引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、みんなの大学校学長、博士(新聞学)。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
◆手のひらからの言葉
埼玉県郊外の静かな住宅街で私はその学生に初めて対面した。オンラインでは何人かの参加者の一人として画面越しでの関係性は始まっていたが、直接会うのは心が躍る。
その感動にひたりながら、私は言葉と表情でその心の高鳴りを伝え、彼は自宅のベッドの上で管をつながれたからだの目のまばたきと、微動する指で母親の手のひらに「言葉」を伝え、母親が言葉にして私に伝えた。
特別支援学校高等部を3月に卒業する彼に、今後一緒に「みんなの大学校」で学ぶかの問いかけに、彼は母親の手のひらからこう言葉を発した。
「先生には勇気がありますか?」。
重度障がい者に向けて「学び」を一緒という思いで対話してきた中で、初めて私に求められた「勇気」に心が震えた。「一緒に」と呼びかけながら、彼・彼女らが勇気を持って挑んだ学びには「勇気」があった。その発見に、私は彼に「もちろんあるよ」と言いながら、その行動の在り方を考えている。 記事全文>>

株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニングのビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。








