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データ論の準備(1)目的
『住まいのデータを回す』第18回

3月 26日 2019年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

『住まいのデータを回す』シリーズも最終段階となった。前回の『データを耕す』シリーズから、ずいぶん遠くに来てしまったと思う。17世紀の哲学者、スピノザとライプニッツに刺激されて、彼らの文章の隙間に、書かれなかった未来の哲学を読み取ろうとした。それは決定論の世界には収まりきらない、個体差をともなう「所与すなわちデータ」の世界だ。

筆者は「薬物作用の個体差」をライフワークとしている。実際に自分で動物実験を行い、臨床試験のデータ解析をしていると、「薬物作用の個体差」は遺伝子に関係があるとしても、遺伝子そのものというよりは、遺伝的要因と環境因子との交絡(非線形な関係)が重要だと思われた。医学薬学関連のデータ解析を職業としてきたけれども、大学では植物と根粒菌の共生に興味を持っていた。当時は生物統計学も数理生物学も大学の教程はない時代で、数学の応用課題としての「共生」に興味を持っていた。大学のFORTRANプログラミングの演習で、「ロトカ・ヴォルテラの方程式」(※参考1)を題材にしたとき、カオスの概念は全く知られていなかったけれども、「共生」の方程式があるとすれば、それはニュートン力学の決定論的世界とは全く異なるものになるという予感はあった。 記事全文>>

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