п»ї サワヤ(タイランド)日系進出企業紹介『おじゃまします』第7回 | ニュース屋台村

サワヤ(タイランド)
日系進出企業紹介『おじゃまします』第7回

1月 17日 2014年 経済

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バンコク週報

1976年10月創刊のタイで発行する日本語新聞。在タイビジネスマンに向けてタイの政治・経済・社会ニュースから人物紹介まで多彩なコンテンツを提供している。

◆省エネと職場環境改善を商機に

屋上遮熱シート「冷えルーフ」――工場などの金属折板屋根に設置し、日陰と空気層をつくることで温度や雨音を低減する。省エネを実現しつつ、職場環境を向上させるアイデア製品だ。ユニークな環境関連ビジネスを日本で展開してきたサワヤ(本社・石川県金沢市)の主力商品でもある。

電力不足が進むタイでは節電など省エネは重要な課題だ。さらに、雇用難に頭をかかえる工場では、職場環境の改善が必要不可欠となる。温度と雨音の低減はタイ側のニーズに合致する。サワヤはここに商機を見いだし、タイへの進出を決めた。

タイではすでに商品見本市などを通じて10件ほど販売・施工実績がある。顧客は車部品もしくは電気部品の製造工場だ。年間を通じて安定受注できるシステムをつくるため、タイでの事業を統括するサワヤ(タイランド)を2012年11月、バンコクに設立。タイに進出する日系企業およびタイ企業への売り込みを強化することにした。

日本での導入経費は施工・材料・5年間の保証料込みで1平方メートル当たり3000~5000円。遮熱塗料と比較すると半分程度という。一方、タイではエンドユーザー基本価格を1平方メートル当たり600~650バーツに設定(諸経費別)。物価相場を考慮して価格を下げた。

タイでの事業を監督する関本昌幸・環境事業部部長によれば、今後は知名度アップが当面の課題となるため、展示会出展や、施工店・販売商社と提携しての営業活動などを通じて、実績を積み上げていく考えだ。年間の売上・施工数目標は特に設けない。丁寧な仕事を第一とするためだ。まずは数より質を重視する。

◆タイ人研修生を日本本社で受け入れ、タイで採用

「石川県では個性的な企業との評価を受けている」と話すのは、尾崎竜一郎取締役専務。それはタイでの展開にも表れている。

サワヤはバンコクだけでなく、南部ナコンシタマラート県にも支店を開設している。一般的にはまずバンコク。事業を軌道にのせた後に地方進出というのが「正攻法」だろう。しかしサワヤは、いきなりバンコクで勝負するのは競争率が高すぎるとして、石川県タイ友好協会、タイ王国石川県人会などを通じて関係を深めたナコンシタマラート県に支社を置くとともに、同県内の学生を研修生として日本本社が受け入れ、自社の主力事業を覚えてもらった後、タイで採用するというシステムを構築した。

これには、同社アドバイザーの清水浩タイ王国石川県人会副会長らが尽力。今月に第一陣として8人の職業高校生が日本に向かう。「ナコシタマラートで実績を固めてからバンコクでの事業を本格化させる」(清水氏)とのことだ。

日本での研修では冷えルーフ事業のほか、電気工事・メンテナンス、廃蛍光灯処理・リサイクルガラス、オフィス家具のリサイクル事業を経験する。尾崎専務は「収益を上げるだけでなく、地域への貢献にも尽力する」と熱意を示す。なかでもメンテナンス事業はじっくりと学んでほしい、という。

タイでの出火原因で最も多いのは、老朽化した配電盤からの漏電だ。メンテナンスの必要性を浸透させることは、タイ人の貴重な財産を守ることにもなる。そのため、ナコンシタマラート支社では電気工事およびメンテナンスが当面の主力事業になる予定という。(倉林義仁記者)
 
SAWAYA(THAILAND)CO., LTD.
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サワヤ本社、タイ支社を支える日本人幹部とタイ人スタッフ

サワヤ(タイランド)を訪問した石川県金沢市議会議員視察団

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