引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、みんなの大学校学長、博士(新聞学)。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
◆支援をしていた人の逮捕
支援をしていた障がいのある男性が逮捕された。
昼間のテレビニュースの映像ではそのなじみのある顔はその格好から手錠をされている様子で、警察に連行される不安な表情は「詐欺容疑の男逮捕」の見出しが付けられると、たちまち罪人のようにも見えてくる。
しかし、彼は私にとっては支援が必要な施設の利用者であり、気の優しい施設の仲間だった。逮捕容疑はお年寄りに多額の現金を送るよう迫った詐欺とのことだが、彼の性格からはにわかに信じられない。
彼はそのような犯罪をする巧妙な発想も行動も持ち合わせていないはずで、誰かの指示によりなされたトカゲのしっぽに過ぎず、彼の映像をメディアに撮影させるという捜査機関のサービスを考えると、彼が世の中の「ちょうどよいところ」に、はめ込まれ、使われてしまったようにも思う。被害者も気の毒ではあるが、彼もまた障がいによって判断が他者と比べ、正確にできなかったことが今後の公判で明らかになっていくだろうか。
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株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。










