新しい就労継続支援型事業所を目指し東京・大田校が出発
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第207回

5月 10日 2021年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆福祉と教育のハイブリット

 4月1日付で就労継続支援B型事業所みんなの大学校大田校が東京都の認可を受けて正式に事業がスタートした。支援が必要な方に向けてウェブ上で学びを提供するみんなの大学校は、就労移行支援事業所みんなの大学校西宮校(兵庫県西宮市)と、今回の東京都大田区の就労継続支援B型事業所みんなの大学校大田校を、障害者総合支援法に基づく福祉サービスを利用する形で福祉事業を行う。

「学び」を核としながらも、障がい者が普通の暮らしができるための社会保障を確保しながら、教育と福祉のハイブリット型を目指す。現在の社会状況や支援が必要な方々のニーズ、それら現実的な対応と適切な支援と地域移行などの課題に真正面から取り組み、よい形を提示したいと考えている。そのためにスタッフは、来ていただく方には必ずや適切な支援と思い描く未来に近づけようとの意気込みで、その積み重ねが「形」になっていくと信じての出発だ。

◆イメージは絶対ではない

 障害者総合支援法による就労系といわれる支援事業には就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型があり、一般的に、一般企業を目指す、もしくは「目指せる」人が就労移行支援のサービスを受け、一般就労が難しい方が就労継続支援を受ける区別になっている。A型は支援を受けながらも雇用契約を結んで仕事をするために最低賃金が保証されるのに対し、B型は雇用契約を結ばずに仕事に従事し、その対価は工賃として支払われるが、雇用契約における労働ではないから、基本的には1人が生活できるほどの収入は得られない。

この区別の中で、世間には障がいの重さや軽さに応じて、サービスが選択される印象が定着しているが、そのイメージは絶対ではない、ことを示していきたいのが、みんなの大学校大田校である。大田校の仕事は、東京都最大の青果市場である大田市場での野菜の出荷作業、パッケージの作業が確実に確保され、人によっては編集系の事務作業も用意している。

◆作業は学びの材料

ただ、この作業は支援のための道具ではない。それは学びの材料でもあり、次のステップに向けたプロセスである。つまり「学び」を組み合わせることによって人は成長し、羽ばたいたり、走りだせたりする。無理に「走れ」と言わずとも、鞭(むち)でたたかれなくても、自分の行きたい方向に走る、はずだ。その走る方向や走り方を一緒に考えていくのが支援であり、その支援をその人のペースで行う役割を、大田校は実践していきたいと考えている。

通所が2年と定められている就労移行支援では、人にとってはさっと就職する人もいれば、2年を使い果たし就労できない人もいる。就労移行支援事業所に通所して就労できなかった人にとって2年は短い。この方々が自分のペースに合わせて就労していくのを支援するのも、私たち大田校の役割だと考えている。

さらに就労継続支援B型事業所が就労移行の支援をすることで、就労先である企業の文化も変えたいという思いもある。

◆雇用促進も視野に

 大田市場の作業を行う意味は、大田市場に関連する企業への障がい者雇用への促進が目的もある。一大消費集積地の野菜の台所を担う大田市場は巨大だ。毎日、ありとあらゆる野菜が大型トラックで運び込まれ、競りにかけられ、各業者の倉庫に収められて、出荷されていく。その中で消費者に売るために形を整える作業は必須。この必要な作業を担いながら、障がい者がその特性に応じて作業を行い、生産活動の中心にいる環境を整備し、多くの企業にその実態を見てもらうのも狙いである。

今回の事業所設立は東京促成青果株式会社(本社・東京都中央区)の全面的な協力によって実践にこぎつけることになったが、この事例を東京の企業や全国の市場に広げたいと考えている。仕事をして、学び、そして次のステップにいける自分となっていく。

ぜひ、就労継続支援B型事業所みんなの大学校の門をたたいてください。

https://minnano-college-of-liberalarts-ohta.jimdosite.com/

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