古川弘介(ふるかわ・こうすけ)
海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
◆本稿の狙い
今回のテーマは「物価」である。日本は1990年代後半からデフレ(物価下落)に苦しんできたが、突然インフレ(物価上昇)に見舞われた。世界全体でインフレが進行しており、日本もその影響を受けたことが直接の原因であるが、これでデフレから脱却したと考えて良いのだろうか。その問いに答えるためには――世界的なインフレの原因は何か、そもそも日本はなぜデフレになったのか――を明らかにする必要がある。
これらの疑問に対する答えを示してくれる本を見つけた。渡辺努(東京大学教授)の『物価とは何か』と『世界インフレの謎』である。渡辺は日本銀行出身の経済学者である。渡辺の恩師である根岸隆(東京大学名誉教授)は、学問を「ハードアカデミズム」と「ソフトアカデミズム」に分類して、前者は新しい知の創造や独創的な研究を目指し、後者は知の伝承や教育を目的とすると述べている(*注1)。根岸は、日本の大学は後者に偏っているが、国際的な学会で承認される「ハードアカデミズム」こそ日本に必要であると説く。根岸自身は、それを実践した日本有数の経済学者である。 記事全文>>

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。








