п»ї 社員の突然の退職にどう対応するか 『実録!トラブルシューティング』第70回 | ニュース屋台村

社員の突然の退職にどう対応するか
『実録!トラブルシューティング』第70回

9月 24日 2019年 経済

LINEで送る
Pocket

東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、社員の突然の退職に関するトラブルの事例とその対策についてご紹介します。A社では社内の一部門で、社員が数人立て続けに急に退職してしまい、業務に支障が出ました。運営の補償とまではいかないまでも、該当社員に対する未払給与のカットなど、何らかの対処はできないだろうか、というご相談です。

タイの法令上、従業員の退職を止める権限は会社側にはありません。また、従業員の退職の申し出期間についての法的な定めもありません。つまり、仮に就業規則や雇用契約書などに退職の通知を30日前にするよう記載していたとしても、強制力を持たせることは出来ません。したがって、突然の自主退職を回避することは出来ないのです。 また、給与に関しては、実際に働いた日までの賃金を日割りで支給する必要があります。こちらも懲罰的に差し引くことは出来ません。

タイの労働法は労働者に手厚い部分があり、社員は退職後も労働裁判に訴えることができます。法律上、働いた対価分の支払いをカットすることは出来ないので、会社としては、突然退職すると、その社員にとって「決して後味の良いものではなく、退職時には事前に会社に伝えたほうが良い」と従業員自身に思ってもらうことが重要になります。

具体的な対策としては、以下のようなやり方が考えられます。

①あくまで「お願いベース」となりますが、就業規則や雇用契約書に退職申し出の期間を記載しておく

②退職者の最終支給給与を小切手または現金での手渡しとし、本人に給与支給日に取りに来させる

例えば、事前通知をした上での自主退職の場合は、給与は通常通り送金による支給とし、事前通知期間未満の突然の退職の場合には、「行き違いがあってはいけないから」などの理由をつけて、手渡しにするという方法が考えられます。

会社として、退職する従業員の給与の支払いを止めることは出来ませんが、本人に出社の要請をすることで、他の社員の今後の突然の退職の抑制につながる可能性があります。直接の給与の手渡しとなると、取りに来ないという事例も多く発生します。その場合は、会社の金庫で保管することになります。

その他、あまり勧められる方法ではありませんが、突然の退職者が発生した該当部署の上長に対して、ボーナスや昇給の査定時に厳しい評価をするといった間接的な方法も考えられます。なによりも日頃の従業員との信頼関係の構築と頻繁なメッセージの発信が重要になります。もしも、残念ながらトラブルが発生してしまった場合には、弊社へ一度ご相談下さい。

コメント

コメントを残す