山口行治(やまぐち・ゆきはる)
株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
健康な日常生活では、身体(からだ)が動くことにあまり疑問を持たないだろう。それでも健康のために運動をすることもあるかもしれないし、スポーツで運動能力を競うことがあるかもしれない。年をとると関節が痛くなり動きたくなくなるかもしれない。物理学ではニュートン力学の運動が出発点になる。しかし、点の直線的な運動や、砲弾の放物線的な運動は、身体の運動とは全く異なる「運動」であって、私たちは身体の運動を数学的な意味でほとんど理解できていないという反省から始めたい。
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