古川弘介(ふるかわ・こうすけ)
海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
◆はじめに―—「近代天皇制」と森友学園問題
『日本の「近代」とは何であったか』(三谷太一郎著)という本を道標に日本の「近代」への歩みを見ている。本書の四つの視点のうち、「政党政治」「資本主義」「植民地帝国」を終え、本稿では最後の「天皇制」について考えてみたい。
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海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
『日本の「近代」とは何であったか』(三谷太一郎著)という本を道標に日本の「近代」への歩みを見ている。本書の四つの視点のうち、「政党政治」「資本主義」「植民地帝国」を終え、本稿では最後の「天皇制」について考えてみたい。
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海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
現在の私たちが抱える諸問題の原点は、日本の「近代」の始まりにあると考え、この春に出版された三谷太一郎氏の『日本の近代とは何であったか―問題史的考察』(岩波書店、2017年)を読んでいる。同書は、日本の「近代」の概念把握の試みであり、その視点として「政党政治」「資本主義」「植民地帝国」「天皇制」の四つが示される。本稿では、「植民地帝国」の視点から、日本近代を考えていきたい。
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海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
現代社会が抱える不平等や貧困といった問題の原因を資本主義に探ってきた。前稿から少し視点を変えて、日本の「近代」が持つ意味を考えようとしている。日本の近代化とは「ヨーロッパ化」であったが、では日本はどのようにして「ヨーロッパ」の何を導入したのか。この日本近代の意味を探ることが、現代社会の問題把握に指針を与えてくれると考えたからだ。
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今年の春、萩(山口県)を訪れる機会があった。世界遺産に登録された幕末期の反射炉跡や造船所跡(*注1)を見学した際に、「2018年 明治維新150年」というポスターを目にした。「明治維新150年」という「区切り」と産業革命の萌芽といえる遺跡は、明治維新がもつ「断絶(非連続)」と「連続」を象徴している。
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海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
資本主義の問題点を4回にわたって考えてきた(第2稿から第5稿参照)。「貧困」「不平等(格差)」「不況(景気の変動)」という産業革命以来の問題は、「豊かな社会」の実現で大きく緩和・改善されてきた。しかしながら、再び「格差」の拡大傾向が見られるようになり、各国で社会の分裂が顕在化し政治的な動揺が見られる。
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金融機関に勤務。海外が長く(通算18年)、いつも日本を外から眺めていたように思う。帰国して、社会を構成する一人の人間としての視点を意識しつつ読書会を続けている。現在PCオーディオに凝っている。
銀行で働いていた頃の話である。若気の至りで正義感を振りかざした発言をしたところ、ある役員から「銀行員というものは、強きを助け、弱きをくじくものだ」と諭されたことがある。その時は反発を感じたが、時を経るに従ってその言葉の中にある真理を、諦観を伴って受け入れられるようになった。
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金融機関に勤務。海外が長く(通算18年)、いつも日本を外から眺めていたように思う。帰国して、社会を構成する一人の人間としての視点を意識しつつ読書会を続けている。現在PCオーディオに凝っている。
「あなたは今、景気が良いと思いますか?」。そう聞かれて、聴衆の1割程度の人がおずおずと手を挙げる。次の質問「では、悪いと思いますか?」には、あまり手が挙がらない。続けて質問者は、「それでは質問を少しかえて、すごく良いとは言えないにしても、悪くはないと思う人は?」と問いかけると、半数程度の人が手を挙げる。これは、最近の経済セミナーで何度か目にした光景だ。 記事全文>>
金融機関に勤務。海外が長く(通算18年)、いつも日本を外から眺めていたように思う。帰国して、社会を構成する一人の人間としての視点を意識しつつ読書会を続けている。現在PCオーディオに凝っている。
前回に続いて資本主義の問題点を考えたい。今回取り上げる『資本主義の文化的矛盾(The Cultural Contradictions of Capitalism)』は、書名の通り資本主義に内在する問題点を文化面から考察した本である。著者のダニエル・ベル(1919〜2011年)は、米国の社会学者であり、『脱工業化社会の到来』(1973年)で製造業からサービス産業への移行に伴う社会変動を予測したことで知られている。本書は、同書と並ぶベルの代表作であり、1976年に出版された。前回のガルブレイス『ゆたかな社会』から約20年後の米国社会を背景にしている。
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金融機関に勤務。海外が長く(通算18年)、いつも日本を外から眺めていたように思う。帰国して、社会を構成する一人の人間としての視点を意識しつつ読書会を続けている。現在PCオーディオに凝っている。
前回はスペインの哲学者オルテガの『大衆の反逆』を読んだ。オルテガは、産業主義(資本主義)の発展により得られた“豊かさ”が大衆社会を生み、民主主義の“繁栄”をもたらしたと言う。同書で展開される批判精神は、80年の時を超えて現代の日本社会が直面する危機の本質につながっていく。
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金融機関に勤務。海外が長く(通算18年)、いつも日本を外から眺めていたように思う。帰国して、社会を構成する一人の人間としての視点を意識しつつ読書会を続けている。現在PCオーディオに凝っている。
数年前から読書会を続けている。始めたきっかけは、日本や世界の現状を正しく理解したいと考えたからだ。年齢を重ねるにしたがって、思い込みを知識の断片でツギハギしながら、社会の出来事を解釈して納得してしまうことが多くなった。それではいけないと気づき、事象の背景を理解するために本を読み、他の人たちと意見を交換することで、視点を磨き、視野を広げたいと考えている。読書会で読んだ本を中心に、現在の日本と世界の課題を見つめ直してみたい。
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