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重度障がいの「進路」を考える柔軟性から可能性を思考する 『ジャーナリスティックなやさしい未来』第257回

6月 14日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆制度が奪う側面も

特別支援学校高等部では3年生になると卒業後の「進路」を考え、進路指導や担当の教員とともに実習先を探し、実習し、「次の場所」を選び、進路を決定しなければならない。一般就労が難しい場合は就労移行支援という福祉サービスを使って一定の期間、就労の準備を行う場合もあるし、一般就労まで時間をかけてゆっくりやりたい、または一般就労を目指さなくても、目の前の仕事をコツコツすることで日々の生活を安定させたいのであれば就労継続支援B型事業所などの選択肢もある。

そして「就労」よりも日々の生きがいを感じながら過ごすには生活介護事業となるし、外出が困難な重度障がいの方には自宅への訪問での支援になるが、どうしてもつながる社会が狭くなってしまいがちだから、活動の幅は広がらない。結果的に「できない」ことをできるようにする可能性をそれらの支援の制度が奪っている面もある。 記事全文>>

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障がい者雇用でのパワハラ裁判から考える「合理的配慮とは何か」
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第256回

6月 07日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆「指導」は暴力

高次脳機能障がいと強迫性障がいがある岐阜県大垣市の女性が、障がい者雇用として働いていた特例子会社である名古屋市のウェブ制作会社からパワハラを受けたとして、会社側を「合理的配慮義務」違反として損害賠償を求めた裁判は今年3月、名古屋高裁において全面的に原告の主張を受け入れた和解内容で双方が合意し、成立した。

報告集会で、原告側の支援グループは、和解内容が障がい者雇用の現場や社会全体に浸透していく必要性を強調し、女性は「なぜみんなと同じことができない!」「特別扱いはしない」との発言で自分を追い詰めた会社側が主張する「指導」は「暴力であった」と振り返り、障がい者雇用で苦しんでいる人の助けになりたいと訴えた。 記事全文>>

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社会福祉士に「社会」を見る目、仕事を楽しくする取り組み
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第255回

5月 29日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆関わるのが楽しい

今年度から埼玉福祉保育医療製菓調理専門学校(さいたま市大宮区)の社会福祉士養成講座で「社会理論と社会システム」を講義することになった。社会福祉士の国家試験の合格を目標に、実務経験や4年制大学の卒業等が入学資格となっているため、学生は明確に福祉分野で働くためのスキルアップのためにその門を叩いている。

社会福祉士の受験資格を得るという目的の中で、私が担当する科目は社会学の基礎などを学ぶもので、この学校に限らず、社会福祉士を目指す方にとっては退屈ですこぶる評判が悪い科目のようだ。しかし、今回私が引き受けたのは、この科目、社会学を学ぶことで仕事の幅が広がり、支援が面白い。 記事全文>>

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SDDGsの取り組みに「誰ひとり取り残さない」ための方策
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第254回

5月 22日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆障がいに焦点

国連サミット加盟国の全会一致で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17項目は目標達成の期日である2030年まで残り7年となった。この目標には「誰ひとり取り残さない」とのキャッチフレーズが掲げられ、目標の中では「障がい者」を対象とした記述も少なくない。17の目標については小中学校で学ぶ機会は増えているようだが、社会での学びは十分とは言えないかもしれない。

働く人にとっても企業の向き合い方で、その認識は大きく変わる。個人的に意識していたとしても、具体的な取り組みには結びつける社会での「器」もない。誰もが自国だけでは生きられない中で、私たちが担う役割として、17の目標を位置づけたいとの考えの下、みんなの大学校でもその「学び」を社会で共有する計画を立てた。 記事全文>>

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「生きる」ことにつながる生涯学習という視点
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第253回

3月 27日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆4つの事業

文部科学省の2022年度「地域連携による障害者の生涯学習機会の拡大促進」事業で行われた「重度障害者の学習支援の展開と地域と指定管理業者による障害者の生涯学習の場づくりの研究事業」は最終報告会を行い、成果報告書を発表した。

最終報告会では、連携協議会委員やプログラムの参加者、参加した当事者の保護者から意見をいただき、それらを来年度の計画に盛り込み、さらに発展させていきたいとまとめた。今年度の文科省による「要支援者向けの生涯学習」の委託研究の取り組みは、以下の四つの柱で実施した。

「重度障がい者向け講義『おんがくでつながろう』の実践」「遠隔講義『メディア論』の展開」「指定管理業者との学びの場づくり研究」「重度障がい当事者との企画と実践によるオープンキャンパスの開催」。どの事業でも「インクルーシブ」を基本に関わり合うことでの感動が生まれた、と私自身はまた一歩何かが進んだと感じている。 記事全文>>

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法定雇用率アップで新しい就労支援の第一歩を踏み出す
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第252回

3月 20日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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2.7%へ引き上げ

政府が障がい者の法定雇用率を二段階に分けて上げることを決めたことで、関係する企業や支援機関など障がい者雇用の周辺では何かザワザワした雰囲気になっている印象がある。法定雇用率が2.7%になるということは38人以上を雇用している企業にその雇用義務が発生することになるから、「そろそろ対応しなくてはいけない」との思いと不安の声を該当する企業の幾人からか聞いた。

