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なぜ「構造要因で、6割の地銀が最終赤字に」は曲解なのか
日銀試算が示唆する異次元緩和の深刻な帰結
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第12回

7月 03日 2019年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

日本銀行が「金融システムレポート」2019年4月号で、銀行の中長期収益シミュレーションを行っている。結果は、「借入需要減少ケース」で、約6割の国内基準行(主に地域銀行)が10年後に最終赤字に陥るというものだった。

これを受け、多くのメディアが「構造要因で、地銀の6割が最終赤字に」と報じた。だが、これを構造要因とするのは曲解である。

地銀が深刻な状態にあることは間違いない。手をこまぬいているわけにはいかない。しかし、今回の日銀の試算結果が示すのは、むしろ異次元緩和の帰結である。多少技術的になるが、理由を考えてみたい。 記事全文>>

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タイに負けた日本の国際競争力
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第146回

6月 28日 2019年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住21年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

「日本の競争力、30位に低下。IMD調べ 今年。97年以降で最低」。その記事は5月22日付の日本経済新聞の夕刊にひっそりと掲載された。日経よると、スイスの有力ビジネススクールIMDは28日、2019年の世界競争力ランキングを発表。日本の総合順位は30位と前年より五つ順位を下げた。また前年1位だった米国が3位に転落した。記事はトランプ大統領の施策が米国の順位後退に影響を与えているかのようなニュアンスで書かれており、日経からは米国の順位交代の印象が強かった。

「日本はまだ大丈夫だ」という慢心

かねて日本の国際競争力低下を憂いている私は、「またか!」という感覚で、特にこの記事を強く意識しなかった。ところが翌日、タイの英字紙バンコクポストの1面に、「タイの国際競争力が63カ国中25位に上昇した」との記事が掲載された。「ちょっと待てよ!」と思いながらバンコクポストを読むと、前日の日経の記事と同じIMDのレポートに関する記事であった。タイはIMDの国際協力比較において、韓国の28位、日本の30位よりも上位の25位を獲得したとのことである。日本の国際競争力はなんと、私が現在住んでいるこのタイに負けてしまったのである。正直、私は驚きを覚えた。確かに私が住んでいるこの20年の間に、タイは急速に成長を遂げてきた。しかし私が恐れていたこの事態が、まさかこんなに早く起こるとは思ってもみなかった。

早速インターネットで関連記事を探すと、5月28日付の日経ビジネスで「日本の国際競争力が30位―から見えてくる経営者の、危機感」という記事を発見した。長くなるが正確を期すために日系ビジネスの記事をそのまま引用させてもらおう。 記事全文>>

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就業規則に書かれていない事態にどう対応するか
『実録!トラブルシューティング』第67回

6月 27日 2019年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、通常の就業規則には明文化されていないため対応しきれない、予想もつかなかったモラル違反に関するトラブルについてご紹介します。

まずは事例①です。
これは小売・サービス業のお客様の事例です。店頭でタイ人社員同士によるいさかいがあり、お客様のいるところで口論を始めてしまいました。当然のことながら、店舗としては大変なイメージダウンとなりますが、現在の就業規則では
こうした事態には対応できません。

このケースでは、業態に合わせた細かな罰則規則が必要となります。 記事全文>>

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データ論の準備(3)全体構想
『住まいのデータを回す』第20回

6月 26日 2019年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

筆者のライフワークとなるかもしれない「データ論」にむけて、(1)目的、(2)方法、そして今回の(3)全体構想と準備を進めてきた。次回は(4)問題設定となる予定だ。「データ論の準備」は、本シリーズ「住まいのデータを回す」のまとめでもある。長々と20回もまとまりのない文書を書いてきたけれども、もし「データ論」が書かれることがあるとすれば、それは筆者のライフワーク「薬物作用の個体差」からの決別でもある。「データ論」が書かれる舞台は「文学部数学科」になるだろう。そんな気楽な「屋台村的」な夢物語を「住まいのデータを回す」第22回で最終回にできることを楽しみにしている。

