸くない』第278回

12月 20日 2024年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

よもや「当て逃げ」の容疑者にされるとは、思いもしなかった。

咳(せき)が止まらず、熱を測ると37度2分。クルマで5分ほどのショッピングセンターにある診療所に出かけた。「インフルエンザの疑いあり。明日、コロナ感染の疑いも含め検査をしましょう」

クリニックを出たのは正午過ぎ。ふと携帯に目をやると、見知らぬ電話番号が着信履歴に残っていた。コールバックすると「駅前交番のHというものですが、うかがいたいことがありまして」。訝(いぶか)しく思いながら、「ご用件は?」

「『習志野1011』のおクルマはご主人のものですか?」

「その通りです」

「お隣に止めてあったワゴン車が擦られたようなので、来ていただけますか?」

疑いをかけられているとは知らず、二つ返事で駐車場に向かった。 記事全文>>

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ラッキーな経験からセレンディピティな発見へ
『みんなで機械学習』第52回

12月 09日 2024年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆データを職業にする

本シリーズは文明論ということもあって、話題が散乱していて、筆者の専門は何なのか、疑わしく思われているかもしれない。筆者の職歴や学歴は、多くの方にはなじみが薄いけれども、学者ではなく、実務家だ。筆者の職業は、「データ」であって、データサイエンスや生物統計学という専門的な高等教育がない時代から、45年以上、「データ」を生業としてきた。「データ」を職業とする、世界的にも草分け的な“少数民族”だった。40年前のロンドン大学医学部病院のコンピューター室では、英語は下手でも、コンピューター言語が達者な日本人として重用(ちょうよう)された。たくさんの失敗をしながら、それなりの年齢になるまで仕事ができたのだから、仕事の仲間や上司にはとても感謝している。筆者が高校生の時代から、哲学的な意味で興味を持っていた「個体差」について考え続けていることで、「データ」への興味は尽きることは無かった。しかし、職業として取り組んだ「個体差があるデータ」の問題では、生物統計学やデータサイエンスに限界を感じていた。その限界を突破できるかもしれないと考えたのが、個体差の「表現」を機械学習するフェノラーニング®だ。フェノラーニング®を発展させて、近未来のデータ文明において、みんなが「データ」を使って仕事をすること、その仕事が現在よりも健康な仕事(経済活動)となることを期待して、本シリーズを続けている。 記事全文>>

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