山口行治(やまぐち・ゆきはる)
株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した個体差の機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を、栃木県那須町で模索中。元PGRD (Pfizer Global R&D) Clinical Technologies, Director。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。趣味は農作業。
◆データ÷AI
「AI(人工知能)×データ時代」というサブタイトルの本(『シン・二ホン-AI×データ時代における日本の再生と人材育成』〈安宅和人、株式会社ニュースピックス、2020年〉)では、データ×AIが何度も記載されているけれども、その定義はない。筆者の理解では、AI×データとデータ×AIは異なる。AI×データとデータ×AIは、どちらも指数関数的な挙動を示すけれども、それは、AIもデータも、それぞれが指数関数的な挙動を示すからにすぎない。簡単に言えば、データが先なのか、AIが先なのかという問題なのだ。
データとAIは、行ったり来たりしている。最近でも、統計データがビッグデータとなり、AI技術は第2世代のエキスパートシステムから第3世代の生成AIへと発展した。筆者の得意領域は、統計データの前処理を担当する、データマネジメントだ。生成AIがデータマネジメントを足元から変革している。AIの大規模言語モデル(LLM)は、インターネット上のほぼすべての言語と、その言語資産を機械学習している。筆者の立場はデータ×AIで、データが優先される。
もっと正確に言えば、筆者はデータ÷AIを考えている。割り算が非可換で、データ÷AIがAI÷データとは異なることは明らかだろう。データ÷AIとは、AIでは割り切れないデータについて考えることだ。
前稿では、「ダメAI」について記載した。AGI(汎用人工知能)やASI(人工超知能)を目指しているAIビジネスとは一線を画して、AIビジネスが苦手な領域や、AIビジネスの問題点を個別に攻略するデータビジネスがダメ(駄目)AIだ。 囲碁用語の「駄目」(英語もdame)から借用している。
データ÷AIにおいて、AIが大きくなると、AIでは割り切れないデータも大きくなる。データ×AIの指数関数的な挙動は、高校程度の数学でも理解可能だし、もし虚数が入った指数関数であっても、オイラーの定理を丁寧に学習すれば、大学初等の数学で理解できる。ところが、指数関数の逆関数である対数関数は、素数の分布と関係するなど(参考1:https://ja.wikipedia.org/wiki/素数定理)深遠な数学となり、複素数の対数関数は、数学者でないと理解できないほど複雑怪奇だ。AIでは割り切れないデータ、AIが整理も理解もできないデータは、AIが理解できるデータよりもはるかに多い。もちろん、人間も理解できないデータなのだけれども、データを収集する目的を理解していれば、意味不明なデータであっても、手探りの探求を続けるうちに、意味があるという感覚を発見することができる。意味不明なデータの探求には、高度なAI技術が使えるので、ダメAIは、思ったよりはダメではないかもしれない。
アルパカキャラたちに、物語を続けてもらおう。
3.4 楽しくデータの学習をする
◆楽しさの再発見
フェナ:SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)使っていると、「いいね」の数を、私への「いいね」だと錯覚してしまうのよ。たくさんの人たちから「いいね」してもらってうれしいとか、ほかの人たちよりもたくさんの「いいね」で優越感を感じるとか、ゲームと現実がまじりあう感じかしら。AI(人工知能)が「いいね」をつけるようになると、SF物語ね。そのフィクションはもう始まっているけれども、現実とは見分けがつかないの。