データ論の目的を、機械文明の限界を乗り越えて、データ文明が開花するための技術思想を模索しながら、現状では解決の見込みのない問題群に「データ」技術によってアプローチすること、と要約してみた。その近未来の技術思想を「データサイクル」と命名している。データ論の方法は、「データサイクル」という技術思想を、明確に理解できるようになるための方法だ。自分自身が理解できていないことは仕方がないとして、人類未踏の問題にパソコンだけで挑もうとしている。数学の自由に勇気づけられながら、ランダムなウイルスのありかたを解析するための方法でもある。ウイルスはデータとして生きている。ウイルスとの「共存・共生・共進化」は、データとの「共存・共生・共進化」でもある。

生きものにとっての個体差は、個体差の表現であって、自分自身の生活の場を表現している。生活がデータ化されるとき、ウイルスの生活環のような、とめどもない多様性を、生活のデータから、どのようにして発見することが出来るのだろうか。このような問題設定にみちびかれる全体構想についてまとめてみたい。 記事全文>>

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ポリフォニーで語る「命×公共性」で殺意のココロをほぐしたい
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第169回

6月 25日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆引きこもりはきっかけ

川崎市のJRと小田急の登戸駅近くでの殺傷事件と農林水産省元事務次官が息子を殺害した事件は、「ひきこもり」をキーワードとして、一方では加害者(川崎の事件)の一方では被害者(元事務次官の事件)の、どちらもこの世にいない人の「異常な」心理性を語る中で、多くの人にとって導きやすい理解に押し込めようとして、結論を急ぐパターンをまた繰り返している。

ちょうど内閣府が中高年の引きこもりの推計が61万人と発表したことも手伝って、今回の事件に関係する2人がこのカテゴリーに入るのではないか、との分類により、議論は引きこもりに流れてしまったが、再度立ち止まって考えてみたい。

やはり引きこもりとは、何かをきっかけにして存する状態であり、その何かを考えることが今の私たちに求められているのだと思う。 記事全文>>

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「鉄の女」に見る女性のリーダーシップ
『国際派会計士の独り言』第36回

6月 24日 2019年 経済

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内村 治(うちむら・おさむ)

photoオーストラリアおよび香港で中国ファームの経営執行役含め30年近く大手国際会計事務所のパートナーを務めた。現在は中国・深圳の会計事務所の顧問などを務めている。オーストラリア勅許会計士。

2012年に公開された映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙:The Iron Lady 」を最近、映画チャンネルで見ました。

1980年代に英国の首相として、辣腕(らつわん)を振るい、今の英国にとって「中興の祖」とも言える政治家の晩年を、回想を交えながら描いた珠玉の作品です。認知症を患っても凛々(りり)しく知的な女性という主役を演じたメリル・ストリープは、この作品で3回目のアカデミー主演女優賞を受賞しています。また、苦楽を共にした夫デニスと双子の子供という家族、彼女を支えてくれた人たちをこよなく愛したというプライベートな一面も知りました。教育科学相として出席した閣議中に停電があった時に、暗闇で彼女だけ懐中電灯を携帯していて会議を続けたという、庶民感覚を持ち続けたという逸話もあります。

BREXITとメイ首相の辞任

サッチャー氏は、英国という「偉大な歴史のある国を衰退から守る」ためには自分の信念を曲げずにやるべきことは実行するという姿勢を貫き、アルゼンチンとのフォークランド紛争時の軍隊出動とそれによる勝利、宗教的対立なども絡んだ根深い北アイルランド問題に対する強い態度、労働組合改革、通信や電力などの公共サービス事業の民営化や規制緩和などを推し進めました。そして、その強い政治姿勢と対応で、ロシアが命名したという「鉄の女」という異名を得るまでに至りました。彼女の政治家としての功績には色々な意見があるものの、彼女はつい最近までの英国の繁栄という新時代に導いたと言っても過言ではないと思います。 記事全文>>

