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検察の独善と居直り
袴田さん無罪と捏造捜査
『山田厚史の地球は丸くない』第273回

10月 11日 2024年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「4人刺殺の犯人」という汚名に抗して58年間、無実を訴えてきた死刑囚・袴田巌さんが10月8日、晴れて無罪の判決を勝ち取った。

姉の秀子さんら支援者の活動がなかったら、死刑が執行されていたかもしれない。「無罪判決」にホッと胸をなで下ろす気分だが、この日発表された検察トップ・畝本直美(うねもと・なおみ)検事総長の「ビデオメッセージ」にがく然とした。

検察は、判決を批判し、自らの非を認めていない。冤罪(えんざい)を生んだ司法のゆがみに目を向けず、検察組織に潜む欠陥と向き合おうという素振りさえ見えない。この頑迷な独善が続く限り、日本から冤罪事件は無くならない、と強く思った。 記事全文>>

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「異次元緩和の罪と罰」
金融正常化はできるのか?
『山田厚史の地球は丸くない』第272回

9月 27日 2024年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「ニュース屋台村」執筆陣の1人、元日銀理事の山本謙三さんが『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書)を出版された。新書と思えない重い中身である。日銀が黒田東彦(はるひこ)総裁の下で、いかに異常な金融政策に手を染めたか。その結果、日本経済は身動きが取れない極めて危うい状況になっていることを淡々と述べている。豊富なデータとこれまでの経緯を紹介し、日銀がしでかしたことを「内部批判者」の視点で書き綴った渾身(こんしん)の一冊である。

「金融政策は難しくて、素人にはわからない」と目を背けがちだが、無関心でいるうちにとんでもない所まで来てしまった。「私たちはこれからどんなツケを払うのか」と本の帯にある。さあ、どんなツケが回ってくるのか。まずは読んで、考えていただきたい。 記事全文>>

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「新聞協会賞」は誰のため
赤旗の後追い朝日になぜ?
『山田厚史の地球は丸くない』第271回

9月 13日 2024年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

特派員としてロンドンで仕事をしていた時のこと。社内郵便で1通の封書を受け取った。差出人は、駆け出しのころ一緒だった社会部記者だった。

「懇意にしている検察幹部が、秘密会議でロンドンを訪れる。私的な旅行を装うため、奥様を同伴する。会議中、奥様ひとりになるので、申し訳ないが、市内の名所旧跡など案内してもらえないだろうか」

そんな内容だった。「大事なネタ元だから、よろしく」とあった。

彼は検察庁を担当していた。役所で昼間会えない検察幹部の家を夜訪ね、検察の動きを探る。家に上げてもらえる関係を作り、親しくなると相手がいなくても、奥さんと世間話をしながら帰宅を待つ。そんな夜回り取材から、ロンドンの会議を聞きつけ、「奥様、ご心配なく。うちの支局の者に案内させますから」と請け負ったらしい。 記事全文>>

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中国軍機の領空侵犯
怖いのは民意の暴発
『山田厚史の地球は丸くない』第270回

8月 30日 2024年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

中国軍の偵察機が日本の領空に入ったことが大騒ぎになっている。

「これ、マジで戦争一歩手前だよ! 政府は重要性がわかっているのか!!」。怒りを込めてXに書き込んだのは、作家の百田尚樹日本保守党代表。玉木雄一郎国民民主党代表は、自民党が総裁選をやっていることを挙げ、「権力の移行時期に領空を犯す行為を仕掛けるのは、偶発的行為ではなく、計画的かつ戦略的な行為。中国には厳重に抗議する」と語った。

領空侵犯が起きたのは8月26日。九州・長崎県西方の空域に中国軍の情報収集機「Y9」が飛来、午前11時29分から2分間、日本の領空に侵入した。その後しばらく周辺を旋回し午後1時15分、中国方向に飛び去った。緊急発進(スクランブル)した航空自衛隊の戦闘機が中国機に警告を発したが、応答がないまま領空に入ったという。 記事全文>>

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総裁選断念 岸田首相の大罪
戦後を戦前に変えた米国追従
『山田厚史の地球は丸くない』第269回

8月 16日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

8月14日午前、テレビ画面にニュース速報が流れた。「岸田首相、総裁選に立候補せず」。一瞬、驚いたものの、ひと呼吸おいて考えれば、「出馬断念」以外に選択肢はなかった。大統領選を断念したバイデンと同じである。本人はまだやりたかっただろうが、出馬しても勝ち目は薄い。敢えて再選にこだわれば自民党内で顰蹙(ひんしゅく)を買うだけである。

