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人事政策の抜本的改革の提言(その2)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第198回

7月 23日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本は世界の他の国々と比べてみると、極めてユニークな雇用慣行を採用している国である。それが「終身雇用」と「年功序列賃金」である。なぜ日本はこのようなユニークな雇用慣行を採用してきたのであろうか? その理由を知るには日本の歴史を振り返る必要がある。第2次世界大戦によって社会的な働き手世代(生産年齢人口)を大量に失った日本は、人手不足を補うために若手の未経験者を採用するしかなかった。戦時中の日本政府の「産めよ、殖(ふ)やせよ、国のため」政策により発生した団塊世代の人たちである。しかし、未経験者に対して復興過程の日本企業は高額の賃金が払えない。一方で「金の卵」である若手労働者を他社に引き抜かれないようにしなくてはならない。こうした時代の必然によって生み出された雇用慣行が「終身雇用」と「年功序列賃金」である。この制度の本質は「キャリアの途中までは貢献度より低い給料を支払い、50歳くらいで貢献度より高い後払い賃金をもらえる」という「生涯賃金の後払い」の仕組みである。

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人事政策の抜本的改革の提言(その1)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第197回

7月 09日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

コロナ渦で世界の先進諸国との対比で経済力や技術力の劣化が顕在化してきた日本の「コロナ敗戦」。その「コロナ敗戦」から立ち直るため、前回の拙稿第196回「人事部と企画部を解体して『コロナ敗戦』から立ち上がろう」(6月18日付)で、人事部門と企画部門の撤廃を提言した。そもそも経営者の職場放棄と人事・企画両部門の自己増殖機能で、日本独自の形態で人事部と企画部が強大化してしまったのは既に論じてきたとおりである。私が勤務経験のある米国、タイとも、会社内に企画部は存在しない。また日本の影響力の強いタイでは、日本型人事制度も導入されているが、日本の会社のように人事部が人事権を持ち強大化していることはない。オーナー経営者が大半のタイ企業にあって、経営者の権限をおびやかすような組織は成立しないのである。

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人事部と企画部を解体して「コロナ敗戦」から立ち上がろう
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第196回

6月 18日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

コロナ禍の中で世界の先進諸国との対比で日本の経済力や技術力の劣勢が顕在化してきた。名付けて「コロナ敗戦」である。人は単純明快な理屈を好む。そのため今回の日本の劣勢の原因を「新型コロナウイルス」と「デジタル力」に結び付けて語りたがる。しかしタイに住む私はかねて、日本の製品がアジア市場で徐々に存在感をなくし、中韓企業などに取って代わられているさまを目の当たりにしてきた。そしてその事実を10年近く、この「ニュース屋台村」に投稿してきた。

さらに新型コロナウイルスは日本の実力低下をいっそう加速させてしまった。人は見たくない現実から目をそらす。しかしさすがに国内にいる日本人も「コロナ敗戦」を認めざるを得ないほどの状況になってしまった。だが、その原因を「コロナ」や「デジタル力」だけに起因させるとしたら、日本は何も反省していないことになる。幾重にも複雑に絡み合った構造問題がそこに横たわっている。今回はそのうちの一つ、日本の組織・体制の在り方に焦点を当てて論じてみたい。

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科学的なGAFAとコロナ敗戦国・日本
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第195回

6月 04日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

新型コロナウイルスの第一波感染が世界的に拡大していた昨年7月、京都大学iPS細胞研究所所長でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授が、NHKスペシャルの「人体VSウイルス」に出演されて「このコロナとの闘いは、人間とコロナの戦争になるかも知れません」と語っていたのを記憶している。またコロナウイルスの知見がそれほど世の中に出回っていない頃に、山中教授は既にこうしたことを述べていたのを鮮明に覚えている。併せて、「コロナと闘うためには科学的な思考方法によらなければならない」とも発言していた。私はこのNHKスペシャルを見る前に、スウェーデンの感染学者であるハンス・ロスリングの『ファクトフルネス』(日経BP、2019年1月)を読んでいた。ハンスはその著書の中で感染症の恐ろしさを説くとともに、まだその脅威が完全に克服されていないとしていた。このため私は山中教授の意見にもあまり驚かなかった。

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GAFAの知恵、日本の企業経営者はその経営手法を勉強しよう
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第194回

