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7つの目標と30の習慣―コロナに打ち勝つ小さな知恵
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第210回

1月 21日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

◆藤井聡太と大谷翔平

前回1月7日付の「ニュース屋台村」第209回では「コロナも悪いことばかりじゃない?」と題して、コロナがもたらした「不自由」を逆手にとって、私自身が新たな挑戦を試みていることを紹介させていただいた。しかし、ピンチをチャンスに変えているのは決して私だけではない。年末年始には過去のテレビ番組が頻繁に再放送されたが、NHKスペシャルで将棋の藤井聡太四冠と野球の大谷翔平選手の特集がそれぞれ取り上げられた。その番組によると、彼らも不自由な時間を活用して新たな次元への飛躍を実践したようである。

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「地政学」について考える(その6)-米中対立
『視点を磨き、視野を広げる』第57回

1月 12日 2022年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

はじめに:グローバル資本主義

今回は、米中対立の背景としてのグローバル資本主義について考えたい。グローバル資本主義とは、ヒト・モノ・カネの国境を超えた自由な移動による効率性向上で収益を追求する現代の資本主義システムを表す言葉である。前稿では、格差研究で知られる米国の経済学者ブランコ・ミラノヴィッチ(ニューヨーク市立大学大学院客員教授)著『資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来』を参考にして、米国=リベラル能力資本主義、中国=政治的資本主義という特徴を比較した。ただし本書では、米中対立を「民主主義対専制主義」のように対立的に捉えるのではなく、資本主義システムとしての同質性に注目した考察がなされている。そうした両国を結びつけているのは、グローバリゼーション(グローバル化)である。そこで本稿では、本書が提示する三つの視点――エレファントカーブ、アンバンドリング、移民と腐敗――からグローバル化を捉えることで、グローバル資本主義の光と陰が米中関係に与える影響について考えてみたい。

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コロナも悪いことばかりじゃない?-新年の抱負
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第209回

1月 07日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

2022年もコロナとともに始まった。コロナと「共生」してもうすぐ2年になる。いつになったらこのコロナは収まるのであろうか? 「ニュース屋台村」でも以前ご紹介したが、20年9月時点の欧米のインターネット上の論文を分析したところ、「コロナの感染収束時期について政治経済の専門家は21年、医療関係者は22年、感染症専門家は23年が大勢」であった。人間はついつい自分に都合の良いほうに物事を解釈する「正常性バイアス」という性質を持っている。このためコロナ収束についても楽観的見通しが多く存在した。しかし現在は楽観論だけでなく、コロナ収束にあと数年かかるという慎重な声も聞こえてくるようになった。

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私たちの年金は本当に支払われるのだろうか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第208回

12月 17日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

前回12月3日付の拙稿第207回「増え続ける日本政府の借金!誰がこれを払うのか?」で日本の財政問題を取り上げた。1400兆円にまで膨張した日本政府の借金は、いずれ私たち国民が何らかの形で払うことになる。その弁済方法は「相続税、消費税などに徴税強化」「ハイパーインフレによる国民資産との相殺」そして「年金などの不払い」の三つになるだろうということも指摘した。このうち年金については、

①現在の1年あたりの年金給付額が53兆円と日本のGDP(国民総生産)の約1割を占めるほど膨大な金額であること

②年金の運営母体が実質日本政府であり、被保険者である国民からの保険料徴求が税金に準じるものになっていること

③年金給付が国民から徴求する保険料収入だけでは足りず財政支出で補填(ほてん)されているが、その国庫負担額が国家財政の歳出項目の最大のものになっていること

などから水膨れした日本政府の借金の影響を受ける可能性が最も高い。

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コロナのトンネルを抜けると…
『山田厚史の地球は丸くない』第202回

12月 10日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

コロナ感染の小休止で、人と会う機会が増えてきた。話題になるのが「来年はどうなるのかな」である。コロナはいつまで続くのか? 経済の本格的な再開はいつごろか? 期待と不安が交錯する。

経済の先行きは、コロナ次第だろう。そのコロナがどうなるか、誰も分からない。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の正体はまだ不明だ。感染力はかなり強い。重症化する人はさほど多くはない、ともいわれる。

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個人消費はなぜ低迷するのか~貯蓄を増やし続ける高齢者
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第50回

12月 06日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

経済学の学説に「ライフサイクル仮説」がある。一生涯を通してみると、現役の間は所得の一部を貯蓄に回し、引退後は貯蓄を取り崩して消費に充てる、というものである。貯蓄は将来の消費のため、というわけだ。

きわめて自然な考え方にみえるが、実際には、日本の高齢層は引退後も貯蓄を増やし続けている。あくまで「世帯平均」の話だが、どうしてこうなるのか。

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増え続ける日本政府の借金!誰がこれを払うのか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第207回

