1 2 3 4 93

国民と日銀の物価感はなぜこうもズレるのか(その1)
「基調的な物価上昇率」のワナ:基調はすでに3%
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第85回

4月 09日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

山本謙三(やまもと・けんぞう)

o
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

国民と日本銀行の物価感が著しくズレてしまった。

日銀は「基調的な物価上昇率」という概念を用い、これが「まだ2%を幾分下回っている」として慎重な利上げ方針を維持してきた。

一方、国民が日々の生活で直面する物価の上昇率(消費者物価総合)は、前年比3%前後に達している。しかも3年近く続いてきた(参考1参照)。これを「基調」と呼ばずして「何が基調なのか」というのが国民の実感だろう。

いま、政府は強力な物価対策を検討中と伝えられる。しかし、物価全般の高騰である以上、物価への対処は中央銀行の責務だ。当の日銀は、物価の高騰継続をむしろ望んでいるようにすら見えるが、どう理解すればよいだろうか。 記事全文>>

One response so far

水素エネルギーの世界動向と日本の戦略(下)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第288回

3月 28日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

4 各国の水素導入への取り組み

-1 水素の色分け

8 水素の製造方法別色分け

記事全文>>

コメント

財政法はなぜ厳格な財政規律を求めているのか
昭和7年からの教訓とは
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第84回

3月 17日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

山本謙三(やまもと・けんぞう)

o
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

最近、財務省を悪者視する書籍や動画が目立つ。国民に寄り添う施策を提案する政治家や評論家に対して、あたかも財政規律を振りかざし抵抗する財務官僚のイメージである。

だが、厳格な財政規律を求めているのは財政法である。もし「財政規律を求めるのは不適当」とするのであれば、責任は法律を定めた国会にある。

財政法は今も厳格な財政規律を求めている。だが、近年、その形骸化が著しい。財政法では発行が認められず、別の法律(特例公債法)を根拠に発行される赤字国債の残高は、いまや800兆円を超えようとしている(2024年度末見込み)。 記事全文>>

コメント

水素エネルギーの世界動向と日本の戦略(上)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第287回

3月 14日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

夏は灼(しゃく)熱の地獄と豪雨、冬はドカ雪に見舞われ、すっかり気候の変わってしまった日本。脱炭素による気候変動への対応が急務だと考え始めている人も増えてきた気がする。一方で、米国のトランプ大統領の登場で、脱炭素の動きもどうなるか予測不能である。しかしこのまま何もしなければ人類の生きる場所は無くなってしまうかもしれない。

脱炭素化を推進する上で一つの大きな手掛かりは水素にあるかもしれない――こう言われて既に30年以上の時が経つ。夢のエネルギー源である水素の活用にはどのような壁があるのだろうか? 今回はバンコック銀行日系企業部の藤本理生(りき)さんが書いたレポートを2回に分けて紹介する。土地が狭く資源に恵まれない日本にとって「水素エネルギー」は大逆転を生む起死回生の資源になるかもしれない。このレポートが新たな展開が生まれるヒントになれば幸いである。 記事全文>>

One response so far

日本の医療機器の実力は?(その3・完)
CT市場・まとめ
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第286回

2月 28日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

  • CT

5-1 CTの概要

13:CTの概要
記事全文>>

コメント

半導体産業の復活はあるのか
その4 半導体前工程装置産業のシェア低下
『視点を磨き、視野を広げる』第80回

2月 26日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

本稿は、半導体の前工程装置産業の日本のシェアが低下しているという湯之上隆(微細化研究所所長)の問題提起について考える。湯之上の講義(巻末参照)と著書『半導体有事』(以下本書)を参考にしている。

日本の半導体生産は、世界一の座から凋落(ちょうらく)して久しい。一方、装置産業は材料産業と並んで世界トップクラスの競争力を維持しており、日本半導体復活の切り札になるという期待がある。しかし湯之上は、日本の前工程装置産業の世界シェアが低下していることを指摘する。それもほぼ全ての装置でシェア低下が見られるという。対策をとらないと、半導体産業と同じ道を歩むことになると懸念するのである。 記事全文>>

コメント

日本の医療機器の実力は?(その2)
エコー・MRI市場
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第285回

2月 14日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

3.エコー(超音波診断装置)

3-1 エコーの概要

・エコーは、プローブ(探触子)と呼ばれる装置を人体に直接当てて超音波を送信し、体内から反射した超音波情報を受信、解析し画像化する医療機器である

・超音波の送受信を連続で行うことで、リアルタイムでの動きを観察することができる

・またMRI、CTと連携し、より正確な診断をサポートするためにも使用される

・体外式エコーは、圧電素子方式とCMUT方式の2つが商用化されている 記事全文>>

コメント

増える人財の国外流出、続く国外からの人口流入
円安下の人口移動
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第83回

2月 10日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

山本謙三(やまもと・けんぞう)

o
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

日本のグローバル企業の間で、海外派遣管理職の給与の割り負けが話題となっている。対欧米のみならず、最近はアジアの一部諸国に対しても、派遣職員の給与が現地比割り負けし始めたという。

派遣者には、日本の給与体系を適用する例が多い。足元の為替レートを適用して送金すると、現地の管理職者の給与水準に負けてしまう。企業は様々な工夫で均衡を図ろうとするが、退職者も増えている様子だ。 記事全文>>

コメント

なんで今? 石破・トランプ会談
「朝貢外交」もう終わりに
『山田厚史の地球は丸くない』第281回

2月 07日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

石破首相は2月6日夜、トランプ大統領との日米首脳会談に臨むため、政府専用機でワシントンへ向かった。権力を握った2人が「初顔合わせ」する。当然の成り行きのように見えるが、急ぐ必要はあるだろうか。

アメリカは今、「トランプ旋風」が吹き荒れ、「予測不能」の大混乱が起きている。外交方針も定かでない。なぜ日本は暴風雨の中に飛び込んでゆくのか。

トランプのアメリカは、かつてのアメリカではない。どこに向かうのか、しばし様子を見た上で、対米外交の指針を定める。会うのはそれからでいい。 記事全文>>

コメント

日本の医療機器の実力は?(その1)
世界市場を概観する
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第284回

1月 31日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私は10年以上にわたって、この「ニュース屋台村」で「日本の衰退を回避するための提言」を行ってきた。極端な金融緩和に走ったアベノミクスや利権政治家・官僚・経済界が先導した放漫財政、官僚主義に染まった企業幹部の台頭によるコンプライアンス社会の出現と硬直的な人事制度の導入、SNSを介在したフェイクニュースの横行と既成マスコミの堕落などである。金融緩和も放漫財政も日本の経済再生に寄与せず結果として「失われた30年」が現出してしまった。最近になりマスコミでも日本の凋落(ちょうらく)を取り上げるようになったが、具体的な日本再生のアイデアは出てこない。自民党からも野党からも日本をどう導くかの政策は語られない。 記事全文>>

2 responses so far

1 2 3 4 93