山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
国際社会は、20世紀に起きた2つの大きな戦争を教訓に「お互いやってはならないこと」を決めた。
それぞれの国が「主権」を尊重し合い、一方的に攻め込む「侵略」や、力を背景に統治を歪(ゆが)める「内政干渉」はしてはならない。それが国際ルールとされてきた。2026年は、この国際常識が消し飛んだ年となった。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
国際社会は、20世紀に起きた2つの大きな戦争を教訓に「お互いやってはならないこと」を決めた。
それぞれの国が「主権」を尊重し合い、一方的に攻め込む「侵略」や、力を背景に統治を歪(ゆが)める「内政干渉」はしてはならない。それが国際ルールとされてきた。2026年は、この国際常識が消し飛んだ年となった。 記事全文>>
元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は5年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。
◆年金生活者の日常に戻る
オーストラリアから帰国して12月に入ると、バンコクに駐在する長男夫婦が一時帰国した。長男は久々に高校や大学時代の友人らと会っていたので自宅に戻ってくるのは連日ほとんど日付が変わってから。日によっては長男の妻の実家に泊まることもあって、われわれ夫婦と長男夫婦の4人が顔をそろえることはなく、ようやくそろったのは長男がバンコクに戻る前日の昼だった。
待ち合わせたのは、JR日暮里駅。長男の妻の発案で、谷中(やなか=台東区)で昼ご飯を食べることにした。谷中は東京の下町の中でも特に昭和の面影が色濃く残るエリアで、私が好きな作家・吉村昭のエッセーにもしばしば登場し、かつてはエッセーの舞台となった場所をなぞるように歩いたことがある。 記事全文>>

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
今回の米国出張にあたり、多くの友人から「アメリカは危険だから行かない方がいい」と忠告を受けた。日本のメディアは、ワシントンDCでの政府職員解雇反対のデモやロサンゼルス市内の暴動の映像を頻繁に流していた。米国では反トランプの運動が大きなうねりを見せ、国内では政治的分断が進んでいる――私はなんとなくこんな印象を持っていた。
私だって好き好んで危険な場所に身を置くことはしない。それでも「アメリカの危機がどこまで進んでいるのか?」この目で見てこないと信じられない。滞在地の宿泊場所の選定にあたっては、インターネットや米国に最近まで住んでいた友人の情報を頼りに万全を期した。ニューヨークではマンハッタンのミッドタウンの東側、ロサンゼルスではビバリーヒルズ、サンフランシスコはユニオンスクエア周辺のホテルを選んだ。ロサンゼルス勤務時代の1992年に大規模な暴動を目の当たりにした私は、暴動の恐ろしさを嫌というほど知らされている。この時は黒人と白人、黒人と韓国人が衝突して63人が死亡、逮捕者1万人、3600件の火災が発生しロサンゼルス市内は火の海と化した。今回の渡米も最悪を想定して準備を進めた。 記事全文>>
元新聞記者。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。
◆ジャカランダの木の下で
シドニーの街に本格的な春の到来を告げるジャカランダの紫色の花がいま(11月初め)、満開の時期を迎えている。私たちが9月半ばに来た時にはまだ、シドニーの市花に指定されているこの花の開花はまばらで花びらの紫色は薄く見えたが、1か月が過ぎると街の中心部でも郊外でも、特に青空にまばゆく映える濃い紫色のラッパ状の花を公園や庭先、街路樹などいたるところで見ることができる。
ちょうど日本のソメイヨシノのような存在だが、日本の国花が短命なのに対し、シドニーのジャカランダはこれから夏の初めの12月初旬ごろまで楽しめる。南米原産というが、シドニーの街や公園を美しく紫色に染め上げるこの花はこの時期のシドニーを彩るのに欠くことのできない存在で、その木の下を歩いているとなんとも幸せで、すがすがしい気分になる。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
