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歩き終えて日本に戻って感じたこと
シドニーを歩く(番外編)
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第25回

12月 22日 2025年 国際, 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は5年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

◆年金生活者の日常に戻る

オーストラリアから帰国して12月に入ると、バンコクに駐在する長男夫婦が一時帰国した。長男は久々に高校や大学時代の友人らと会っていたので自宅に戻ってくるのは連日ほとんど日付が変わってから。日によっては長男の妻の実家に泊まることもあって、われわれ夫婦と長男夫婦の4人が顔をそろえることはなく、ようやくそろったのは長男がバンコクに戻る前日の昼だった。

待ち合わせたのは、JR日暮里駅。長男の妻の発案で、谷中(やなか=台東区)で昼ご飯を食べることにした。谷中は東京の下町の中でも特に昭和の面影が色濃く残るエリアで、私が好きな作家・吉村昭のエッセーにもしばしば登場し、かつてはエッセーの舞台となった場所をなぞるように歩いたことがある。 記事全文>>

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日本を改めて考えつつ心躍らせて
シドニーを歩く(その4完)
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第24回

11月 24日 2025年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は5年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

◆フェリーの中で知った「高市総裁選出」

オーストラリア・シドニーに到着した9月半ばは石破茂総裁(首相)の後任を選ぶ自民党総裁選挙の最中だった。総裁選レースを戦っていた5人の候補のうち、私は特に推す人はいなかったが、正直なところ、総裁になってほしくない1人がいて、それが高市早苗だった。下馬評では決選投票にもつれ込むのは確実で、その場合は小泉進次郎と高市の2人の争いになるだろうと予想されていたから、最後は「小泉で決まりか、まぁしゃあないな」と思っていた。 記事全文>>

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妻の一族に「家族のあり方」を考える
シドニーを歩く(その3)
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第23回

11月 17日 2025年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は5年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

◆義母没後の一族の「新しい章」

妻は10人きょうだい(男5人、女5人)の長女で、妹たち4人はみんなシドニーに住んでいる。4人は独立し個別の生活を営んでいて、それぞれがLINEやMessengerの通話機能を使ってほぼ毎日、だれかが日本に住む妻に連絡してくる。込み入った話になると妻は別室に移るのでその内容は知らないが、「女3人寄ればかしましい」というから、おしゃべりでにぎやかになる時もあるし、姉妹同士のもめごとの相談や鬱憤(うっぷん)晴らしもあるだろう。

私たちがシドニー滞在中の昨年5月、自宅療養中の義母の体調が急変し、病院に救急搬送され、その2日後に亡くなった。私たちは当初の帰国予定を1か月延長して義母の葬儀から納骨まで一連の弔事(とむらいごと)に立ちあった。 記事全文>>

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「移民の国」の日常
シドニーを歩く(その2)
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第22回

11月 04日 2025年 国際, 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞記者。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

◆ジャカランダの木の下で

シドニーの街に本格的な春の到来を告げるジャカランダの紫色の花がいま(11月初め)、満開の時期を迎えている。私たちが9月半ばに来た時にはまだ、シドニーの市花に指定されているこの花の開花はまばらで花びらの紫色は薄く見えたが、1か月が過ぎると街の中心部でも郊外でも、特に青空にまばゆく映える濃い紫色のラッパ状の花を公園や庭先、街路樹などいたるところで見ることができる。

ちょうど日本のソメイヨシノのような存在だが、日本の国花が短命なのに対し、シドニーのジャカランダはこれから夏の初めの12月初旬ごろまで楽しめる。南米原産というが、シドニーの街や公園を美しく紫色に染め上げるこの花はこの時期のシドニーを彩るのに欠くことのできない存在で、その木の下を歩いているとなんとも幸せで、すがすがしい気分になる。 記事全文>>

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一日のうちに四季の移ろい
オーストラリア・シドニーを歩く(その1)
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第21回

10月 20日 2025年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は5年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

9月のオーストラリア・シドニーは例年なら春が始まったばかりの過ごしやすい時期だが、今年はそうでもないらしい。私と妻は9月半ばからシドニーに滞在しているが、来る直前の2週間ほどは毎日ずっと雨だったという。

私たちが到着して以来、幸いまとまった雨はまったく降っていないが、気温は朝方に一けた台まで下がっても日中は35度近くまで上がる日がある。一日の寒暖差は優に20度以上あり、朝から夜までのわずかな間に四季の移ろいを肌で感じている。 記事全文>>

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夏越の大祓と茅の輪くぐり
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第20回

6月 26日 2025年 国際, 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

一年のうちで日照時間が最も長くなる夏至(今年は6月21日)が過ぎて、今年もまもなく折り返し。私が住む街のお宮さんでも、30日に行われる「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」の神事を控え、夏至の日から境内に「茅の輪(ちのわ)」が設けられている。

今年前半の罪や穢(けが)れを清めて災厄(さいやく)を払い、今年後半もまた無事に過ごせるように、と祈りながら毎朝夜明け前、茅(ちがや)というイネ科の植物で編んだ直径1.8メートルほどの輪を左回り→右回り→左回りの順で計3回またいでくぐり、本殿にお参りする。

