古川弘介(ふるかわ・こうすけ)
海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
◆はじめに
前稿では、日本の半導体産業凋落(ちょうらく)の原因を考えた。原因に関しては諸説あるが、湯之上隆(*注1)は、日本の半導体メーカーの「高品質病」に凋落の根本原因を見る。
1980年代に日本のDRAM(*注2)は汎用(はんよう)コンピューター向けの高品質(長寿命)製品を作ることに成功して、半導体売上の世界シェアトップに立った。その後、市場環境の変化(汎用コンピューターからパソコンへの主役交代)があり、低価格で大量供給が可能な製品が求められた。しかし日本メーカーは高品質を止められず(過剰品質)、市場ニーズに合致した製品を作り出せなかった。凋落の直接的原因は、市場変化への不適応であるが、湯之上はさらに不適応の原因を探り、「高品質病」を見いだすのである 記事全文>>

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。