障がい者が企業で働くことで産業面での共生社会を目指す取り組みはマクロでみれば誰もがハッピーなキーワードだが、企業の担当者がいざ障がい者雇用に直面すると、未知への対応に気苦労は多いようだ。その企業側の「苦労」を取り除けば、障がい者雇用は社会に広がり、定着させることになるのだろうから、企業に焦点を当てた支援活動は必須だ。

この「企業への支援」も念頭に先日、専門家や研究者が集まってこれからの就労支援について話し合う機会を設け、次の支援の形に向けて少しずつ言葉を探し、つなげ始めている作業を開始した。 記事全文>>

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東日本大震災-芥川賞受賞『荒野の家族』に見る現実
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第251回

3月 13日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆語りえないもの

東日本大震災を題材にした小説『荒地の家族』(新潮社)が第168回芥川賞を受賞した。作家の佐藤厚志さんは仙台市出身でJR仙台駅前の丸善仙台アエル店に勤務する書店員であることが話題になった。私も故郷に戻った先日、せっかく買うのならば、とこの書店で同書を購入した。

その行動は、おそらく私の中で震災に関することは一歩踏み込んできた中で、この購入もその心の動きにつながったのだろう。そして、本書の内容も丁寧で精緻(せいち)な表現で描かれたフィクションを、心象風景という誰の中にもあるその震災への「思い」を表現したノンフィクションと受け止めた。

そう言い切ってしまうのは、私自身がその意識の中でこの本を捉えたからだ。震災を語ることで風化を防止するという考えは大切だが、語れないもの、語りえないものがある。それが何か、この小説は静かに、そして力強く表現している。 記事全文>>

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東日本大震災-13回忌から考える2つの伝承施設
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第250回

3月 06日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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13回忌の節目

2023年3月11日で東日本大震災から12年になる。仏教の考え方では干支が一巡したことにちなむ13回忌にあたる。この13回忌は7回忌とともに区切りとされ、法要は7回忌や13回忌をもって終了することも多い。その13回忌で東日本大震災がどう語られるか、またこれを境に忘れられていくのか、大きな節目かもしれない。

先日、来訪した被災地ではいまだに困難な日常や死者への悲しみや行方不明者への哀れみが日常的に存在しているから、忘れるわけはないのだろう。被災地とそのほかの土地とのギャップは必然であろうが、それは大きくなるばかり。先日、「忘れてはならない」地域の思いを形にした二つの施設、宮城県気仙沼市の「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」と宮城県南三陸町の「南三陸町東日本大震災伝承館・南三陸311メモリアル」を訪れ、距離を超えて震災の教訓を共有し、そこから得た叡智(えいち)を形にする難しさを考えさせられた。やはり距離を埋めるのは「対話」しかない。 記事全文>>

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重度障がいの学生からの「勇気はありますか?」の問いかけ
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第249回

2月 06日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆手のひらからの言葉

埼玉県郊外の静かな住宅街で私はその学生に初めて対面した。オンラインでは何人かの参加者の一人として画面越しでの関係性は始まっていたが、直接会うのは心が躍る。

その感動にひたりながら、私は言葉と表情でその心の高鳴りを伝え、彼は自宅のベッドの上で管をつながれたからだの目のまばたきと、微動する指で母親の手のひらに「言葉」を伝え、母親が言葉にして私に伝えた。

特別支援学校高等部を3月に卒業する彼に、今後一緒に「みんなの大学校」で学ぶかの問いかけに、彼は母親の手のひらからこう言葉を発した。

「先生には勇気がありますか?」。

重度障がい者に向けて「学び」を一緒という思いで対話してきた中で、初めて私に求められた「勇気」に心が震えた。「一緒に」と呼びかけながら、彼・彼女らが勇気を持って挑んだ学びには「勇気」があった。その発見に、私は彼に「もちろんあるよ」と言いながら、その行動の在り方を考えている。 記事全文>>

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障がい者の生涯学習を担う人たちへのスイッチオン
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第248回

2月 01日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆地域で、一緒に

障がい者の生涯学習の推進に向けて千葉県の公民館職員らを対象とした「障害者の学び」研修会で、「地域で学ぶ 一緒に学ぶ 障害者と学ぶ」と題した講演を行った。講演前には文部科学省から行政説明として障がい者の生涯学習に取り組む政策や全国における実施の現状や事例、今後の方針などが伝えられたから、私はその背景を前提にして、現場で働く方々により実践的な内容を具体的に話す機会となった。

文科省による障がい者の生涯学習の委託研究を当初から行ってきた者として、成功や失敗を繰り返しながら、有効だと思える手法をお伝えするのが私の役割。各地の公民館で、その地域でのインクルーシブな学びは成立するという自信を得てほしいとの切実な思いで臨んだが、講演をして思うのは、インクルーシブな場づくりや内容の検討、具体的な言葉の選び方など、やることは多岐にわたるのだが、それは「やろう」という道筋の中で自然発生的に備わってくる知見であるとつくづく思う。だから、まず「やろう」から始まるのだ。 記事全文>>

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