午前3時半すぎの境内は人気(ひとけ)がなく文字通り神聖で、家族一人ひとりの顔を思い起こしながら柏手を打つと心が落ち着く。コロナ下の在宅勤務をきっかけに始めた夜明け前ウォーキング。その途中のお参りはいまや生活の一部になった。定年退職後の日々の生活は極めて単調だが、So far, so good.  心身ともにまずまず順調で、ストレス皆無の生活にいまだに思わずひとりほくそ笑むことさえあり、飽きはまったく感じない。 記事全文>>

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書き切れなかった見聞記 思いのままに
「4か国回遊生活」オーストラリア再訪編(その4完)
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第19回

5月 13日 2024年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

オーストラリア・シドニーでの「回遊生活」も3か月目に入った。小雪舞う東京から到着した3月初めのシドニーは夏の終わりから秋にさしかかろうとしていたが、それでも日中の最高気温が30度以上になる日が多く、強い日差しと紫外線に「南半球にいる」ことをいきなり実感した。

シドニーは日本の約20倍の広さがある豪州の東南部に位置するニューサウスウェールズ州の州都で、隣接するビクトリア州の州都メルボルンに次いで2番目に人口が多い。シドニーもメルボルンも四季がはっきりしている温帯性気候で、私たちが滞在しているシドニーは5月に入って雨の日が多くなった。

日本では気温が25度を超えて夏日となる地点が増えているというのに、「秋の長雨」をまさかシドニーで経験するとは思わなかったが、Tシャツと短パン姿の若者に交じってダウンジャケットを着たりマフラーを巻いたりしている人の数がにわかに多くなり、本格的な秋の到来をいやおうなしに感じている。 記事全文>>

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中国 改めて感じる影響力と存在感
「4か国回遊生活」オーストラリア再訪編(その3)
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第18回

4月 30日 2024年 社会

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元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

◆日本は案外幸せな国?

ほぼ確信的に言えることだが、私自身もかつてそうだったように、日本を離れ海外で長く暮らしている日本人の多くは、日本の現状を自虐的に見たり考えたりして批判する傾向があるようだ。彼らの思い描く日本の姿は、最も繁栄した「古き良き時代」のほんの一瞬を切り取ったもので、不可逆的な今の世の中にあっては決して戻ってこない画餅(がべい)に他ならない。

しかし内心、それが十分わかっていながら、日本を離れている時間が長くなればなるほど、古き良き時代に味わった自らの体験と日本への郷愁的な気持ちや応援したい気持ちがついつい過剰に合わさって倍加され、憎悪にも似た気持ちに逆転してしまうことさえある。かつての日本は「ユートピア」のように思えたのに、その現状を海外から見ると、目を覆いたくなるほどのなんという体たらく――。日本への自虐的な思いも不信の念もいっそう強まるのだろう。 記事全文>>

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アナログかデジタルか 葛藤と相克
「4か国回遊生活」オーストラリア再訪編(その2)
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第17回

4月 22日 2024年 社会

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元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

◆「一億総白痴化」の深化を憂う

オーストラリアへ観光、知人・家族の訪問などの目的で渡航する日本旅券を持つ者は「オーストラリアETAアプリ」を通してETA(電子渡航許可)を申請しなければならない。前回2019年の渡豪時は、ETAはパソコン経由で取れたが現在は原則スマホのアプリ経由に限定されていて、スマホを使い慣れていない私にとっては渡航前から、これがちょっとした難関だった。

「4か国回遊生活」オーストラリア再訪編の第2回は、アナログ人間の“極致”にあるような私がスマホにつまずき、軽くあしらわれつつも、シドニーに到着早々、スマホなしではやっていけない現実に直面し、デジタル化へようやく改心し、その利便性を体感しつつあるという現在進行形の話である。

先に断っておくが、スマホを仕事や学業など日常の中にとっくのとうに採り入れ、それがなくてはならない人にとっては冗談とも言えないほど実にアホらしく、つまらない話に違いない。 記事全文>>

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円安と物価高のWパンチに萎縮
「4か国回遊生活」オーストラリア再訪編
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第16回

4月 10日 2024年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

◆小雪舞う東京から夏のシドニーへ

イースター(復活祭)に伴う4連休の初日だった3月29日、私はメルボルンと並ぶオーストラリア最大規模の都市シドニーにある観光名所の一つ、世界遺産のシドニー・オペラハウスにほど近いサーキュラーキーの埠頭(ふとう)にいた。この日から9日間の日程でオーストラリア大陸の南東海上にあるタスマニア島などを巡るクルーズ船に乗り込む妻らを見送るためである。

今回の渡豪は、私は2019年10月以来、妻は自宅療養中の母(95歳)を他の4人の妹たちと分担して介護するのが目的で、22年12月以来となる。妻はイースター休暇に入る前の時点で介護当番がとりあえず一巡したので、別の妹1人とその友人の計4人で客船によるタスマニア島周遊旅行に参加したのだった。 記事全文>>

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