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衆参同日選挙は本当にないのか? 安倍政治に忍び寄る政権への飽き
『山田厚史の地球は丸くない』第141回

6月 21日 2019年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「衆参同時選挙見送り、首相方針固める」。読売新聞の20日朝刊に掲載された。朝日新聞が10日に報道して以来、メディアは「ダブル選挙なし」の見通しに傾き、政権最大の与党紙とされる読売まで足並みをそろえた。

政治報道は「同日選ナシ。参議院選挙だけ7月21日投票」で一致したが、本当に衆参同日選挙はないのか。

自民党独自の世論調査で判断か

読売によると「首相は憲法改正を優先した」とある。同日選になると、衆議院の議席が減るかもしれないから、大事を取って参議院選挙一本にしたという。参議院は安倍政権の支持率が安定しているから勝てそう、というのである。 記事全文>>

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資本主義の現状:『新・日本の階級社会』を考える―その5「社会保障改革と雇用」
『視点を磨き、視野を広げる』第31回

6月 18日 2019年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

はじめに

日本社会の格差拡大について4回に分けて考えてきた。要約すると、①平等な社会が誇りであった日本で格差が拡大している②ただし、欧米のように超富裕層への富の集中はみられず、貧困層が増えている点に特徴がある③なかでも非正規労働者を中心としたワーキングプアーの増加は大きな問題である――の3点である。

働いているのに低所得な人々、いわゆるワーキングプアーが増えたのは、雇用の非正規化に原因がある。したがって、根本解決のためには正規雇用への転換を図るべきである。それが正論であるし、実際にそうした政策(再教育支援、就労支援)も採られている。しかし、これだけ非正規雇用が増えた現在、希望者を全員正規雇用にすることは現実的に困難だと思われる。また、最近の財界首脳の「終身雇用は維持困難」(*注1)という発言にみられるように、むしろ今後は、正規雇用の維持すら難しくなっていくことが予想されているのである。 記事全文>>

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法定外シャローム大学からシャローム大学校への名称変更について
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第168回

6月 17日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆学びの発展機会                

昨年度のプレ学習期間を経て4月から始まった「法定外シャローム大学」だが、先日文部科学省から名称の変更を打診され、5月から「シャローム大学校」として周知していくことになった。

特別支援が必要な人のための学びの場、として学生への配慮を前提にしつつ「大学教育」水準の「教授」「研究」「社会貢献」を目指すために、「法定外」を明記しつつ「大学」を名乗ってきたが、厳密にいえば「大学」とは学校教育法に基づき文部科学省が認可した機関でなければならず、文科省は我々が取り組んでいる障がい者のための教育の必要性は十分理解し評価した上で、「大学表記を避けてほしい」との意向だった。

それは積極的な意味であらたな「学びの場」を文科省と創意工夫のもとに発展できる機会と考えている。 記事全文>>

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品格はいる?いらない?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第145回

6月 14日 2019年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住21年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

我ながら年を取ったものだと思う。年配の人たちは若い人たちに向かって「今時の若者たちは……」と言うのは、いつの時代も変わらないことなのだろう。私だって若い時はそうしたことをさんざん言われてきた。しかし今この年を迎えると、思わずそう言いたくなる自分がそこにいる。

① 電車に乗る際に我先に座席の確保に走る若い人

② エレベーターの真ん中に立ち、乗ってくる人の邪魔をする人

③ 混雑する電車内で子供も乗っていないベビーカーを平気で広げたままにしている親

④ レストランで子供が駆け回っていても注意しない若い親

⑤ 静かな喫茶店内で音漏れするイヤホンを聞いていたり、大声で電話をかけたりする若者たち

こうした光景を見ると、ついつい腹を立てている自分に気づく。年を取るとこらえ性がなくなるようである。 記事全文>>

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