古川弘介(ふるかわ・こうすけ)
海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
◆はじめに
前稿「円安」では、大幅な円安にもかかわらず、貿易収支が赤字を計上している要因として貿易構造の変化――円安でも輸出数量が伸びない――について考えた。
本稿では、貿易収支が赤字になっても経常収支が黒字を維持している理由――経常収支の構造変化――とは何かについて確認する(論点1)。次に、経常収支黒字は今後も維持可能か(論点2)、そして経常収支赤字が意味するもの(論点3)、について考えたい。そして前々稿「インフレ」、前稿「円安」を含めた全体のまとめを行いたい。
なお、本稿では日本企業の為替戦略の研究で知られる経済学者の佐藤清隆(横浜国立大学教授)、為替市場の動きに詳しいエコノミストの唐鎌(からかま)大輔(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト)の論考を前稿に引き続き参考とした(巻末書籍参照)。 記事全文>>

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。








