п»ї 富裕層からビジネス成功の鍵を見つける『ビジネスの”あり方” ”やり方” ”つくり方”』第1回 | ニュース屋台村

富裕層からビジネス成功の鍵を見つける
『ビジネスの”あり方” ”やり方” ”つくり方”』第1回

4月 22日 2016年 経済

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小林昇太郎(こばやし・しょうたろう)

株式会社LUFTホールディングス取締役経営戦略室長。2014年8月に12年間勤めた船井総合研究所から現職へ。船井総研では「日本をはじめ、世界の富裕層ビジネスの今を知ることが、日本の多くの経営者の抱えている課題をも解決する」と考え、「富裕層ビジネス研究会」を立ち上げ、そこから多くの新規ビジネスを創出させた。13年、SEOUL METROPOLITAN GOVERNMENT Advisory Officer for Business Attraction(諮問官)兼名誉大使。著書に『ビリオネアビジネスの極意』(ベストセラーズ)、『図解 富裕層ビジネス最前線』(KADOKAWA)などがある。

今回から「ニュース屋台村」で執筆させて頂く、小林昇太郎です。どうぞよろしくお願い致します。現在、私が勤務する企業は全国の医療機関への人材派遣事業、ミシュラン2つ星のフレンチレストラン、おすし屋といった飲食事業、沖縄(那覇、石垣島、宮古島)でのレンタカー事業、書籍やワイン雑誌の出版とそれに関わるワイン販売やイベント企画事業、海外時計(フランス、スイス)のインポーターといった複数の事業を行っていますが、これと併せ、最近では全国の経営者向けのビジネス支援事業もスタートさせました。この「ニュース屋台村」では、経営者やこれから事業を始めたいと思っている方を対象に、多少なりともビジネスに役立つ情報を分かり易くお伝えできればと思っています。

◆私が富裕層ビジネスを選択した理由

企業(特に中小零細企業)が自社の不足するリソース(人・物・金・技・知恵)を補いながら、かつ自らの持つ強みを最大限に活(い)かし、ビジネスを興し、ブランディングと信用力を高め、顧客とファンを増やし、安定した収益を上げながら事業を長続きさせていくために必要なこととは一体何か?

前職の船井総研時代、私は「富裕層ビジネス」を主な研究テーマとしていました。富裕層と言えば、資産フライトや最近では「パナマ文書」報道など世間ではあまり良いイメージを持たれないことも多いですが、当時、富裕層ビジネスをテーマにした理由として、これが「究極的なOne to Oneマーケティング(顧客一人ひとりの嗜好〈しこう〉に合わせて展開するマーケティング)」であり、ここにビジネス成功のヒントがあるのではと考えたからです。

2014年における中小企業・小規模事業者、約381万社(企業全体の99.7%を占める)の中には、世界に誇れる技術やノウハウを持つ企業も少なくありません。しかし、リソース不足や、そもそもの仕事のあり方を見誤り、間違ったやり方を行っている企業も多く、その強みを発揮できないところで戦わざるを得ない企業は疲弊し、存続すら危うくなり、毎年数万社もの企業が倒産(12年から14年にかけては約4万社が減少)しているのが現状です。これを早急に本来あるべき姿に、すなわち企業が自らの強みを最大限に活かし、今後も長く事業を存続でき得る状態に変えていかなければなりません。

このことは国内各地域の企業だけでなく、海外へ進出している企業も同様です。ビジネスのあり方を考えていく上で、富裕層ビジネスは多くの示唆に富んでいます。その中でも何世代にもわたり存続してきた富裕層ビジネスの真髄を知ることは、我々が忘れかけている、そして本来は押さえておくべきビジネスのあり方、更に人が幸せに仕事をしていくために学ぶべきは何かを改めて気づかせてくれます。

◆良いコミュニティーを持つことが成功の鍵

富裕層ビジネスと言っても、その範囲は非常に多岐にわたります。私が09年に立ち上げた「富裕層ビジネス研究会」には「富裕層」というネーミングが多くの人の興味を引いたのか、様々な地域(国内・海外)から、業種、業態、規模、法人、個人にかかわらず、富裕層ビジネスに関して多くの相談を受ける機会を持ちました。この時の経験から、ビジネスで大きな失敗をしないための”あり方” ”やり方” ”つくり方”を富裕層ビジネスを通して考えさせられ、それをルール化してきました。

この中で、何世代にもわたり継続するファミリーや成功しているビジネスには、大なり小なり、またオープンなものやクローズドなものなど様々ですが、必ずそこには、良い「コミュニティー」が存在していました。良いコミュニティーの条件については次回以降で改めて詳細をお伝えしますが、それが持つ目的、機能、仕組み、そこに関わる人、取り交わされる情報、そこで提供される商品・サービスなどの質の高さです。

自分たちのファミリーを何世代にもわたり守り続けることに関心の高い富裕層と、その富裕層としっかりと向き合い、それを具現化する富裕層ビジネス、そして富裕層ビジネスにかかわらず一般のビジネスで成功している中小零細企業にも「コミュニティー」は必要不可欠です。

加えて企業にとどまらず、高齢化や過疎化が進む地域の創生や活性化にも「コミュニティー」が有効な役割を果たしています。このことは、富裕層ビジネスのコミュニティーを通して見えてきたビジネスのあり方、やり方が、実は我々が直面している様々な地域や社会問題の解決にも有効であることを気づかせてくれます。

今、私が勤務している企業でも一部、富裕層向けの事業を行っていますが、従来のコンサルタントの視点だけでなく、事業者としての視点をも併せ持ちながら、次回以降、ビジネスに有効な「コミュニティー」とはどういったものであるのか、そこから見えてくるビジネスの”あり方” ”やり方” ”つくり方”を事例も交えながらお伝えしていければと思っています。

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