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太古のデータ文明
『週末農夫の剰余所与論』第25回

3月 23日 2022年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

農園における今年の春は、雪国の春で、雪解けとともに一気に早春がやってくる。堀田善衛の『方丈記私記』(ちくま文庫、筑摩書房の刊行は1971年)も、そろそろ読み終わるころだ。日本の中世における、平安京の乱世を、安元3年(ユリウス暦1177年)の京の大火災から768年後の1945年の東京大空襲、そして戦後への乱世に重ね合わせた。文学者がジャーナリストのように荒野を歩いて生きた時代の文学として、秀逸だと思う。残念ながら、戦後の乱世は終わっていない。乱世においては、目を覆いたくなるような暴力や災害だけではなく、にせ情報や謀略が錯綜(さくそう)しているので、ジャーナリストのように歩いて目撃することからしか、文学が始まらないのだろう。前稿『週末農夫の剰余所与論』第24回では、「観察」することを「オブザーバブル」として現代的に再解釈することは、近代的な合理主義から決定的に離別する、未来のデータ文明への出発点になることを期待している、と結んだ。その2週間後に、核武装した国家が、軍事力で他国の原子力発電所を不法占拠するという、末世が続いている。未来のデータ文明は始まらないかもしれない。だからこそ、1万年以上過去の、太古のデータ文明から学んでみたい。 記事全文>>

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