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山田厚史に魅せられて 

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=『ニュース屋台村』発刊のことば=

小澤 仁
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住15年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私が初めて山田厚史さんに会ったのは、人を見る確かな目をもつキャリア官僚のA氏からの紹介がきっかけだ。「問題を真正面から切り込んでくる方なので、政財界の人たちから煙たがられていますが、世間の考え方を代表するような方だから、知っておいて損はないですよ」。そんな枕言葉がついた紹介であった。海外生活通算25年。日本の世情から遠ざかり、かつテレビ嫌いな私は、そんな山田さんがテレビにもよく出演されている有名な人などとは全く知らなかった。

確かに山田さんはユニークな人だ。大きな身体がさらに大きく見える威風堂々とした態度。人に会う時は「イヨッ」と大きな声をかける。東京・内幸町のプレスセンターなどで山田さんに「イヨッ」とやられると、こそこそ逃げていく人が多い。

しかしそんな山田さんの真骨頂は、人に対する優しさと物事に迫る変幻自在な視野だ。厳しい記事をたびたび書く山田さんだが、その事件の背景にあるシステムや考え方を糾弾することはあっても、人を責めることはまずない。人間が弱いものであるという前提に立っている。また物事を評価するにあたっては360度の角度から質問を発し、問題がないか追求する。金融という実業界に身を置く私から見ると、自分の立場を守らなければいけないことが多いが、立ち位置を変えて質問をしてくる山田さんは本当にずるいと思う。しかし、それが山田さんを「真のジャーナリスト」と周りに言わしめる理由だとも思う。

今回、『ニュース屋台村』を立ち上げる当初の発想は「山田厚史の失業対策」である。あの山田厚史が、朝日新聞社を定年退職するのである。彼が真にフリーな立場で社会の木鐸となりうるチャンスの到来である。

時まさに波乱万丈。日本国は没落寸前。日本企業も中韓企業の追い上げに遭い、苦渋のさなか。にもかかわらず、日本国内はこうした事情から目をそらし、天下泰平を装う。「山田厚史の失業対策」に参集したわれわれはこうした現状を憂うる仲間たちである。既存のメディアでは報道されない日本内外の事実や新たな認識をお伝えするとともに、異なった文化や意見の交流を通して、新たなイノベーションのきっかけをつくっていきたいと思う。

『ニュース屋台村』は、われわれが手弁当で始めるネット新聞である。報道の中立性などという気取ったことを言うつもりはない。ここに集う執筆者は誰にも気兼ねせず、自らの責任において記事を書いていく。立場の異なる多くの意見や新たな事実が集まることを期待している。ぜひ忌憚のないご意見・ご要望をいただきたい。

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