世論調査が弾き出す支持率は20%台。6月の国政補欠選挙では3つの選挙区で一つも取れなかった。岸田文雄総裁・麻生太郎副総裁・茂木敏充幹事長が自民党を仕切る3頭政治の足並みはもつれていた。岸田に勝機があったとすれば、麻生が接着剤になって「次は茂木で」と密約を交わし、3派の結束を固めて多数派工作に突き進む以外なかった。仮に、それで勝ったとしても、先に展望はない。

「岸田再選・首相続投」となれば、世間はしらけるだろう。党内政治の手練手管で権力を維持しても「変わらない自民党」への風当たりは強まるだけ。来年7月の参議院選挙でボロ負けし、責任をとって辞める、というのがオチではないか。地方組織からは「岸田で選挙は戦えない」との声が上がっている。 記事全文>>

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千葉・銚子でも身勝手な加計学園
経営破綻「撤退」尻は行政
『山田厚史の地球は丸くない』第268回

8月 02日 2024年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

購読している朝日新聞の千葉版に「加計学園」の記事が目立つようになった。

安倍晋三元首相の親友・加計孝太郎氏(73)が家業として経営するあの学校法人である。首相の威光で行政をねじ曲げ、獣医学部を愛媛県今治市に設立し、「縁故政治」が問題になったのは8 年前。今度は財政難にあえぐ千葉県銚子市を舞台に「身勝手な加計学園」が話題になっている。

千葉版を賑わせているのは、加計学園が千葉県銚子市に設立した千葉科学大学(2004年開学)。今治の獣医学部に劣らず「政治主導」で生まれたこの大学は、開設20年足らずで経営が破綻(はたん)し、「撤退」「身売り」が騒ぎとなっている。 記事全文>>

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「どうやらトランプ」に現実味
「誰になっても従う」日本?
『山田厚史の地球は丸くない』第267回

7月 19日 2024年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

120メートル先から放たれた銃弾が、演説中のトランプの右耳を撃ち抜いた。「1インチずれていたら米国の未来は変わったかもしれない」と米メディアは報じた。血にまみれながら星条旗を背に拳(こぶし)を高く掲げたトランプの映像が世界を駆け巡った。「互角」の緊張をはらんでいた米大統領選は一気に「トランプ当選」へと動くのか。 記事全文>>

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石破茂「日本は独立国ではない」
政治家が口閉ざす「日米同盟の闇」
『山田厚史の地球は丸くない』第266回

6月 28日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「私は、日本は独立国ではないと思っています」。自民党元幹事長・石破茂さん(67)の口からこぼれたひとことに、自民党政治家とは思えない正直さを感じた。

「失われた30年」を検証する民間人の学習会でのことだ。バブル崩壊後の日本で、政治が劣化していったのはなぜか、石破さんを呼んで話を聞こうということになった。

率直なやりとりができるよう発言はオフレコ。「ここだけの話」とすることで石破さんは引き受けてくれた。 記事全文>>

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東京都知事選 「小池劇場」最終章
変節 親自民 仲間の離反
『山田厚史の地球は丸くない』第265回

6月 14日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

およそ政治の表舞台に似つかわしくない人物が、「学歴詐称」で揺れる「小池劇場」に割って入った。朝堂院大覚(ちょうどういん・だいかく)氏。元ナミレイ会長で武道家でもあるが、石油権益や途上国の開発案の裏で名前が取りざたされ、「最後のフィクサー」とも評される怪しげな人である。6月11日に東京都庁クラブで記者会見した。小池百合子氏が一家でカイロに渡った経緯や、カイロ大学での進級試験に落第したことなどを語り、「『カイロ大学中退』と言えばよかった。卒業はウソです」と語った。

ほとんどの大手メディアは無視したが、会見の模様はユーチューブにアップロードされ、小池都知事の学歴詐称疑惑を注視する人たちの間では、「反論しようがない証言」などと言われている。 記事全文>>

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「政治の潮目」変わったか?
岸田・小池・蓮舫の現在地
『山田厚史の地球は丸くない』第264回

5月 31日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

全国各地の選挙で「自民党の敗退」が目立っている。

5月26日の静岡県知事選では自民党が推薦した元副知事・大村慎一氏が、立憲民主党などが推す元浜松市長・鈴木康友氏に敗れた。川勝平太前知事が「不適切発言」の責任をとって辞任し、急きょ行われた選挙で自民党は失地回復を狙ったが、果たせなかった。

自民党は4月28日の「国政3補欠選挙」で全敗するなど勢いにかげりが見えていた。保守地盤の厚い静岡県での敗退は、「有権者の自民離れ」を印象づけた。 記事全文>>

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