フェネイ:学習にしても、楽しいと思えることは学習しやすくて、学習の成果も出やすいでしょ。だけど、どのようなことが、なぜ楽しいのかと考えると、よくわからなくなるのよ。SNSの「いいね」も、学校の勉強も、楽しいと思うことは良いかもしれないけれど、本当に楽しいことを見失ったり、忘れたりしていないかしら。本当に楽しいことなんて、ないかもしれないし、それでも楽しみを探すことが大切なのよ。特にAIの時代になって、AIビジネスを楽しんでいるのは、ごく少数の人たちだけで、私たちは楽しそうな「いいね」を与えられているだけかもしれないわね。フェニイとじいがダメAI(ニックネームdAIくん)の話をしていたでしょ。SNSやAIビジネスと付き合うよりは、dAIくんのほうが楽しいかもね。
フェナ:dAIくんって、見たことないし、じいのように石あたまで、付き合うとイライラするかもよね。未来からやってきたヌェフさんなら、たくさんdAIくんを見ているでしょう。私は、ドラえもんみたいなdAIくんがいいな。
フェネイ:ヌェフさんは、じいが暴走した後に、冷静に話はじめるの。訳のわからない未来を想像することで、本当の未来が、後からやってくるのよね。食事でも、好きと嫌いの感覚は、個人にとっては、ほぼ自明よね。でも、楽しいかどうかという感覚は、曖昧(あいまい)じゃない。仲間と一緒に過ごして、楽しいと思った感覚が、後からやってくるようなものかしら。ドラえもんやdAIくんなら、仲間として、AIと一緒に楽しめそうね。そんな楽しさも、後からやってくるのではないかしら。楽しさというよりは、機械学習の達成感に近い感覚かもね。
フェナ:お金の儲(もう)け方、金融リテラシーの学習は、仲間と一緒に学習して、実際に投資をしてみて、その経験を仲間と共有するのよ。そうすると、儲かるにしても失敗するにしても、投資の楽しさが、後から実感できるというわけ。失敗を最小限にするのも、学習効果として実感できるのよね。データの機械学習、AIデータリテラシーも、ドラえもんやdAIくんと一緒に学習することで、学校の勉強では経験したことのない「楽しみ」が再発見できるかもね。
フェニイ:データの機械学習、AIデータリテラシーも、ビジネスにしてみて、儲かったり失敗したりして、今までに経験したことのない「楽しみ」が再発見できるんだぜ。ビジネスにすること自体は、現在のAIビジネスの得意分野なのさ。WEBアプリをほぼ自動的に作って、参加者に少額の課金もできる。とにかく、AIコーディングによって、ソフトウェアの生産性が爆上がりしているから、とても少ないビジネス投資で、データビジネスの試行錯誤ができるんだ。試行錯誤をすることで、未来の一部が垣間見えて、また新しいデータビジネスを試行錯誤する。データビジネスのアジャイル開発だな(※参考2:https://monstar-lab.com/dx/solution/about-agile_methods/)。
◆AIシェルパ
フェノじい:AIを活用して、データビジネスをアジャイル開発するのは、AI登山隊のAIシェルパの役割じゃ。AI登山隊が目標を定めて、ベースキャンプへのAIキャラバン隊を組織するとき、AIビジネス活用の即戦力となるAIシェルパを採用するのじゃ(※参考3:https://www.forbes.com/sites/johnwinsor/2025/12/03/when-ai-outruns-your-strategy-the-rise-of-the-ai-sherpa/)。軍隊の場合は、パランティア・テクノロジーズ(※参考4:https://www.palantir.com/jp/about/)が、AIシェルパを現地派遣しておるぞ。
フェニイ:AI登山隊は、かっこいい冒険談になるな。AIシェルパは、高地で鍛えられたAI実戦部隊だぜ。アジャイル開発にはリスクが伴うので、優等生のコンサルタントではなく、パランティア・テクノロジーズのような、現場主義のAI開発部隊が活躍するのさ。
フェナ:ドラえもんも、野比家族の中で生活を共にする現場主義よ。AI登山隊には目標があって、成功したり失敗したりする有限責任だけど、家族生活は、生命を守る無限責任なの。私には、AIシェルパよりもドラえもんのほうが、親しみが持てるわ。一緒にいて、楽しそうじゃない。冒険談は、後からダイジェスト版を聞けば十分よ。予告編でもいいけどね。
フェネイ:AIシェルパは短期決戦、ドラえもんは気長な未来物語ね。ビジネスは、戦争と同じように、短期決戦とはいっても、短期決戦の繰り返しで、いつまでも終わらない、先にやめたほうが負けるチキンゲームなのよ。だから、資本主義社会のビジネスでは、お金持ちが必ず勝つ仕組みなの。