あのシーン、みなさんはどうご覧になっただろうか。満面の笑みでトランプ大統領に寄り添い、大勢の米軍兵を前に飛び跳ねながら手を振る高市早苗首相。「日米黄金時代」を謳(うた)い、大統領と個人的信頼関係を築けるか、が問われていた首相は、緊張して首脳会談に臨んだのだろう。会談を終えて、原子力空母「ジョージ・ワシントン」に場所を変え、米軍兵士の歓待を受けた。高市首相は「日本の歴史に残る女性首相」と紹介され、緊張の糸が切れたかのように舞い上がった。
大統領の腕にぶら下がるようなツーショットは、「トランプおじさま」と「サナエちゃん」といった風情だが、それは「日米同盟の現実」を映しているのかもしれない。毎日新聞の社説(10月29日付)は「対米迎合が先走る危うさ」と警鐘を発した。 記事全文>>

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
2025年8月末から3週間にわたって私は米国のニューヨーク、ボストン、オースティン(テキサス州)、ロサンゼルス、サンフランシスコの計5都市を訪問した。実に30年ぶりの訪米である。私は1980~81年、87~94年の計2回通算9年半の米国での勤務経験がある。米国は私にとって日本、タイに次いで3番目に長く住んだ国だ。しかし米国は今やすっかり遠い国になってしまった。30年も訪問していなければ何も知らないのと同じこと。現在の米国を少しでも理解したいと思い、出張したのだった。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
トランプ米大統領の足元で、新たな変化が始まっている。11月4日に投票されるニューヨーク市長選で、民主党候補が勝ちそうだ。「民主社会主義者」を自認する33歳のゾーラン・マムダニ氏。来年の中間選挙への流れが、変わるかもしれない。
マムダニ氏はアフリカのウガンダ出身、インド系の家族と共に7歳でアメリカに渡ったイスラム教の移民である。白人第一、移民を蔑(さげす)み、イスラムを警戒する「トランプ的価値観」の対極にある人物。そんな若者が、既存の政治家を引き離し、アメリカ最大都市のリーダーに躍り出ようとしている。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
今度は「極左摘発」だという。
トランプ支持を若者に訴えていた右翼活動家チャーリー・カーク氏(31)が凶弾に倒れた。容疑者は逮捕されたが、動機や思想背景など解明はこれからだ。ところがトランプ大統領は「犯人は極左思想」と決めつけ、SNSに「死刑だ」と発信した。断片的情報だけで「リンチにかけろ」と言わんばかりである。ネットにはさまざまな感想・見解が交錯するが、容疑者に同調するような書き込みは通報され、職場を解雇されるなど、1950年代のマッカーシズムを思い出させる「思想攻撃」が始まっている。
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
イスラエルはガザを制圧し、住民すべてを追い出そうというのか。
容赦ない空爆、瓦礫(がれき)の山から運び出される犠牲者、飢餓にさらされる子供たち、食料配給に群がる人々。地球の裏側にいながら、ガザの悲劇を私たちは冷房が効いた茶の間で見ている。「ひどいなあ」「何とかならないものか」と同情しながらも、怒りは日常の中で消えていく。
悲惨な現実を撮っている人は、どんな日々を送っているのか。思いを巡らす人は決して多くはない。私も、テレビ画面に映し出されるガザの現実を、ニュースの一つの項目として眺めていた。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
急転直下、合意した日米関税協議。 米国側の発表で、両国の合意事項に「数十億ドルの防衛装備を日本は毎年、追加発注する」との項目があることが分かった。この協議は、やはり「防衛費をGDP(国内総生産)の3.5%」という軍拡を引き出す対日圧力の一環だった。
トランプ大統領が仕掛けた「高関税政策」で世界が沸きたっていた7月1日、ワシントンで日米の外務・防衛相による日米安全保障協議委員会(通称2プラス2会合)が開かれる予定だった。米国はルビオ国務長官とヘグセス国防長官、日本から岩屋外相と中谷防衛相が出席することになっていた。ところが、会合は突然のキャンセルとなった。
「中止」を報じたのは英紙フィナンシャル・タイムズだった。「アメリカ側が事前に『日本の防衛費をGDP比で3.5%に増額する要請を行う』と非公式に通告したことで、日本が反発し、会合は開かれないことになった」という趣旨の記事だ(6月20日付)。 記事全文>>