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「リベラル能力主義」について考える(その1)
『視点を磨き、視野を広げる』第58回

3月 21日 2022年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに:本稿のねらい

米中対立が続き、ロシアがウクライナに侵攻した。新しい冷戦の始まりという捉え方は現実感を増している。地政学的に見れば、覇権国米国の衰えは隠せず、中国の台頭による国際秩序の変化は明らかだ。また、経済においても、ベルリンの壁崩壊以降約30年続いたグローバリゼーション(グローバル化)の時代が転換期を迎えている。

こうした「変化」は、グローバル化を支えるイデオロギーである新自由主義の退潮をもたらしている。2021年10月に発足した岸田政権が「新しい資本主義」を掲げて新自由主義からの転換を打ち出しているのは、それを象徴している。政権が掲げる「成長と分配の好循環」によって格差の縮小が進むことを期待したいが、前稿で米国の経済学者ブランコ・ミラノヴィッチ(ニューヨーク市立大学大学院客員教授)の『資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来』を読んで、「格差」の問題は「分配」だけでは解決できないという思いを強くした。今回はその続きを考えてみたい。 記事全文>>

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