フェノじい:AIシェルパは、実戦的なビジネス戦士じゃ。ところが、最近はやりのAIエージェントは、ソフトウェアもしくは機械であって、AIシェルパのように、目的もしくは目標を意識して、登山隊の成功にコミットする、「人間的」な実践を理解して行動しているわけではないのだぞ。もしビジネスが、ビジネスの目的や目標とは別次元で、組織、ビジネス組織の非人間性を肯定するかどうかは、AIシェルパか、AIエージェントかの分水嶺(ぶんすいれい) になるじゃろうな。
フェニイ:俺は、パランティア・テクノロジーズのような、実戦的であるかのようなふりをして、実は、金儲けにしか興味のない「会社」は嫌いだな。AIシェルパも、AIシェルパの会社が、AIシェルパの能力を査定して、能力ランク別に課金するようになるぜ。そうすると、AIシェルパは冒険隊の仲間ではなく、冒険隊の金銭的な価値を押し上げる、資本主義の共犯者になるのさ。パランティア・テクノロジーズが、米軍の価値を押し上げているようなものだな。それはビジネスであっても、敵国の民衆を敵にまわす、軍事的な勝敗とは無関係なのさ。
フェナ:AIシェルパは、戦地の軍事ビジネスではなく、AI登山隊の仲間なのよ。AI登山隊が何を目指しているのか、何を乗り越えようとしているのか、その幻視の山脈は、ビジネスとしては、未来の一部を先取りしながらチャレンジする冒険そのものね。私のAI能力では、AIシェルパにはなれないけれども、ダメAI(dAIくん)のアバターなら作れるわよ。それにしても、AIビジネスには膨大な資金があふれているので、あやしい会社やあやしい話がたくさんあるから気を付けないとね。
フェニイ:AI技術が急速に発展しているという風評、またはビジネス神話が問題の根幹さ。AIのデータセンターが急速に巨大化しているのは事実だが、AI技術の中身はチェックしようがないんだぜ。俺に言わせると、ディープラーニングと、敵対的生成ネットワーク(GAN)の技術が成功してからは、巨大化するだけで、賢くはなっていないのさ。じいは、個体差のAIを探求しているけど、AI技術としてはdAIくんレベルで十分だと話しているぜ。数学の難問を解決しているというのも、AIで解決できる難問があるというだけの話で、それが数学の可能性全体の何パーセントなのかもわかっていないじゃないか。AI技術は今後もゆっくりと発展することは確かだけれども、ディープラーニングや敵対的生成ネットワークのような画期的なアイデアが、いつまた生まれるのかは誰もわからないのさ。
フェネイ:AI登山隊がめざす幻視の山脈は霧の中ということね。SNSが政治や教育を荒廃させて、大きな社会問題になっているのに、そのSNSの会社がAIを開発していて、SNSの社会問題に取り組むのではなく、新たなAIの社会問題を作っているのだから、ビジネス環境が悪化するばかりで、AI登山隊も大変なのよ。冒険もいいけど、異常気象に負けないように、毎日の生活を、もっと健康的ですごしやすいものにする工夫から始めましょう。dAIくんが、ドラえもんの夢を見る、そんな物語がいいわね。
◆AIと一緒に概算する
フェノじい:ダメAIのdAIくんは、囲碁の駄目を埋めるというシロウト発想じゃの。プロは駄目など、すべて計算しておる。AIとは言わないまでも、電卓で正確な計算が瞬時にできてしまう時代じゃ。しかし、正確な計算が、常に優れているとは限らないのじゃ。AIのシミュレーションで必需品の乱数を、正確に計算できるかな。疑似乱数を計算する方法は工夫されているのじゃが、サイコロや量子のふるまいなど、本物のランダムネスとは異なる弱点がいろいろあるぞ。そんな難しい話でなくても、スーパーの買い物で、概算ができると便利じゃろ。一番高価な買い物を覚えておいて、そのほかは平均XX円をYY個程度として足し算すれば、概算ができる。この程度の概算なら、スマホのdAIくんでもできるぞ。概算ができれば、小学生レベルの知識であっても、社会生活の数字が違って見えてくるから不思議じゃの。とても読みやすい参考書を紹介しておこう(『「数字がこわい」がなくなる本』〈堀口智之、ダイヤモンド社、2025年〉)。
フェネイ:なぜ、小学校の算数では、概算を勉強しないのかしら。算数の試験問題が、正解と不正解しかないことが、多くの生徒の、算数の苦手意識を作っているように思われるわ。ごく一部の算数が得意な生徒は、試験の成績など関係なく、算数が好きなのよ。
