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航空機産業への参入を目指して国際化
『浪速からの国際化』第3回

10月 24日 2014年 経済

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北見 創(きたみ・そう)

ジェトロ大阪本部に勤務。関西企業の海外進出をサポートしている。横浜生まれで、ヘンな関西弁を得意とする。『アジア主要国のビジネス環境比較』『アジア新興国のビジネス環境比較』(ともにジェトロ)などに執筆。

◆仕事が急増する航空機業界

円安が企業の背中を押しているのか、企業からジェトロ大阪へ寄せられる相談の内容は、昨年度に比べて輸出に関する案件が増えている。一方で、現地法人設立や、工場設立といった海外進出に関する相談は、割合としては徐々に減少している。

関西の大手企業による海外進出や追加投資の発表も、昨年度に比べて少なくなった。ジェトロの海外進出支援を受けていた企業の中でも、「国内の仕事が忙しくなってきたから、また今度」といって進出計画を中断するケースもある。国内の仕事が忙しいというのは大変喜ばしいことである。

国内の仕事が忙しいといえば、航空機産業が盛り上がっているようだ。10月18日に公開された三菱航空機のMRJ(三菱リージョナルジェット)はすでに407機が受注されている。さらに同社の親会社である三菱重工業は8月7日にボーイング社(米国)のB787の主翼の生産設備増強を発表しており、本案件への投資額は数百億円に上るという。

こうした航空機産業の2次下請け(Tier2)~3次下請け(Tier3)をしている中堅・中小企業は大忙しである。例えばA社は「数十億円規模の国内設備投資を3回予定している」というから、同じ日本とは思えない景気の良い話だ。

日本航空機開発協会が今年3月に発表した「民間航空機に関する市場予測」によると、ジェット旅客機の運航機数は2013年の1万9208機から、33年に3万6769機に増加する見通しだ。つまり、A社の社長の言葉を借りれば「ソラを飛んでる飛行機が倍になんだから、忙しいのはこれからだ」という状況なのだ。A社はスピリット・エアロシステムズ(米国)や、サフラン・グループ(仏)といった海外の1次下請け(Tier1)企業からの受注も目指し、海外工場を作る計画もたてている。

◆認証取得に向けて社内体制整備を

活況を呈している航空機産業だが、中堅・中小企業が参入を目指す場合、どうしても「国際化」する必要がでてくる。発注は三菱重工、川崎重工といった日本の会社からかもしれないが、最終的なセットメーカーはボーイング社、エアバス社であり、業界自体が国際標準である。

よって、品質管理・品質保証もグローバルな認証を求められ、参入段階でNadcap(国際航空宇宙産業特殊工程認証プログラム)などの取得をする必要がある。Nadcapの取得は提出書類もすべて英語で、審査を受け入れする際の応対も英語と、技術のこともわかって、英会話に堪能な人材がいなければ審査対応もままならない。

A社の場合は、Nadcapの取得にあたって取引先の大手メーカーに助けてもらい、最初は手とり足とり教えてもらったという。その後の更新は自社で対応することになるが、航空機産業ということでイメージがよく、就職の面接を受けに来る若者が増えたので、英会話のできる新人には技術を教え、技術のわかる新人には英会話を教えるという両面で国際化を図った。

このように自社単独での参入は難しいため、誰かから教えてもらうのがポイントとなりそうだ。各地域の勉強会に参加するのも一手だろう。大阪では05年に設立された「次世代型航空機部品供給ネットワーク」という団体があり、航空機産業への参入に向けた研究会を開いている。

航空機産業に限らないが、まずは「技術のわかる人材に英語を」「英語のわかる人材に技術を」をスローガンに、両輪で社内の国際化を図った上で、近場の勉強会に顔を出してみてはいかがだろうか。国内の仕事が忙しいときにこそ、次の一手に向けて準備をすべき時期なのかもしれない。

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