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CAPDサイクルの4回転半がゴール
『みんなで機械学習』第1回

2月 16日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社Aデコード研究所設立準備中。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長(臨床試験データベースシステム管理、データマネジメント、統計解析)。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

新シリーズ『みんなで機械学習』は、AI(人工知能)時代におけるデータ解析の(1)初歩(2)小学生(3)中学生(4)機械学習――そして最後の半回転を目指している。中小企業経営者の目線だが、大企業病の克服に役立つだろう。教材は無料ソフトのjamoviと無料で大量に入手できるデータ、例えばインターネットで入手できる国際特許情報や、身近な環境のセンサーデータを用いる。

PDCAサイクルは、古典的なビジネス改善プロセスだ。かつて、経営コンサルタントが好んで使った手法で、Plan &Doの後に、経営コンサルタントがデータを収集し解析して分厚いコンサルテーションレポートを作っていた。実際は、コンサルテーション・プロジェクトを始める前に、事前に組織の問題点に関する調査を行い、他社との比較などを行って契約にサインしてもらう。従って、結論はわかっていて、問題点とその改善方法を組織全員に周知するためにデータを収集していた。

AI時代では、データの収集コストと分析コストがゼロに近づいている。中小企業経営者は高額な経営コンサルテーションを行わなくても、自力でなんとか改善策を見つけることができる。もっと重要なことは、社会や市場の変化が急速で予測不可能な部分が多く、従来の経営コンサルテーションのような時間のかかるプロジェクトでは変化に対応できない。さらに、SNS(social network system)が炎上する時代では、リスクマネジメントの役にも立たない。そこで、筆者は特に中小企業経営者がデータサイエンスを学習するモティベーションとして、PDCAサイクルの位相を180度前進させた「CAPDサイクル」を推奨している。

CAPDサイクルでは、Check&Actionすなわちデータの収集と解析を、経営コンサルタントではなく、ほぼ無料のAIが担当する。そのメリットは自明で、安価なだけではなく、「予測」にもとづく経営が可能になることだ。従来は、経営者の「反省」にもとづいていた。工学の制御理論としては、フィードバック制御よりも予測制御が有利だ。経営者の直感にもとづくPlan&Doは反省につながることが多い。データによる根拠ある予測の場合は、データが予測通りでない場合はすぐに変化にきづき、リスクマネジメントの役に立つ。

CAPDサイクルと似た考え方は、米海兵隊の奇襲作戦で実績のあるOODAループ『OODA LOOP(ウーダループ)―次世代の最強組織に進化する意思決定スキル』(チェット・リチャーズ、東洋経済新報社2019年)が有名だ。米国企業のゴールありきの経営と相性が良いけれども、持久戦を余儀なくされる中小企業の経営とはそぐわない部分もある。しかしAI技術を活用することでCAPDサイクルが身近になり、特に中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する目的のためには、ビジネスプロセスそのものをスピードアップする必要がある。CAPDサイクルは中小企業経営のスピード感をアップする。

CAPDサイクルにデータのCheck-inとCheck-outすなわち、データマネジメント(データ前処理)とデータビジュアリゼーション(データ可視化)を追加したプロセスを、4回転半体験学習することを、『みんなで機械学習』のゴールとした。CAPDサイクルは、AI化が容易なCheck&Actionを先行させる逆Ω型ビジネスプロセスだ。CAPDサイクルが重視するのはOODAのようなゴール達成ではなく、ビジネスプロセスを継続的に改善するための「きづき」を重視する。特に中小企業にとって、自社の存在意義を明確に意識すること、多様性をはぐくむ社会との「のりしろ」を発見する「きづき」を大切にしたい。この「きづき」を実現するのは「We Plan」と「We Do」だ。今回が1回転目のCheckに相当する。ゴールを設定して、構想全体を俯瞰(ふかん)した。次回は早速Actionとして、無料統計ソフトjamoviをインストールする。そして3回目と4回目で、みんなで何かをきづき、2回転目につなげたい。

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『みんなで機械学習』は中小企業のビジネスに役立つデータ解析を、オープンソースの無料ソフトjamoviでみんなと学習します。質問があっても、絶対に「ニュース屋台村」にはコメントしないでください。株式会社Aデコード研究所(設立準備中)でjamoviと本稿の続き(4回転半の後)をサポートする予定です。

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