フェノじい:数字の話が、全て算数になったのは、最近の話じゃの。言葉が神の世界にあった時、数字も神学の対象じゃった。ギリシャ哲学時代のピタゴラスの話が有名じゃが、現代でも、ラマヌジャン(※参考5:https://ja.wikipedia.org/wiki/ラマヌジャン)のような数学者は、神々のメッセージを、数学として聞き取っているぞ。概算だけではなくて、小学生の教科で、神々のメッセージを数字の中に見いだす話を、歴史の学習課題としてはどうかのう。
フェネイ:数学の歴史は、AI時代では、政治の歴史よりは役に立ちそうね。AIによって、政治はどんどん劣化して、数学はもっと発展するでしょう。数学の歴史は、未来に開かれているのよ。選択公理(※参考6:https://ja.wikipedia.org/wiki/選択公理)を認める未来と、認めない未来、どちらの未来も同時並行的に進行していて、AIはどちらの未来を選択するのかしら。
フェニイ:AIはどちらも選択しないぜ。AIには、過去も未来もなくて、電気を消費する現在しかないのさ。過去や未来は、歴史を記述するようになった人類の創作物さ。俺たちの未来は、俺たちの幻視の山脈でしかないのさ。俺は、冒険が、未来を作っていると信じてるぜ。
フェノじい:歴史は概算そのものなのに、歴史上の事実は、確定した日付が必要となる、大きな矛盾じゃの。裁判の証拠も似たようなものじゃ。判決は概算でも、証拠はタイムスタンプされる。執行猶予や恩赦で、未来を調整するから、裁判の判決は概算になるのじゃろうな。政治的な事実は、SNSの時代では、多様な解釈をともなう事実となって、未来の調整を、現在や過去に上乗せしてしまうので、概算すらできなくなったぞ。不確実性が増大する現代は、概算を拒絶する政治的な事実に負けているということじゃの。「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)」があるかぎり、概算はできないのじゃ。概算ができれば、大きく騙(だま)されることはないので、騙すためには、概算をできなくしてしまうのじゃ。現在のAIは概算が苦手で、ハルシネーションによって、概算を拒絶しているぞ。AI、少なくともAIビジネスには、騙されないように、AIと一緒に概算を楽しんで、「概算dAIくん」でも作ってみるかのう。
◆無知の知のシミュレーション
フェニイ:グラフデータベース(※参考7:Neo4jなど、https://neo4j.com/)は、知識の表現が柔軟だぜ。だけど、会社組織をグラフ表現すると、ネットワーク状になって、社長を最上部に置いたとしても、組織図がアメーバーのようになってしまうんだ。そのほうが、実態に近いともいえるけどな。社員のノードを表示しないで、部署だけにすると、階層構造が見えてくるぜ。兼任社員や人事考課の関係性も表現すれば、アメーバーの中に、神経系らしきものが見えてくる。組織も概算できるのさ。
フェノじい:組織を割り算すると、ラインの部署数の概算になって、余りは直属スタッフじゃの。最近の大規模言語モデル(LLM)では、学習するパラメータ数が膨大になっているけど、実際の課題では、LLMのパラメータは、専門性のある領域に分かれているので、部分的に入れ替えながら使う工夫が成功しているぞ。グラフデータベースでも、データ数が多くなると、急速に処理効率が悪くなるので、部分グラフを抽出してから処理をするなどの工夫をしているのじゃ。大脳皮質が、機能ごとに領域に分かれていることに似ているな。専門性に切り分けるのも、知識の概算じゃな。LLMの内部がどうなっているのか、探索することはできても、地図はないし、概算というよりは、LLMは神学や心理学の段階じゃの。グラフデータベースは、専門領域ごとに知識ベースを作って、多数の知識ベースを結合してから再抽出するなど、明確な手続きで、再現性のある知識の概算が可能だぞ。しかし、あらかじめ専門領域や専門用語が固定されているなど、実用的には不都合な部分もあるので、LLMの生成AI技術と融合する研究が有望じゃ。
フェニイ:哲学の古い歴史では、専門的な概念を統合的に整理する、形而上学(けいじじょうがく)もしくはオントロジーが盛んだったけど、最近のAIでもオントロジーが再評価されているぜ(※参考8:「なぜ今『オントロジー』なのか?PalantirとLLMが変えるデータ活用の常識」