12月 03日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私たちは日ごろ生活を送る中で「他人からお金を借りること」がある。生活資金を親から借りたり、住宅取得資金を銀行から借りたりする。しかしこうした「借りたお金は返さなければいけない」ことは誰でも知っている。人として生きていく上での当たり前の規則である。ところがこうした常識が「国の借金」となると全く当てはまらなくなる。日本国民は「国の借金はいずれ雲散霧消してしまうものだ」と信じているようである。さもなければ「多額の借金があるという事実から目を背けている」だけなのかもしれない。しかし国の借金といえども、いずれ誰かが借金の返済を迫られるのである。

矢野康治(こうじ)財務事務次官が月刊「文芸春秋」11月号に、「このままでは国家財政は破綻する」という記事を寄稿した。衆議院選挙前の10月19日にこの記事が公表されると、マスコミの間では一時、蜂の巣をつついたような騒ぎとなり「国家財政の健全化」議論に一石を投じた。今回の衆議院選挙ではコロナ禍の中とはいえ、与野党ともに財政資金の大判振る舞いを公約としていたからである。中には「国家公務員が公の場で自分の考えを述べるのがけしからん」といった国家主義的発言をした政治家まで現れた。

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「地政学」について考える(その5)-米中対立(3)
『視点を磨き、視野を広げる』第56回

12月 01日 2021年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

はじめに

中国共産党は今年11月の中央委員会第6回全体会議(6中全会)において「歴史決議」を採択し、日本経済新聞は一面トップで「社会主義回帰、資本主義と再び対峙」と見出しをつけた。米中対立は、資本主義対社会主義の対立の構図という理解は正しいのだろうか。

前稿では国際政治学者・佐橋亨(東京大学准教授)の『米中対立』を読んだ。佐橋は――米中対立は相互不信が根底にあるため長期化する――と見る。この見解に納得しつつも、対立の背景にグローバル資本主義を重ねることによって、事象をより構造的に理解できるのではないかと考えた。すなわち――米ソ冷戦の終焉(しゅうえん)を資本主義と民主主義の勝利だと信じた米国は、それを世界に拡大するためにグローバル化を牽引(けんいん)し、巨大市場を持つ中国をW T O(世界貿易機関)に招き入れた。中国は、グローバル資本主義への参加によって経済力を飛躍的に高めることで富国だけでなく強兵も実現した。米国は、中国が経済発展に伴い民主化を進めて米国が主導するリベラルな国際秩序に従うことを期待したが、それは裏切られた。不信感を強めた米国は、中国の軍事的伸張に危機感を募らせて対中強硬策に転じ、それに中国が反発して相互不信に陥り、対立が激化した――。

しかしながら、この理解は「中国とは何か」という考察が十分ではないことに留意しなければならないと考えている。そこで今回は、中国への視点を持った本として米国の経済学者ブランコミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』を取り上げたい。

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令和の石油ショック「化石」の逆襲
『山田厚史の地球は丸くない』第201回

11月 26日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

石油の時代はもう終わる。そんな「エネルギー革命」に逆らうかのように原油価格が上昇している。ガソリンが上がるだけではない。燃料費の高騰は物流費や生産コストを押し上げる。アメリカでは消費者物価指数(CPI、季節調整済み)が10月、前年同月比6.2%増に跳ね上がり、31年ぶりの上げ幅となった。デフレの暗雲が漂っていた世界は、にわかにインフレへと目を向けるようになった。

原油・資源・食糧などの価格高騰を「一時的な現象」と見るエコノミストは少なくなかった。新型コロナの蔓延(まんえん)で世界経済は1年余も落ち込み、需要不足から様々な分野で生産が停滞、供給は絞られていた。ところが、感染が一服し、アメリカを先頭に需要が回復。経済が軌道に乗ると今度は、供給が追いつかない状況が生まれた。企業は素材・原料の確保に走り、春先からモノ不足が顕在化した。

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日本の衰退30年-その間に中国は何をしてきたのか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第206回

11月 19日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本は名目GDP(国内総生産)では依然として世界第3位の経済大国であるが、過去30年その総額はほとんど伸びなかった。その結果、日本の1人当たりの購買力平価GDPは世界193か国中33位で、韓国の後塵(こうじん)を拝することになってしてしまった。一方、中国は過去30年にわたり急速に経済発展を遂げており、2010年には日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位の経済大国となった。2020年の中国と米国の名目GDPの差は約6兆ドルまで縮まっており、2028年にも中国が米国を抜くとも言われている。

しかし、日本のマスメディアの記事を見ていると、中国の大手不動産会社である中国恒大集団の支払い不履行問題や、世界的なエネルギー危機から「中国経済の破綻(はたん)」を予想する論調が目につく。私たち日本人は本当に中国の実像を理解しているのであろうか? 私の知る中国人の支配者階級の人たちは、必死になって日本を研究し日本を追い越していった。京セラの創始者である稲盛和夫氏の主宰する経営学の勉強会「盛和塾」が、日本よりも中国で人気を博したことからもこのことはわかるであろう。いまや中国の名目GDPは日本の3倍である。今こそ私たち日本人は冷静に中国を分析し、必要なものは中国から学ばなければいけない時に来ている。今回は、中国の過去30年の発展の要因をデータから読み取っていきたい。

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