山口行治(やまぐち・ゆきはる)
株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
◆「Google帝国」の逆襲
前稿第65回(「IBMクラウド実況中継(その3) 生成AIがバカすぎて」https://www.newsyataimura.com/yamaguchi-148/#more-22431 )は「新たなデータの世界を探索するデータAIが、データ文明の入り口になるのか、生成AIが近代文明の言語資産を消費し尽くして衰退するのか、近未来への岐路は論理的ではなく、少なくとも4次元以上の高次元空間の想像力で、多数の入り口と出口を発見して冒険する必要がありそうだ」と結んだ。
生成AI(人工知能)の能力が急速に進化していて、人間を超えるASI(人工超知能)の出現が目前であることは、ソフトバンクの孫正義社長に教えていただかなくても「みんなの」実感に近い。前職で、創薬における技術革新を担当していた時に、自社の研究者や経営者にインタビューして、未来予測のありかたを考えたことがある。技術革新の方向性については、「みんなの」予想がほぼ一致していた。技術革新が実現する時期は、おおむねオプティミスティックだった。文化的に背景が異なる東洋医学などの未知技術については、「みんなの」予感は、まさにジョーカー(期待されない切札)でしかなかった。 記事全文>>