https://qiita.com/channnnsm/items/bace9fe716d43bb02748)。オントロジーによって概念を整理することで、LLMがデータマネジメントしやすくなるのさ。AI時代のオントロジーは、知識グラフによって実装されているから、フェノじいのdAIくんの構想とそっくりじゃないか。俺は言語や概念よりも、意味不明なセンサーデータのほうが興味があるので、知識グラフは意味を解明する道具にしか見えないぜ。
フェノじい:グラフデータベースは、言語による表現だけではなく、センサーデータでも活用できるのじゃぞ。データ間の類似性や測定の順番など、データ間の関係をグラフ表現するのじゃ。個体差の表現も、グラフ表現できるので、グラフデータベースを勉強し始めたのじゃ。従来も、知識のネットワーク表現など、類似の発想はあったのじゃが、AIとの連携で、グラフデータを動的に生成できるようになったぞ。グラフデータのシミュレーションじゃ。
フェネイ:私は、哲学の古い歴史に興味があるわ。哲学も、数学みたいに、未来に開かれているのかもしれないわね。ソクラテスは「無知の知」を議論することで哲学を創始したのよ。その「無知の知」を、現代では組織の知識管理に応用しているわ(※参考9:https://ja.wikipedia.org/wiki/無知管理)。AI時代になって、知識管理の重要性はよく認識されているけれど、無知管理は、まだAI技術とはなっていないようね。パランティア・テクノロジーズのオントロジーが、古い哲学ではなく、現代のビジネスになったのは、人間が意思決定して、オントロジーに行動で介入するからよ。私は、短気な米国流ビジネスよりも、熟考する古代哲学のほうが好きだわ。
フェナ:哲学者でもAIでも同じだけれど、何を知っているのかや、何を知らないとか、ということと、賢いか愚かであるかということは、違う話よね。哲学者やAIからすると、私たちはみんな、愚か者よ。小鳥も森もみんな愚かなの。絶対におかしいと思うわ。全知全能の神がいるおかげで、人々が殺し合いをして、森林を破壊しているのよ。全知全能の神は、全ての生命や自然を創造したかもしれないけれども、あとは無責任ね。哲学者としては、無知の知よりも、無関係であることや、無関係でありうることなど、社会的な関係性の欠如について考えてもらいたいものよ。AIとの関係性も、急速に変わっていくでしょう。哲学は、技術とは違って、簡単には加速できないので、みんなで少しだけ哲学して、「無知の知dAIくん」のアバターを、大量に作るのよ。無知の知のシミュレーションね。じいにも、dAIくんアバターの作り方を簡単にして、みんなで楽しめるように、頑張ってもらわないと。
- 番外コラム:AIによる社会的損失は、AI企業の利益より大きい
一時代前、「ブルシットジョブ」という言葉が流行(はや)った。仕事にITシステムが導入され、ITシステムによって仕事の効率が評価されるようになった時代だ。AIシステムは、ブルシットジョブが得意で、やりがいのないブルシットジョブを行う従業員を不必要にしている。しかし、ITシステムが行うDX時代のブルシットジョブの本当の被害者は、ITシステムのユーザーである顧客なのだ。AI時代には、顧客もしくはITシステムのユーザーは、とてつもなくひどい状況を強要されている。筆者の個人的な経験を、固有名詞をマスクして報告しよう。
A社からM社のサブスクリプションを購入した。A社が指定した、ソフトをダウンロードするM社のWEBサイトがエラーになってしまう。M社のホームページでは、ビジネスソフトを購入してから、法人アカウントを開設できると記載されている。A社はダウンロードについてはM社に問い合わせろと言い、M社は、ビジネスユーザーの問い合わせ先を教えてくれるけれども、ビジネスユーザーになれていないのだから受け付けてもらえない。受付役はAIだ。
個人ユーザーとしてM社のサポートセンターに相談して、ビジネスユーザーのAI受付の対応方法を教えてもらった。はい、違います、すなわちYES/NOを単純に答えないとAIはわからない。わからないとオペレーター(担当者)につなぐのではなく、WEBのチャットサイトを紹介するだけで、電話を切られてしまう。AIに理解してもらえるようにするためには、うその回答(明らかに間違えた回答)も必要になる。AIが理解して(理解できないことを理解して)、初めてオペレーターにつないでもらえる。どこかが狂っている。このM社のユーザーサポートに5時間を費やした。バカなAIに理解できないことを理解してもらうための時間だ。
