Archive for: 6月, 2025

トランプについていくのか?
日本外交におとずれた転機
『山田厚史の地球は丸くない』第291回

6月 27日 2025年 国際, 政治

LINEで送る
Pocket

山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「戦争にもルールがある」と言われるが、ルールは、強い国が勝手に決める。そう言わんばかりの武力行使を公然と見せつけたのが、アメリカのイラン攻撃だ。

武力介入によって、ひとまず停戦となったが、状況は予断を許さない。紛争再燃の恐れだけではない。イスラエルとアメリカは国際社会が積み上げてきた秩序や慣行を無惨に破壊した。主要国は「暴力による決着」に黙認し、あるいは称賛するという異様な空気が世界に充満している。 記事全文>>

コメント

夏越の大祓と茅の輪くぐり
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第20回

6月 26日 2025年 国際, 社会

LINEで送る
Pocket

元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

一年のうちで日照時間が最も長くなる夏至(今年は6月21日)が過ぎて、今年もまもなく折り返し。私が住む街のお宮さんでも、30日に行われる「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」の神事を控え、夏至の日から境内に「茅の輪(ちのわ)」が設けられている。

今年前半の罪や穢(けが)れを清めて災厄(さいやく)を払い、今年後半もまた無事に過ごせるように、と祈りながら毎朝夜明け前、茅(ちがや)というイネ科の植物で編んだ直径1.8メートルほどの輪を左回り→右回り→左回りの順で計3回またいでくぐり、本殿にお参りする。

午前3時半すぎの境内は人気(ひとけ)がなく文字通り神聖で、家族一人ひとりの顔を思い起こしながら柏手を打つと心が落ち着く。コロナ下の在宅勤務をきっかけに始めた夜明け前ウォーキング。その途中のお参りはいまや生活の一部になった。定年退職後の日々の生活は極めて単調だが、So far, so good.  心身ともにまずまず順調で、ストレス皆無の生活にいまだに思わずひとりほくそ笑むことさえあり、飽きはまったく感じない。 記事全文>>

コメント

IBMクラウド実況中継(その3)生成AIがバカすぎて
『みんなで機械学習』第65回

6月 25日 2025年 社会

LINEで送る
Pocket

山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o
株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆生成AIがバカすぎて

過去記事(『みんなで機械学習』第59回、https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-142/)を引用する。「『店長がバカすぎて』(早見和真、角川春樹事務所、2019年)は、書店を舞台とする大衆小説だ。小説の劇中劇を巧(たく)みに構築して、社長がバカすぎてから、自分自身がバカすぎてまで、スケーリング則により、小説の作者も含めて、みんながバカすぎる生活を、愛と希望で描いている。大統領がバカすぎてでも、裁判長がバカすぎてでも、スケーリング則は普遍的に成立する」……と訳のわからない文章を書いた。生成AI(人工知能)も、バカすぎるぐらいがちょうど良いのかもしれない。生成AIの劇中劇は興味深い。 記事全文>>

コメント

コメ不足ニッポン その現状と外国との比較(下)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第294回

6月 20日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

前回第293回に引き続き、バンコック銀行日系企業部の佐藤功哉(こうや)さんが作成したレポートの後半を紹介する。今回は諸外国(中国、インド、ブラジル、アメリカ、フランス)と日本の農業動向の現状と、前回も含めたレポート全体のまとめである。 記事全文>>

コメント

SNS・ブログ・動画各クリエーターは注意!!
【著作物の写り込み】と著作権の法律問題
『企業法務弁護士による最先端法律事情』第20回

6月 16日 2025年 社会

LINEで送る
Pocket

北川祥一(きたがわ・しょういち)

北川綜合法律事務所代表弁護士。弁護士登録後、中国・アジア国際法務分野を専門的に取り扱う法律事務所(当時名称:曾我・瓜生・糸賀法律事務所)に勤務し、大手企業クライアントを中心とした多くの国際企業法務案件を取り扱う。その後独立し現事務所を開業。アジア地域の国際ビジネス案件対応を強みの一つとし、国内企業法務、法律顧問業務及び一般民事案件などを幅広くサポート。また、デジタル遺産、デジタルマーケティング等を含めたIT関連法務分野にも注力している。著書に『Q&Aデジタルマーケティングの法律実務』(日本加除出版、2021年)、『デジタル遺産の法律実務Q&A』(日本加除出版、2020年)、『即実践!! 電子契約』(共著、日本加除出版、2020年)、『デジタル法務の実務Q&A』(共著、日本加除出版、2018年)。講演として「IT時代の紛争管理・労務管理と予防」(2017年)、「デジタル遺産と関連法律実務」(2021年、2022年、2024年、2025年)などがある。

