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トランプおじさま・サナエちゃん関係
対米迎合の行き着く先はどこか?
『山田厚史の地球は丸くない』第300回

10月 31日 2025年 国際, 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

あのシーン、みなさんはどうご覧になっただろうか。満面の笑みでトランプ大統領に寄り添い、大勢の米軍兵を前に飛び跳ねながら手を振る高市早苗首相。「日米黄金時代」を謳(うた)い、大統領と個人的信頼関係を築けるか、が問われていた首相は、緊張して首脳会談に臨んだのだろう。会談を終えて、原子力空母「ジョージ・ワシントン」に場所を変え、米軍兵士の歓待を受けた。高市首相は「日本の歴史に残る女性首相」と紹介され、緊張の糸が切れたかのように舞い上がった。

大統領の腕にぶら下がるようなツーショットは、「トランプおじさま」と「サナエちゃん」といった風情だが、それは「日米同盟の現実」を映しているのかもしれない。毎日新聞の社説(10月29日付)は「対米迎合が先走る危うさ」と警鐘を発した。 記事全文>>

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高市早苗とゾーラン・マムダニ
新たなリーダー 日米の違い
『山田厚史の地球は丸くない』第299回

10月 17日 2025年 国際, 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

トランプ米大統領の足元で、新たな変化が始まっている。11月4日に投票されるニューヨーク市長選で、民主党候補が勝ちそうだ。「民主社会主義者」を自認する33歳のゾーラン・マムダニ氏。来年の中間選挙への流れが、変わるかもしれない。

マムダニ氏はアフリカのウガンダ出身、インド系の家族と共に7歳でアメリカに渡ったイスラム教の移民である。白人第一、移民を蔑(さげす)み、イスラムを警戒する「トランプ的価値観」の対極にある人物。そんな若者が、既存の政治家を引き離し、アメリカ最大都市のリーダーに躍り出ようとしている。 記事全文>>

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誰のための自民党総裁選報道
「勝ち馬探し」の伴走者
『山田厚史の地球は丸くない』第298回

10月 03日 2025年 政治, 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

自民党総裁選はあす10月4日に投開票される。

「読売新聞社が実施した国会議員の支持動向調査では、小泉進次郎農相(44)が、旧派閥横断で幅広い支持を得ている実態が明らかになった。高市早苗・前経済安全保障相(64)は旧安倍派、林芳正官房長官(64)は旧岸田派を中心に浸透する中、各陣営は態度未定の議員票に狙いを定め、追い込みをかける」。

「小泉氏を支持する国会議員71人を派閥・旧派閥別でみると、無派閥が5割弱と最も多く、麻生派が2割弱、旧岸田、旧茂木両派がそれぞれ1割などだった。衆院当選5回以下の中堅・若手議員の支持は30人超で、立候補した5氏の中で最多だった。陣営幹部は『勝ち馬に乗りたい層へのアプローチが重要』と強調し、議員票の更なる上積みを図る」(9月30日付、読売新聞)

同じ日、朝日新聞は以下のように報じた。

「小泉進次郎農林水産相(44)がトップで、林芳正官房長官(64)が続いた。高市早苗前経済安全保障相(64)は3番手だった。いずれも党員・党友票を含む初回投票で過半数を得る勢いはなく、上位2人の決選投票となる公算が大きい」

こちらも「小泉優勢」を伝えている。投票前に「勝つのは誰か」を当てるのがメディアの仕事であるかのような書きぶりである。 記事全文>>

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「内戦」煽るトランプの「狂気」
戦争省のアメリカ それでも日本は…
『山田厚史の地球は丸くない』第297回

9月 19日 2025年 国際, 政治, 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

今度は「極左摘発」だという。

トランプ支持を若者に訴えていた右翼活動家チャーリー・カーク氏(31)が凶弾に倒れた。容疑者は逮捕されたが、動機や思想背景など解明はこれからだ。ところがトランプ大統領は「犯人は極左思想」と決めつけ、SNSに「死刑だ」と発信した。断片的情報だけで「リンチにかけろ」と言わんばかりである。ネットにはさまざまな感想・見解が交錯するが、容疑者に同調するような書き込みは通報され、職場を解雇されるなど、1950年代のマッカーシズムを思い出させる「思想攻撃」が始まっている。

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与那国島・町長選が示した民意
島民が判断できる情報を
『山田厚史の地球は丸くない』第296回

9月 05日 2025年 政治, 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日本最西端の島・与那国島(よなぐにじま)が静かに変わろうとしている。