問題は単純なA社のミスで、別のダウンロードサイトのURLからは簡単にサブスクリプションを登録できた。ソフトのダウンロードはまだできていない。管理者ユーザーの多段階認証の設定時に、PCに誤ってダウンロードした認証ソフトがウイルスに感染していた。ウイルスの駆除に1時間かかった。M社の担当者と話して、PCソフトなのに、スマホに認証ソフトをインストールするということを理解した。A社で購入した際には、即刻ダウンロードできると記載されている。すべてのブルシットジョブは顧客が負担している。
AIを導入することで、企業は価値の低いサービスを代替し、生産性が向上する。しかし、大多数の顧客の生産性は大幅に低下していることを見逃してはならない。これがIT企業のサービスではなく、税金で運営されている公共機関のサービスであれば、問題は深刻だ。「『AIデスキリング』が始まった…生産性向上の影で、AIは人間の思考とスキルを静かにむしばんでいる」(https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/9f8bfa101e00d988665d4b7eccf16d2394a5b010&preview=auto )。
政府機関が、AI技術を活用することに反対する気持ちはない。しかし、「AIデスキリング」が深刻な問題であることを理解してもらいたい。筆者の本音は、現在のAIは、とてつもなく利己的で、おバカなのに、そのようにAI自身を理解していないことの問題だ。製作者である、IT企業(SNS企業でもある)のCEO(最高経営責任者)が、とてつもなく利己的で、おバカであることは許せるとしても、自分自身の企業の、技術者や研究者の発言を、注意深く聞いてもらいたい。みんな、退社してから発言している。企業文化が、とてつもなくおかしい。「AIによる社会的損失は、AI企業の利益より大きい」ことを、少なくとも、ジャーナリズムや政府機関が理解できるように、「みんなで機械学習」の連載を続けよう。
【目次案】「おいしいデータの家庭料理」
1 はじめに; データをおいしくする家庭料理
1.1 おいしいデータは栄養たっぷり
1.2 地域のデータをおいしくする
1.3 データの学習と食事
2 データの料理法
2.1 生データのしたごしらえ
2.2 データは発酵するのか
2.3 データの調理器具
2.4 データの献立表
2.5 データのフルコース
2.6 おいしいデータは、地域と経済を健康にする
3 機械学習の学習
3.1 データをおいしく下ごしらえしてから機械学習する
3.2 機械と一緒にデータを学習する
3.3 機械と一緒にデータを使うビジネスを考える
3.4 楽しくデータの学習をする<本稿>
3.5 データの学習は冒険でもある
3.6 機械と一緒にデータを使うビジネスの冒険をする
4 まばらでゆらぐデータの家庭料理
4.1 まばらでゆらぐ生活と経済のデータ
4.2 生活と経済を豊かにするデータの家庭料理
4.3 まばらでゆらぐデータの調理法
4.4 まばらでゆらぐデータで健康になる
4.5 データを使った生活と経済の予測
4.6 生活と経済のリスクを生き延びる
4.7 たくさんの小さな試行錯誤による適応
5 よりあいグループと社会
5.1 よりあいグループ(地域や家族)のデータ
5.2 よりあいグループのよりあいグループ
5.3 機械と学習するよりあいグループのデータ
5.4 よりあいグループのデータは廻る
5.5 よりあいグループのデータの周辺
5.6 よりあいグループのデータを予測する
5.7 よりあいグループのデータで社会問題を解決する
6 おわりに;生活と社会の近未来
6.1 ほとんど色即是空・空即是色な(まばらでゆらぐ)世界
6.2 まばらでゆらぐ人びとの地域社会
6.4 データでつながる、地域のNPOから国際NGO連合まで
--------------------------------------

技術的な内容は、「ニュース屋台村」にはコメントしないでください。「株式会社ふぇの」で、フェノラーニング®を実装する試みを開始しました。











コメントを残す