5月 21日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

GAFAとはIT業界に君臨する米国の四つの巨大企業グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の頭文字を取って名付けられた4社の総称である。いまや私たち日本人はこれら4社のサービスなしで生きていくことは考えられない。それほどにこの4社のサービスは私たちの生活の奥底に入り込んでいる。また昨年来、新型コロナウィルスが世界中に蔓延(まんえん)してからは、この4社はますます好調のようである。コロナ禍でこれら4社の業績は伸長しており、旧常態に生きる企業とは対照的な様相を見せている。しかし、これら4社の業績好調の理由は「IT企業だから」というだけでは決してない。その好調な業績の背後で、彼らは極めて科学的で合理的な「勝ちゲーム」を展開しているのである。

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コロナ禍の中で透けて見えるタイ政治の深層
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第193回

5月 07日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

新型コロナウイルスは人々の活動を停滞させる。感染者の飛沫(ひまつ)を短時間浴びただけでコロナに感染する恐れがある。当然のことながら、人々が直接対面する機会は減少する。経済も企業活動も、そして政治までも何も動いていないように見えてしまう。しかし、果たして本当にそうなのであろうか。前回第192回の拙稿「感染急拡大 タイのコロナ狂騒曲」(4月19日付)で、4月に入ってタイでもコロナの感染が急拡大していることを報告した。1か月近く経ってタイ政府もようやくバンコク首都圏、チョンブリ県、チェンマイ県などの計6都県で部分的ロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。タイ全土で、公園を含む娯楽施設や教育施設を閉鎖。デパートや商業施設の営業時間は午後9時まで。飲食店でのアルコール飲料の販売も禁止された。また公共の場でのマスク着用も義務化され、違反者には最高2万バーツ(約7万円弱)の罰金が科せられる。これに加えて、バンコク首都圏など計6都県では飲食店での食事が禁止され、20人以上の会合も禁止された。タイでは1日あたりの感染者数が2000人を超える日も出てきた。人口比で考えれば日本並みのコロナ感染拡大がタイでも起こっていることになる。こうした背景には、タイの政治の変容が少なからず関係しているのではないだろうか。

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感染急拡大 タイのコロナ狂騒曲
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第192回

4月 19日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

タイの日本人社会に激震が走った。タイの日本人社会のトップである「梨田和也駐タイ日本国特命全権大使(以下梨田大使)が新型コロナウィルスに感染した」というニュースが4月3日に日本人社会を駆け巡った。その後の新聞報道などによると、梨田大使は3月25日に在タイ日本大使館であった行事の後、その出席者たちとともにバンコク市内のナイトクラブで新型コロナウイルスに感染したようである。体調を崩した梨田大使は3月29日にPCR検査を受けて陽性が確定し、4月3日に感染事実が公表された。

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コロナ禍で科学的に生きることの難しさ
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第191回

4月 09日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私たち現生人類であるホモサピエンスが科学を使い始めてから、実は400年程度しか経っていない。そもそも私たち人類が宗教を始めたのが、今から7万~10万年前だと推測されている。その当時の死者の埋葬跡が見つかり、その埋葬方法から宗教的な儀式が行われた様子がうかがえる。さらに3万年前の洞窟(どうくつ)の壁画から動物を擬人化した絵が見つかり、このころには宗教はすっかり人類の間には定着してきたようである。 記事全文>>

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AI時代を生き抜くためにやるべきこと
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第190回

3月 26日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

前回の拙稿(3月12日付第189回「AIと人間は何が違う? AIを正しく恐れよう」)で、AI(人工知能)と人間の脳の構造に焦点を当て、それぞれの機能の違いについて私の考え方を説明させていただいた。人間の脳の構造はAIに比べてきわめて複雑であり、非効率な作業を行っている。しかし、こうした非効率性が「分類認識」「因果関係を伴う論理」「創造性」といったAIが持ちえない人間独特の能力をつくり出している。一方で、脳構造の非効率性ゆえに「大量データ保有」や「計算速度」については、人間はAIにかなわない。現在のAIは、人間と「似て非なるもの」なのである。 記事全文>>

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AIと人間は何が違う?-AIを正しく恐れよう
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第189回

3月 12日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

コンピューターの発達が急速な勢いで私たちの生活の変化をもたらしている。日本では最もなじみの深いITメーカーであるアップルを例に取れば、同社が最初にアップル・コンピューターを販売したのが今から約50年前の1976年。その後、飛躍的に半導体技術が進化し、コンピューターの高度化、小型化が進行。さらに2000年代に入り、インターネット技術が急速に民間に普及し始める。 記事全文>>

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