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高関税から防衛負担へ
米との「対等な関係」は可能か
『山田厚史の地球は丸くない』第292回

7月 11日 2025年 国際, 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「べらぼうな高関税」の一方的な押し付けが行き詰まり、姿を現したのは「身勝手な防衛費増額」だった。

トランプ米大統領は7月8日、韓国に駐留する米軍への韓国側の負担が少なすぎると不満を述べ、「増額する必要がある」と主張した。言い分の趣旨は、以下のようなものだ。

米軍の駐留などで我々は韓国の発展に貢献しているが、韓国は費用をほとんど払っていない。駐留経費の負担増は第一次政権の時、韓国政府と協議していたが2020年の大統領選で敗れ、協議は完結しなかった。その後のバイデン政権は増額交渉を怠った。政権に復帰したからには、韓国に適正な駐留経費を負担してもらう――。 記事全文>>

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Google Gemini実況中継(その1)
「帝国」の逆襲
『みんなで機械学習』第66回

7月 09日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆「Google帝国」の逆襲

前稿第65回(「IBMクラウド実況中継(その3) 生成AIがバカすぎて」https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-148/#more-22431 )は「新たなデータの世界を探索するデータAIが、データ文明の入り口になるのか、生成AIが近代文明の言語資産を消費し尽くして衰退するのか、近未来への岐路は論理的ではなく、少なくとも4次元以上の高次元空間の想像力で、多数の入り口と出口を発見して冒険する必要がありそうだ」と結んだ。

生成AI(人工知能)の能力が急速に進化していて、人間を超えるASI(人工超知能)の出現が目前であることは、ソフトバンクの孫正義社長に教えていただかなくても「みんなの」実感に近い。前職で、創薬における技術革新を担当していた時に、自社の研究者や経営者にインタビューして、未来予測のありかたを考えたことがある。技術革新の方向性については、「みんなの」予想がほぼ一致していた。技術革新が実現する時期は、おおむねオプティミスティックだった。文化的に背景が異なる東洋医学などの未知技術については、「みんなの」予感は、まさにジョーカー(期待されない切札)でしかなかった。 記事全文>>

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トランプ政権の関税・通商政策を考える
「理念なきディール」のもとで同盟関係はどこまで保てるのか
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第89回

7月 07日 2025年 国際, 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

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オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

米国トランプ大統領の奔放な発言に目を奪われがちだが、同政権の関税・通商政策は「場当たり的」ではなく、用意周到に進められてきた。

経済学の観点からは反論の余地が大きいが、もともと「MAGA(Make America Great Again)」を掲げ、通商・関税政策と防衛・軍事政策を一体で進めているだけに、いかなる反論も同じ土俵上での議論になりにくい。むしろ下手な反論は、「脅しで突き返されるだけ」との諦観も漂う。 記事全文>>

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風雲急を告げるタイの政治情勢
ペートンタン首相に職務停止命令
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第295回

7月 04日 2025年 国際

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

タイの憲法裁判所は7月1日、カンボジアとの国境紛争をめぐり上院議員から訴追されていたペートンタン首相の解職請求を受理。あわせて首相の職務一時停止を命令した。これによりペートンタン首相の解職を審議する裁判が始まる。ペートンタン首相の父親であるタクシン・シナワット元首相が自ら指揮していたタイ貢献党(以下貢献党)政権に大きな試練が訪れている。どうしてこのような事態になってしまったか。危機状況に陥ったタイの政治情勢とその背景を解説する。(7月3日現在) 記事全文>>

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内部留保について考える
その2 内部留保から見た日本企業の「変化」
『視点を磨き、視野を広げる』第82回

7月 02日 2025年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

「法人企業統計調査」(*注1)のデータ(金融・保険業以外の業種)をもとに、内部留保(利益剰余金)の視点から企業活動の変化を捉えたい。

「その1」として前稿では――2010年代以降、企業利益は大幅に増大し、それを背景に内部留保が急速に積み上がっていること。その結果、企業規模を問わず自己資本比率の向上が見られ、企業の財務基盤が強化されていること。一方で内部留保をため込みすぎだという批判もあること――を書いた。後述するように、日本企業は他の点においても変化しているので、「企業の収益力向上」を「変化(1)」とする。

本稿では「その2」として、内部留保の活用という視点から、「(純資産の部に計上された)内部留保は、(資産の部において)何に形を変えているか」について考える。 記事全文>>

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トランプについていくのか?
日本外交におとずれた転機
『山田厚史の地球は丸くない』第291回

6月 27日 2025年 国際, 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「戦争にもルールがある」と言われるが、ルールは、強い国が勝手に決める。そう言わんばかりの武力行使を公然と見せつけたのが、アメリカのイラン攻撃だ。