1.写真や動画に写り込んだ著作物の法律問題

動画制作、SNS・ブログ記事作成において写真や動画を撮影した際、背景に意図せず、あるいはどうしても排除することができずに、キャラクターなどが描かれているポスター、洋服などが写り込んでしまうことがあります。
各クリエーターの方々においても、何となく「大丈夫なのかなあ?」などと気になっていることも多いと思います。また、事実上何も請求されていないからいいやと検討をやめてしまっていることもあるのではないでしょうか?
今回はその、気になる著作権の問題について解説します。 記事全文>>

コメント

放送局の企業体質 私の体験的感想(下)
『山田厚史の地球は丸くない』第290回

6月 13日 2025年 社会

LINEで送る
Pocket

山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

入社した1971年は、M放送にとってテレビ開局30年の節目だった。10月には数々のイベントが予定され、制作の現場では「特別番組」の企画が進んでいた。私も「アシスタントディレクター」として、特番チームの末端に加わった。

テレビ業界で「アシスタントディレクター」は、「エー・ディー(AD)」と呼ばれ、タレントの送迎、飲食の手配から小道具の手配、カンペ(看板ペーパー=タレントやアナウンサーの発言表示)出し、など「制作現場の下働き」を一手に引き受ける。ほとんどは下請けの制作会社の人たちで、「奴隷労働」などと呼ばれていた。そんな中に若手の正社員は別格の「ディレクター見習い」として参加し、経費計算など担当する。 記事全文>>

コメント

「長期国債の買い入れ減額の中間評価」を考える(その2完)
新発国債の発行圧縮が減額実現のカギを握る
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第88回

6月 11日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

山本謙三(やまもと・けんぞう)

o
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

日本銀行は、6月16、17日の金融政策決定会合で、2025年度以降の長期国債買い入れの減額計画を更新する。昨年7月、24、25年度の買い入れ減額計画を公表した際に、1年後に中間評価を行うとしていたものだ。

前回第87回の試算では、少なくとも年間40兆円程度の残高圧縮ペースを維持するのが適当との結果になった。本稿では、このペースでの圧縮を続ける場合、日銀が直面する困難と課題を考えてみたい。 記事全文>>

コメント

IBMクラウド実況中継(その2)
『みんなで機械学習』第64回

6月 09日 2025年 社会

LINEで送る
Pocket

山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o
株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

IBMクラウドの概要

前回の「IBMクラウド実況中継(その1)」(『みんなで機械学習』第63回、https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-146/ )では、SPSS Modelerを早く使ってみたいと先を急いだので、IBMクラウドについては、ユーザー登録の実況中継だけで、肝心のIBMクラウドというサービスの全体像は説明していなかった。実際には、IBMクラウドのサービス内容が膨大であるため、現在でも全体像はよくわからない。現時点でIBM Cloudカタログには、264製品が登録されている。

IBMクラウドで提供される製品カテゴリー別では、計算(49)、コンテナー(13)、ネットワーキング(34)、ストレージ(27)、エンタープライズ・アプリケーション(10)、AI/機械学習(28)、分析(15)、データベース(18)、開発者ツール(18)、ロギングおよびモニタリング(5)、マイグレーション(21)、統合(14)、セキュリティー(33)、モバイル(5)で、合計290となる。製品カテゴリーには多少の重複がある。AI/機械学習カテゴリーの製品では、IBM社が17製品、IBM以外が11製品ある。 記事全文>>

コメント

コメ不足ニッポン その現状と外国との比較(上)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第293回

6月 06日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

米の価格上昇が止まらない。小泉進次郎農林水産大臣の就任によって備蓄米売却の随意契約が実施され、当面の間は安価な米が市場に出回るかもしれない。しかし90万トンしかない備蓄米が米価の低下にどの程度貢献するかは不透明な状況である。米価高騰の原因を「天候による米の一時的不作」や「一部業者による買い占め」のせいにする議論が目立つ。しかしこうした指摘は正しいのだろうか。世界の農業先進国と比較すると、明らかに日本の農業政策は異質である。米国や中国などの農業先進国が農業生産物を増やしている中で日本の農業生産量は近年低下を続けている。一方で、農薬使用量はこれら大国に比べて日本は多い。また、農業補助金のあり方も世界の潮流からは外れている。 記事全文>>

One response so far

「長期国債の買い入れ減額の中間評価」を考える(その1)
日銀は年40兆円の残高圧縮ペースの維持を
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第87回

6月 05日 2025年 経済

LINEで送る
Pocket

山本謙三(やまもと・けんぞう)

o
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

日本銀行は、6月16、17日の金融政策決定会合で、2025年度以降の長期国債買い入れの減額計画を更新する。昨年7月、24、25年度の買い入れ減額計画を発表した際、1年後に中間評価を行うとしていたものだ。

これまでの減額計画は、24年7~9月から26年1~3月までの間、買い入れ額を毎四半期4000億円ずつ減らすというものだった(参考1参照)。この計画にしたがえば、圧縮率は当初小さく、次第に高まる計算となる。 記事全文>>

One response so far