北見 創(きたみ・そう)
日本貿易振興機構(ジェトロ)カラチ事務所に勤務。ジェトロに入構後、海外調査部アジア大洋州課、大阪本部ビジネス情報サービス課を経て、2015年1月からパキスタン駐在。
パキスタンの輸出全体が減少傾向にある中、衣料品の輸出は好調だ。コストが増加する中国から、パキスタンへ調達をシフトする動きがある。世界銀行の試算では、中国製衣料品の価格が1割上昇すると、パキスタンから米国への衣料品輸出が25%増加するという。パキスタンは綿糸と綿布の生産地という印象があるものの、他国と比較して、衣料品の調達先としても劣っていない。課題は地場企業の意欲と意識、そして女子工員と中間管理職の不在だ。
◆衣料品の輸出が増加
パキスタンの2015年度(7月~翌年6月)の輸出額は、前年度比8.6%減の220億ドルと、2年連続で減少した。一方の輸入は2.0%減の404億ドルとほぼ横ばい。年々拡大する貿易赤字は悩みの種だ。
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