武力介入によって、ひとまず停戦となったが、状況は予断を許さない。紛争再燃の恐れだけではない。イスラエルとアメリカは国際社会が積み上げてきた秩序や慣行を無惨に破壊した。主要国は「暴力による決着」に黙認し、あるいは称賛するという異様な空気が世界に充満している。 記事全文>>

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夏越の大祓と茅の輪くぐり
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第20回

6月 26日 2025年 国際, 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

一年のうちで日照時間が最も長くなる夏至(今年は6月21日)が過ぎて、今年もまもなく折り返し。私が住む街のお宮さんでも、30日に行われる「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」の神事を控え、夏至の日から境内に「茅の輪(ちのわ)」が設けられている。

今年前半の罪や穢(けが)れを清めて災厄(さいやく)を払い、今年後半もまた無事に過ごせるように、と祈りながら毎朝夜明け前、茅(ちがや)というイネ科の植物で編んだ直径1.8メートルほどの輪を左回り→右回り→左回りの順で計3回またいでくぐり、本殿にお参りする。

午前3時半すぎの境内は人気(ひとけ)がなく文字通り神聖で、家族一人ひとりの顔を思い起こしながら柏手を打つと心が落ち着く。コロナ下の在宅勤務をきっかけに始めた夜明け前ウォーキング。その途中のお参りはいまや生活の一部になった。定年退職後の日々の生活は極めて単調だが、So far, so good.  心身ともにまずまず順調で、ストレス皆無の生活にいまだに思わずひとりほくそ笑むことさえあり、飽きはまったく感じない。 記事全文>>

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IBMクラウド実況中継(その3)生成AIがバカすぎて
『みんなで機械学習』第65回

6月 25日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆生成AIがバカすぎて

過去記事(『みんなで機械学習』第59回、https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-142/)を引用する。「『店長がバカすぎて』(早見和真、角川春樹事務所、2019年)は、書店を舞台とする大衆小説だ。小説の劇中劇を巧(たく)みに構築して、社長がバカすぎてから、自分自身がバカすぎてまで、スケーリング則により、小説の作者も含めて、みんながバカすぎる生活を、愛と希望で描いている。大統領がバカすぎてでも、裁判長がバカすぎてでも、スケーリング則は普遍的に成立する」……と訳のわからない文章を書いた。生成AI(人工知能)も、バカすぎるぐらいがちょうど良いのかもしれない。生成AIの劇中劇は興味深い。 記事全文>>

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コメ不足ニッポン その現状と外国との比較(下)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第294回

6月 20日 2025年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

前回第293回に引き続き、バンコック銀行日系企業部の佐藤功哉(こうや)さんが作成したレポートの後半を紹介する。今回は諸外国(中国、インド、ブラジル、アメリカ、フランス)と日本の農業動向の現状と、前回も含めたレポート全体のまとめである。 記事全文>>

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SNS・ブログ・動画各クリエーターは注意!!
【著作物の写り込み】と著作権の法律問題
『企業法務弁護士による最先端法律事情』第20回

6月 16日 2025年 社会

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北川祥一(きたがわ・しょういち)

北川綜合法律事務所代表弁護士。弁護士登録後、中国・アジア国際法務分野を専門的に取り扱う法律事務所(当時名称:曾我・瓜生・糸賀法律事務所)に勤務し、大手企業クライアントを中心とした多くの国際企業法務案件を取り扱う。その後独立し現事務所を開業。アジア地域の国際ビジネス案件対応を強みの一つとし、国内企業法務、法律顧問業務及び一般民事案件などを幅広くサポート。また、デジタル遺産、デジタルマーケティング等を含めたIT関連法務分野にも注力している。著書に『Q&Aデジタルマーケティングの法律実務』(日本加除出版、2021年)、『デジタル遺産の法律実務Q&A』(日本加除出版、2020年)、『即実践!! 電子契約』(共著、日本加除出版、2020年)、『デジタル法務の実務Q&A』(共著、日本加除出版、2018年)。講演として「IT時代の紛争管理・労務管理と予防」(2017年)、「デジタル遺産と関連法律実務」(2021年、2022年、2024年、2025年)などがある。

1.写真や動画に写り込んだ著作物の法律問題

動画制作、SNS・ブログ記事作成において写真や動画を撮影した際、背景に意図せず、あるいはどうしても排除することができずに、キャラクターなどが描かれているポスター、洋服などが写り込んでしまうことがあります。
各クリエーターの方々においても、何となく「大丈夫なのかなあ?」などと気になっていることも多いと思います。また、事実上何も請求されていないからいいやと検討をやめてしまっていることもあるのではないでしょうか?
今回はその、気になる著作権の問題について解説します。 記事全文>>

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