この10年余、急速に軍事要塞(ようさい)化が進んでいた。8月24日に行われた町長選挙で「平和な島に」と主張する上地常夫(うえち・つねお)氏が当選した。

上地常夫(61)無所属新 557票▽糸数健一(72)無所属現 506票▽田里千代基(67)無所属新 136票

上地氏は、本島の高校を卒業後、島に戻り、役場に勤務し、22年から町議会議員を務めていた。自衛隊の駐屯には反対しないが、自衛隊の島にはしたくない、と訴え、僅差(きんさ)で現職を破った。 記事全文>>

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なぜ「石破辞めるな」なのか?
驕りが招いた自民党時代の終わり
『山田厚史の地球は丸くない』第294回

8月 08日 2025年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

自民党では悪評嘖嘖(さくさく)の首相だが、世間の評判はさほど悪くない。誠実さをたたえる声さえもあり、「石破おろし」に反発する「石破辞めるな!」のデモさえ国会周辺で起きている。

「石破首相らしさ」が滲(にじ)み出たのが8月6日、広島の平和記念式典でのあいさつ文だった。原爆投下80年、毎年繰り返される行事だが、手あかが付いた政治的決まり文句を排し、自分の思いを込めた言葉を選び、最後に被爆歌人・正田篠枝(しょうだ・しのえ)さんの短歌「太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり」を、2度繰り返し、締めくくった。

あいさつの後、首相は自らの思いは「あの歌に全て尽くされている」と語った。被爆者や平和団体ばかりかSNSでも「ありがとう」の声が上がった。石破の言葉が際立ったのは、過去に安倍首相、菅首相が読んだあいさつ文が、ひどいものだったからだ。 記事全文>>

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なめられてたまるか!
ならず者国家に従うこの国
『山田厚史の地球は丸くない』第293回

7月 25日 2025年 国際, 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

急転直下、合意した日米関税協議。 米国側の発表で、両国の合意事項に「数十億ドルの防衛装備を日本は毎年、追加発注する」との項目があることが分かった。この協議は、やはり「防衛費をGDP(国内総生産)の3.5%」という軍拡を引き出す対日圧力の一環だった。

トランプ大統領が仕掛けた「高関税政策」で世界が沸きたっていた7月1日、ワシントンで日米の外務・防衛相による日米安全保障協議委員会(通称2プラス2会合)が開かれる予定だった。米国はルビオ国務長官とヘグセス国防長官、日本から岩屋外相と中谷防衛相が出席することになっていた。ところが、会合は突然のキャンセルとなった。

「中止」を報じたのは英紙フィナンシャル・タイムズだった。「アメリカ側が事前に『日本の防衛費をGDP比で3.5%に増額する要請を行う』と非公式に通告したことで、日本が反発し、会合は開かれないことになった」という趣旨の記事だ(6月20日付)。 記事全文>>

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高関税から防衛負担へ
米との「対等な関係」は可能か
『山田厚史の地球は丸くない』第292回

7月 11日 2025年 国際, 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「べらぼうな高関税」の一方的な押し付けが行き詰まり、姿を現したのは「身勝手な防衛費増額」だった。

トランプ米大統領は7月8日、韓国に駐留する米軍への韓国側の負担が少なすぎると不満を述べ、「増額する必要がある」と主張した。言い分の趣旨は、以下のようなものだ。

米軍の駐留などで我々は韓国の発展に貢献しているが、韓国は費用をほとんど払っていない。駐留経費の負担増は第一次政権の時、韓国政府と協議していたが2020年の大統領選で敗れ、協議は完結しなかった。その後のバイデン政権は増額交渉を怠った。政権に復帰したからには、韓国に適正な駐留経費を負担してもらう――。 記事全文>>

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トランプについていくのか?
日本外交におとずれた転機
『山田厚史の地球は丸くない』第291回

6月 27日 2025年 国際, 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「戦争にもルールがある」と言われるが、ルールは、強い国が勝手に決める。そう言わんばかりの武力行使を公然と見せつけたのが、アメリカのイラン攻撃だ。

武力介入によって、ひとまず停戦となったが、状況は予断を許さない。紛争再燃の恐れだけではない。イスラエルとアメリカは国際社会が積み上げてきた秩序や慣行を無惨に破壊した。主要国は「暴力による決着」に黙認し、あるいは称賛するという異様な空気が世界に充満している。 記事全文>>

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「カネ」こそ自民の「絆」
石破「10万円商品券」の政局
『山田厚史の地球は丸くない』第284回

3月 21日 2025年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

石破茂首相が、新人議員15人と公邸で催した食事会で、10万円の商品券を手土産として配っていたことが発覚。政治資金規正法違反ではないか、と国会で追及を受けている。カネの匂いがあまりしなかった政治家だけに、「石破、お前もか!」である。「政治とカネ」が問題になっている最中に、初当選議員を集めて10万円を渡す政治感覚にあきれるばかりだ。 記事全文>>

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