山本謙三(やまもと・けんぞう)
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。
前回のコラムで、日本は、電子マネーが銀行発行のデビットカードを凌駕(りょうが)する唯一の国であることを書いた(https://www.newsyataimura.com/yamamoto/#more-8124)。
たしかに、電子マネーに代表される非銀行系のキャッシュレスは、利用者(消費者)にとって「お得感」が強い。ポイントもクーポンもつく。だが、キャッシュレスをめぐる費用・便益の構造は複雑だ。インプリシットな(暗黙の)負担もある。利用者は、本当にコスト負担なしに便益を享受しているのだろうか。
◆キャッシュレスにはコストがかかる
キャッシュレスの実現には、おおまかにいって、ニつのシステムが必要となる。第1は、利用者と店舗(加盟店)間のインターフェースだ。第2は、利用者の預金口座から店舗の預金口座に資金を振り替える仕組み(決済手段)である。
最近の焦点は、もっぱらインターフェースの革新に当たる。スマホやQRコードなどの技術革新をとりこみ、利便性を高めることで利用者を増やす狙いがある。
だが、簡便な手段とはいえ、新たなインターフェースの構築には費用がかかる。資金を振り替える仕組みへの接続も必要だ。セキュリティーの強化も欠かせない。このコストを誰が負担するかは、ビジネスモデルを決める重大な要素となる。 記事全文>>

法定外シャローム大学学長、一般財団法人福祉教育支援協会専務理事・上席研究員(就労移行支援事業所シャロームネットワーク統括・ケアメディア推進プロジェクト代表)。コミュニケーション基礎研究会代表。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般社団法人日本不動産仲裁機構上席研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住21年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
オーストラリアおよび香港で中国ファームの経営執行役を含め30年近く大手国際会計事務所のパートナーを務めた。現在は中国・深圳の会計事務所の顧問などを務めている。オーストラリア勅許会計士。









