古川弘介(ふるかわ・こうすけ)
海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
◆はじめに
日本の財政赤字は慢性化し、債務残高対GDP(国内総生産)比は2倍を超えて先進国中最悪の状態である。にもかかわらず、財政破綻(はたん)の兆しはなく、長期金利の高騰も見られないのは「謎」であると言われて久しい。
標準経済学は「謎」に対する納得のいく答えを出せていない。一方、「謎」は存在しないと言うのは、MMT(現代貨幣理論)である。MMTは「自国通貨建て国債はどれだけ発行してもデフォルト(債務不履行)の心配はない」と主張する。そして、標準経済学の「貨幣は商品から生まれた」とする貨幣観(商品貨幣説)を、貨幣の起源は債権・債務関係にある(信用貨幣説)として批判する。
経済学は、学派に分かれている。ここでいう標準経済学(主流派経済学)は新古典派経済学を指す。対抗するのがケインズ経済学(非主流派経済学)である。新古典派とケインズ経済学は、貨幣観が異なる。なお、MMT派はケインズ経済学の一学派(ポスト・ケインジアン左派)である。 記事全文>>










