п»ї 破綻した欧米の人間中心主義と政府のAI戦略 『WHAT^』第16回 | ニュース屋台村

破綻した欧米の人間中心主義と政府のAI戦略
『WHAT^』第16回

4月 11日 2019年 文化

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(E.フッサール、1954年、翻訳木田元、中央公論社、1974年)の第一部「ヨーロッパ的人間の根本的な生活危機の表現としての学問の危機」、なんという鮮烈なタイトルだろうか。ナチスドイツに迫害されたユダヤ人哲学者は、ヨーロッパ的人間の生活危機を見抜いていた。21世紀において、生活危機はAI(人工知能)により加速され、人間中心主義は破綻(はたん)した。おそらく、現在の大学教授の99%はこの本を読んでいない。現在の大学教授が「根本的な生活危機の表現」を行えば、失業する。失業者、移民、難民は「ヨーロッパ的人間の根本的な生活危機の表現」であるし、第2次世界大戦の軍事は非人間的で、21世紀の軍事は究極のAI兵器へと向かっている。

ダーウィンの淘汰による進化や、マルクスの階級闘争の歴史は、地球上の50%以上の生命である(と筆者は信じている)ウイルスを知る前の学問だ。内閣府の人工知能技術戦略会議では、すでに破綻したヨーロッパ的人間中心主義を「人間中心のAI社会原則」に読み替えている。フッサールの難解な本を読み直す必要はない。「生活危機の表現」を直視して、ウイルスの生活環における生存戦略を学ぼう。それは「学問の危機」よりも根本的な、「表現の危機」に活路を見い出してくれるだろう。

PS: 図書館には素晴らしい本が限りなくある。自分の本棚は検索できない。この本も自分の本棚のどこかにあるはずなのだが……。

WHAT^(ホワット・ハットと読んでください)は何か気になることを、気の向くままに、写真と文章にしてみます。それは事件ではなく、生活することを、ささやかなニュースにする試み。

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